りんたろうブログ

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芸歴「ハロー・ドーリー!」「ミー&マイガール」「ショウボート」。坊っちゃん劇場「げんない」ピエロのクリ坊役、「スカーレット・ピンパーネル」「bera」アラン役「にんじん」「アダムス・ファミリー」

星舞台出演情報星


坊っちゃん劇場ロングランミュージカル「げんない」 無事に大千秋楽を迎えることができました! 応援してくださった方々本当にありがとうございました! これからは東京を拠点にさらに俳優活動に力を入れます! これこらもよろしくお願い申し上げます!

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『ハウ・トゥー・サクシード』2020.9.4〜10.9


全29公演をカンパニー全員が怪我なく健康に大千穐楽を迎えて完走することができました!!!

コロナ禍の中、御来場頂いた方々、今回は観劇を見送る選択された方々、SNSなどでいつも応援してくださる方々をはじめとする全ての皆様に心より感謝申し上げます❗️ありがとうございました。










さて、無事終える事ができた今だからこそ言える僕個人の心境を少しだけ書こうと思います。


4月頭に公演予定だった「モダン・ミリー!」がコロナウイルスの影響で全ての公演が中止になり仕事を失いました。

稽古場での通し稽古は終わり、あとは舞台稽古と本番だけでした。





僕が最後に見た「モダン・ミリー!」の姿は、空っぽの客席から見た「未使用の舞台セットがバラされる」ところでした。

今までに味わったことのない虚無感と悲しみで満たされて、それに戸惑いながらなんとか前向きになろうとカンパニー全員の着登板を表に返して劇場を後にしました。


それと人生で初めて合成アプリを使い、全員の合成集合写真を作り出したのもこの頃です。消化しきれない事柄が沢山ありました。



そして『ハウ・トゥー・サクシード』の稽古が始まり、自分がコロナを持ち込む事、疑心暗鬼になる事、仕事を失う事、何よりも楽しみにしているお客様を裏切る事が心底恐ろしかったです。

勿論カンパニー全員がプロですから毅然とした姿勢で稽古に臨んでいた事は間違いありません。

しかし同時に全員が誰も経験した事のない事態なのも事実で、僕自身も心の中で不安に思ったりソワソワしてました。

しかし稽古を重ねるにつれて、本当に晴れやかなカンパニーの良さが不安を掻き消してくれました。

その中心にいたのは座長の増田貴久さんでした。


若い頃に大御所の方から「空気は読むものじゃなくて作るものだ」と教えて頂いたことがあります。

それを座長として自然体で行なっていた事に静かに感動しました。

ご本人も初のブロードウェイ作品でなれない事も沢山あったと思うのに、うわぁ、、、こういう事ができる人っているんだな、、はぁ、、、S  U  K  I  ‼️

となった事を覚えてます。

本当にお人柄の素晴らしい座長でした。


そして優しく暖かく楽しい、スタッフさん方を含む最高のカンパニーの皆さんのお陰で大千穐楽まで楽しく駆け抜けることが出来ました。心から感謝しています!

本当はお一人お一人のお人柄に触れたエピソードを書きたい気持ちなのですが、長くなり過ぎてしまうので一旦ここまでにさせて頂きます。


再演を強く希望します!

出演者としてちょっと遠慮してましたがやはり声を上げなきゃ届かないから!わぁぁぁぁお願いしますぅ!フジテレビさーーーーーーーん!シーエイティーさーーーーーーん!!主催者の皆様ーーーーーーーー!




さて、ここからが本題ですよ!



*「りんたろうの〜ハウトゥー独自考察〜♪」*



ここでは私が『ハウ・トゥー・サクシード』に携わる為に調べた資料や、ミュージカルファン歴20年で蓄積された知識から導きだされた「非常に偏ったミュージカル作品の考察」を恥ずかしながら披露させて頂きます。

作品の魅力やなぜヒットしたのか、どんな作品のオマージュが含まれているかなどもご紹介して行こうと思います。

少々のネタバレ的な事柄も含みますので、この作品を見てない方で内容やオチを知りたくない方は以降の記事をご覧になる事をお勧めしません。

ご了承ください。


↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓




・作品の背景


この『ハウ・トゥー・サクシード』という作品は1961年に初演され、1417回のロングランヒットを記録しました。


舞台となる1950年代のアメリカは第2次世界大戦の戦勝国として大いに発展し、何を売っても儲けが出る超経済成長の中にありました。

平たく言うと なかなか調子に乗ってました。 社会全体が絶好調でした。


(『ハウ・トゥー・サクシード  』に登場するWWW社は「ウィケット」を売って儲けている大会社ですが、「ウィケットが何か」は誰も知りません。)



そんな社会に対して

「このままで本当に大丈夫?」

「カッコ付けてるけど外から見たら結構笑えるよ」

「よく見ると中身スカスカだよね」

などの社会への警鐘とも取れる皮肉が効いたコメディ作品なんです。

(でもそれって決して当時だけではありませんよね。)


これはミュージカルだけではありませんが、ヒット作ほどその当時の社会を凄く反映している作品が多いです。


例えばミュージカルの祖と言われる1943年初演の「オクラホマ!」は異例の大ヒットをしました。

アメリカ西部のカウボーイと農民の娘の三角関係を明るく描いた、ストーリーは平凡で温和なラブロマンスです。しかし当時はまだ戦争中でした。その様な社会背景がのんびりとして暖かな作風とマッチ人々の心を掴みました。


1957年初演『ウエスト・サイド物語』もそうですね。誰もが知る『ロミオとジュリエット』を下地に当時の社会情勢を上手く織り込みながら書かれ、今も世界中で上演され続けているミュージカルです。


この様に『ハウ・トゥー・サクシード』も当時の社会の痛いところを上手くコメディに変えて当時の人々に笑いと考えるキッカケを与えた素晴らしいミュージカルなのです!






・珍しいシチュエーション


1960年までのミュージカルは、『オクラホマ』『回転木馬』などの大ヒット作品の影響を受けて、

多くの登場人物、多彩な衣装、華やかなダンスシーンを物語の中で必然的に作る為に「様々なシチュエーションに移り変わる」様に構成されていました。

しかし『ハウ・トゥー・サクシード』では基本的には「WWW社のビル」と言うシチュエーションしかありません。

それまでその様なヒット作品もあまりなかったのでクリエイター達は作品を創るのに躊躇した様です。

しかしそれらの風潮を跳ね除けて大成功を収めた事により、後のブックレスミュージカル(『コーラスライン』『キャッツ』など)の発展にも繋がったと考えられています。

改めて物凄い作品なんですよね。







・影響やオマージュ元となる作品


これらは『ハウ・トゥー・サクシード』がヒットする為に欠かせない要素です。何と言っても19401960年代はミュージカル黄金期と言われてます。観劇した多くに人がすぐに理解できる有名作品からオマージュされています。


その中でも私が好きな3つをご紹介させて頂きたいと思います。


まずハウトゥーに影響を与えた、オマージュに使われた作品とシーンの説明をざっくりとしますので、ハウトゥーのどのシーンに当てはまるか予想しながら見てみてください。





1945年『回転木馬』の「June Is Bustin’ Out All Over」(6月は一斉に花開く)




僕は初めてこのシーンを見た時衝撃を受けました。

このシーンでは「6月になるとどれだけ男女が浮き足立ち、色めき立ち、如何に素晴らしい季節か」を歌ったミュージカルナンバーです。

内容が「1」の事を「10や20に膨らませる」と言う手法は他にもありましたが、ミュージカルは基本的にナンバーで話を進め状況や心境に変化を与える必要があります。

なのに「6月ってサイコー!ヒャッホー!」を伝えるためだけに1曲(それも割と長い)歌って踊っちゃう訳ですよ。それに歌詞も


「6月みんなはじけるー♪ジュン♪ジュン♪ジュン♪ 我らのジュン♪ジュン♪ジューーーーーーーーン♬」


ですよ本当に!中身の無さったら!!!笑  

更にはアクロバットな男女のリフトや激しいダンスシーンもあります。




どこかで既視感がありますね!




そうです。「コーヒーブレイク」ですね!


「コーヒー頂戴」「無いと仕事なんか出来ない」たったこれだけの内容に対してあのダンスシーンのポテンシャルを発揮する欲求衝動の高さが笑っちゃいますよね。

そもそも「そんなに歌って踊れるくらいエネルギーあるならコーヒーいらないでしょ!ww」って突っ込みたくなります。


しかし、よくよく考えると人間ってそう言う矛盾した側面を沢山持っていますよね。意外と人間の理にかなったコメディシーンなんですね。





『ウエスト・サイド物語』の「マリア」




この作品をご覧になった方はすでにお気づきかも知れません。


この「マリア」と言う曲のシーンでは主人公トニーとヒロインのマリアがひと目見ただけで運命的な恋に落ちます。そしてトニーは彼女の名前を知り、その美しい名響きと彼女に出会って世界が全く違う様に見える高揚感で街を徘徊しながら「マリア〜♪ま〜〜〜り〜〜あ〜〜〜〜♪」と熱烈に歌い上げるシーンです。


その歌詞の中に


「マリア、なんて美しい響きだ。強く呼べば音楽になり優しく呼べば祈り様だ。」


と言う趣旨のブレーズがあります。





この曲をオマージュに使ったハウトゥーのシーンは、、、、、もうおわかりですよね!






1幕最後に歌われる「ローズ・マリー」です!


ここでもフィンチが「ローズマリー♬ローーーーーズマリーー♪その名前は遥かなメロディー♪」と歌ってますね。


ウエストサイドのトニーとマリアが運命的なひと目惚れで恋に落ちたのに対して

フィンチはヘディ・ラルーにキスした事により「自分はローズ・マリーに恋してたんだ!」と気づきますね。笑


「人間が恋に落ちるのは必ずしも突然訪れる運命的な恋ばかりでは無いよね!笑」と言うメタファーにもなっており、更にフィンチのヒョウヒョウとしたキャラクターが良く理解出来る素晴らしい構成のシーンになっています。


(曲中でローズ・マリーにもキスをすると案の定ヘディー・ラルーのキスマークもバレて怒られるフィンチの「全然完璧ではない主人公」が人間味を引き立てて、「おバカだなぁ」と思いますが憎めないんですよねー。^w^)


それから「ローズマリー♪ジェーイピエールポーント♪」と歌ってる1番印象に残る旋律ですが、あれも『ウエスト・サイド物語』「Somewhere」と言うナンバーを彷彿させます。

日本語では「どこか」と言うタイトルです。二人の行く末のアンサーソングになっているのかも知れませんね。






『オクラホマ!』『王様と私』『サウンド・オブ・ミュージック』など





前のブログにも書きましたが現在に「ミュージカル」と言う演劇ジャンルは1945年『オクラホマ!』が大きな基礎となってます。

それらを作ったミュージカルの祖が「リチャード・ロジャース & オスカー・ハマースタイン2世」と言う作曲家と作詞家のコンビです。(ここテストに出ますよ!)


彼らがこの演劇スタイルを「ミュージカル」とするのに幾つかの特徴を作りました。詳しくは前のブログをご覧ください。

そのうちの1つで「主人公とヒロイン以外のカップルをもう1組作る」と言う特徴があります。

これは主人公カップルの様な王道では出来ない発展の仕方や、ストーリーから少し外れたところでも関係性を進めることが出来るので、バリエーションやバラエティに富んだシーン作りをする為に後のラブロマンス作品の典型的な手法となりました。




1961年に『ハウ・トゥー・サクシード』を見た観客達は「フィンチ × ローズ・マリー」以外のカップルを何となく予想しますよね。


そしてビグリーとヘディ・ラルーが歌う「愛の宝物」のシーンで、最後なんだかんだで「ビグリー × ヘディー・ラルー」になるのかなー。と思いきや!

フィナーレで何の前触れもなく、発展するラブシーンも無しに「ウォンパー夫妻」として登場するわけです!そら笑うわ!


「これまでのビグリーとヘディー・ラルーのシーンは何だったの?!笑」 となる様な良い裏切り展開ですね。

それこそ男性から見た女性の変わり身の早さや逞しさが上手く笑いに描かれていますね。(ビグリーの浮気が空気の様な扱いなのが時代だな。。。と感じますが。)


ビグリーはウォンパーに好きな女性を取られ、フィンチに会長の座を取られ踏んだり蹴ったりと言うオチにまで繋がる素晴らしい構成なのです!





如何でしょうか?この他にも色々とお気づきになった方もいると思います。是非コメントで聞かせて下さい!


もしも『ハウ・トゥー・サクシード』が再演された時に新しい視点で作品を楽しんで頂けただけたり、他のミュージカル作品に興味を持って頂けると僕は本当に嬉しいです!






ちょっとしたオマケコーナー!

実は「え!この曲って元々ミュージカル曲なの?」と驚く曲って意外とあるんですよ。


その代表が「ドレミの歌」「エーデルワイス」です。


西洋の童話の様に教科書に載っていたり自然に耳にする頃が多いですが、

実はどちらの曲も1959年初演『サウンド・オブ・ミュージック』の曲なんです!

そしてそれを作ったのはあの「リチャード・ロジャース & オスカー・ハマースタイン2世」なんです!!ジャジャーーーン♪(笑)




この作品見たことない方は映画にもなってます。僕の中で「出来の良いミュージカル映画 第1位」です。

超絶オススメなので今すぐDVD借りてきて観て下さいね!!!(圧)





ここまでお付き合い下った皆様、本当にありがとうございます。実は1度この記事を投稿寸前まで書いたのに全て消えると言う事態に意気消沈しましたが、ツイッターでのコメントやこれまで頂いた応援やDMが背中を押してくれて無事に書き終えようとしてます。



改めて『ハウ・トゥー・サクシード』と言う作品は多くの人との繋がりをもたらしてくれた凄く大切な作品です。


この作品がまたどこかで再演できる様に、

そしてミュージカルという文化をもっと多くの人に知ってもらい楽しく素晴らしい経験をしてもらえる様にこれからも精進して参ります。


これからも応援よろしくお願いいたします!



本当にありがとうございました!僕は出来た!

そして今後も出来る!!!


また劇場にて皆様にお会いでることを心待ちにしています。




りんたろう














で、終わらせると見せかけてーーーー!




最後に10月末ライブの宣伝もさせて下さいませ。

ご興味ない方は下記は見なくても大丈夫です!

本当に見なくても大丈夫なんですよ?笑


見てくださる方ありがとうございます❣️


ミュージカルコンサートに出演いたします。

生演奏バンドなので僕も凄く楽しみです!




*10/27 19:30〜  (ネット配信あり)

場所:北参道 GRAPES KITASANDO(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-3-11)


様々なミュージカル作品の良いとこ取りの曲を

歌と生演奏でお楽しみ頂けます🎶


実はハウトゥーサクシードからも

「Brotherhood  of Man」を歌わせて頂きます❗️

他にも6曲ほどソロ曲やデュエット曲も歌います。

楽しみにしていてくださいね!


ハウトゥー仕込みのコロナ対策もバッチリしておりますので安心してご来場下さい!


来場チケット 3800円(1drink代別)

ご予約はこちらからお願い致します↓↓↓


http://teket.jp/386/1210



配信チケット詳細はもう少しお待ち下さいませ。


お申し込みお待ちしております!




そしてここまで読んで頂いた皆様、重ねて本当にありがとうございます😊



また元気にお会いできることを心待ちにしています!

ありがとうございました!!!





りんたろう

こんにちわ、こんばんわ、おはようございます。

しばらくブログを更新出来てなくて本当にごめんなさい❗️


現在シアターオーブにて
「ハウ・トゥー・サクシード  」に出演中です。
ご観劇頂いたお客様、これからご観劇頂くお客様、いつも応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

日々の公演のなか、ついつい手軽なTwitterが多めになってしまいました。

さてそちらでも書いたように、ハウトゥーの本番が終わったら僕の個人的な考察やどんな作品のオマージュがあったか、などをブログかTwitterに書こうと考えてます。


でね!
その前に今回ハウトゥーで
「ミュージカル初めて見ました!!」
と言う人に向けて

「ミュージカルってそもそも何?」
「音楽劇とどう違うの?」

と言うのを、いち「ミュージカルヲタク」として物凄く大まかに説明します。(とは言え長いです。)


まずは!



「ミュージカルってそもそも何?」




正直僕も端的にこれらを説明するのは困難です。
せっかくですので、少し「ミュージカル史」のお授業していきますよ!


まず、ミュージカルはアメリカ発祥で、実は歴史はオペラやバレエに比べると浅いです。

1930年代までには「ミュージカル」と言う単語はありましたが、それはミュージック+プレイの造語でした。

なので、
「ミュージカルコメディ」=音楽で彩ったコメディ と言ったニュアンスで使われることが主でした。

それを 「ミュージカル」と言うジャンルを確立した天才達が現れます❗️

それは現代ミュージカルの祖と言われる1943年初演「オクラホマ!」の産みの親、
リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世という2人組です!


彼らの確立した「ミュージカル」と言うジャンルの特徴がこちら↓↓↓↓↓

・音楽、脚本、芝居、歌、踊りに必然性が必要。

・物語の役は歌や踊りを「歌や踊り」として捉えていない。(例外はあるが)

・歌や踊りによって役の心境や状況が物語上進行しなければならない。

・音楽は時代設定に合うジャンルや楽器を使う。

・ドリームバレエがある。

・エンタメ色を強くし華やかにする為、アンサンブルが多く出演できるシチュエーションを作る。


などなど。


そしてその二人組が産み出した代表作はこちら
↓↓↓↓↓

オクラホマ! Oklahoma! (1943)
回転木馬 Carousel (1945)
南太平洋 South Pacific(1949)
王様と私 The King and I (1951)
サウンド・オブ・ミュージック The Sound of Music(1959)

現在でも多くの国でツアー公演が組まれるほど人気の作品ばかりです。

彼らの打ち立てた「ミュージカル」と言うジャンルはそれほど強く現代ミュージカルに繋がっています。




「音楽劇とどう違うの?」




まず初めに、「音楽劇」というジャンルがあります。
なんとなく想像は出来ると思いますが、こちらも歌ったり踊ったりします。日本ではミュージカルの後にこの単語を使われるようになったようです。


では「ミュージカル」とは何が違うのか?


基本的な考えとしては先程の1930年代までのミュージカルと近いニュアンスです。
「音楽で彩られたストレートプレイ(セリフのみの芝居)」と言う感じです。
簡略して言うと「自己紹介の歌」「状況説明の歌」
など、ストーリーや役が急に「歌を歌と認識して歌う」「必然性がなくても踊る」と言うのが可能になり、それらによる「物語や状況に変化」の必要がありません。

そして音楽劇は凄く曖昧で、ミュージカル程ジャンルとして纏まっていません。
何故なら「芝居に音楽を取り入れる経緯」が様々です。
多くは演出の為に「オープニング盛り上げよう」「楽しくしよう」「説明を歌にして面白くしよう」など。
あとは「ミュージカル」のオマージュやパロディなんかも多く存在します。


しかし、個人的に「ミュージカル」を理解するのに「音楽劇」の理解は必要だと考えてます。



よく「急に歌うから気持ち悪い」「リアルじゃ無い」と言う意見。
→本当にその通りです!!


「ミュージカル」は音楽、脚本、役、芝居、歌、踊り、全てに必然性が無ければ、成立しません。

或いは必然性を感じることの出来る脚本構成、音楽構成、演出構成が必要になってきます。
「ミュージカル」のクオリティを大きく左右するのはギミックです!構成力なのです!!(突然の圧!)

役者もそれらを理解して演じる必要がある為、知識や技術がより多く求められます。



では、「ミュージカル」の歌や踊りの「必然性」とは?

皆さんのこれまでを思い出して欲しいのですが、舞い上がるほど嬉しいことがあった時、声が出てしまったり、小躍りしたりしませんか?
人格が変化するほど悲しくなった時、怒った時、自分でも信じられない声が出たり、行動に出る事はありませんか?

そうです「ミュージカル」の物語の登場人物は現実の私達の生理的現象の延長線上で歌い踊っています。
そして音楽によってそれらがより感情的に表現的に膨らんでいきます。
そうでないと観客は感情移入出来ませんし、物語に没入し「体験」を得ることが出来ません。


なので、これらを踏まえた上で良質な「ミュージカル」を創る為には

音楽を理解できる脚本家、作詞家
脚本が読み込めて、構成力のある作曲家
楽譜が読めて、踊りが理解できる演出家
脚本が読み込めて、構成力のある振付家

が絶対に必要になってきます。

だからリチャード・ロジャース(脚本作詞)と
オスカーハマースタイン(作曲)はタッグを組んだのですね!(伏線回収感✨)


そして海外では振付が出来る演出家が割と多いです。(日本ではほとんど見た事ありません。)

「ハウ・トゥー・サクシード  」の演出、振付のクリスさんもまさにそのパターンです。
振付(行動)と演出(心理的動線)がリンクして無ければこれ程のヒット作にはならなかったでしょう。



観劇する側は演劇や映画、ドラマに「体験」を求めてます。

「ミュージカル」の物語や登場人物は一見「理解し難い心理状態」であります。
(普通はコーヒーが無いだけであれだけ踊ったり歌ったりしません。笑)
全然「リアル」じゃありません。
しかしそこにしっかり「リアリティ」を感じることが構成演出上にあれば、私達は逆に「理解し難い心理状態」「体験」することが出来ます。
普段から踊らない人も、自分が踊ったような感覚に引っ張られます。
登場人物の叫びが音楽になり、言葉で聴く以上に感情的に理解することが出来ます。
これが「ミュージカル」の1番素晴らしい所です。

(だから良い作品を観ると心が満たされると同時に凄く疲れます。笑 
その役の人生の起伏を「体験」したのですから。)


そしてこれまでのことを全て踏まえた上で改めて
「ミュージカルってそもそも何?」を聞かれると
「物凄く緻密で繊細な総合芸術」
と私は答えます。




余談ですが、日本ではまだまだこの認識がアメリカよりは薄く、
「歌と踊りと芝居のエンターテインメント」(これ自体は悪くありません)であればミュージカルである、という考えに物凄く偏っています。


とある大手の再演ミュージカルに出演した時、プロデューサーに
「この作品は20年前やった時は音楽劇だったのに、何故今回は内容そのままでミュージカル(という触れ込み)に変更したのですか?」
と聞きました。

帰ってきた答えは
「ミュージカルが流行だから」
「楽曲の数からミュージカルだと思った」
と言う物でした。


ですので現在の日本で「ハウ・トゥー・サクシード  」の様な良作が上演される事は
プロデューサー、制作、クリエイター、キャスト、スタッフの「愛と情熱」が無いと出来なかったことでしょう。
本当に心から感謝しています。


そして「ハウ・トゥー・サクシード  」の様な素晴らしい作品が日本にもっと増えていく様に、「ミュージカル」の考え方をお友達やお知り合いにシェアして頂けたら嬉しいです✨



皆さんの人生に、より良い演劇と音楽があります様に。

本当に長い長い文章を読んで頂きありがとうございました❗️

公演が終わったらネタバレを含む考察を書こうと思います。(その元気があれば!)笑
では❣️


りんたろう
びっくりして動揺してます。

こんばんわ!(もはや朝です)

もぉ誰も見てないと思いますが、数年前携帯が壊れてからどう頑張っても、どぉーー頑張ってもログイン出来なくて半ば諦めてたのですが、

今何となく試しにいつも通りパスワード達を入力したは
え?
へ?

ま?


入れたぁあぁあーーー!!

やったぜ。





えー、もぉ何を書いて良いやら分からんのですが、

わたくしは元気にしてます。

ここ数年はTwitterをメインに情報を発信してましたが、次からはこちらからも発信します。
プロフも時が止まってるので追々更新します




えーーびっくりした。


てかむしろなんで??
なんで今まで入れなかったのか?

疑問が募るばかり、、、???

でも明日は「ハウ・トゥー・サクシード」の歌稽古です!

ちゃんとコロナ対策で少人数で短時間でやっておりますよ!

席も前後左右1席空くそうです。(その分チケットが取りづらい)

皆さんも体調管理お気をつけ下さい。

寝ます。
また更新します


はぁーいやーびっくりしたわ
「グレイテスト・ショーマン」を初鑑賞しました。

音楽が素敵でヒュージャックマンのパフォーマンスの幅広さに圧倒されて、より好きになりました!

ザックエフロンの坊っちゃん感もハマってました!
他のキャストのレベルも高く、キャスティングも素晴らしかったです。


しかし、ミュージカル作品として見た時に何回もノッキングを起こしました。
ミュージカルを理解しきれてない人が作ったのか、それとも新しいスタイルとしてやりたかったのか。

僕の好みもあるのですが、個人的に引っかかった点

・「ア ミリオン ドリーム」の中でバーナムが少年から青年になり、娘達も同じナンバーを歌うようになるシーン。
おそらく尺の問題も、伝記的な意味でも無理やり詰め込むしか無かったのかと思うくらい展開は急で曲は長く感じました。
何より娘達が曲の流れですんなり歌いすぎてしまって、何故、どんのよう心境変化で、誰に向かって歌ったのか分かりにくかったです。

・ほぼ全曲歌い出しや音楽の導入が雑。カメラの構図が当人をピックアップし過ぎ。
音楽と芝居の間が噛み合ってなくて、え?そのタイミングで歌い出すの?とビックリ。
特に成功お祝いパーティーを追い出されてからの「ディス イズ ミー」や、バーナムが全部失ってから立ちなおるバーのとこですね。
歌い出す原因や役者の呼吸や空気が掴めないまま、流れていく。あと2〜3秒間をとり呼吸が見えるだけでも違うのになぁ。と。
それに加えてバーのシーンは歌い出しがカメラさんがバーナムによってばっかりで、その場の雰囲気や仲間のリアクションで心が動いて歌い出すのが分かりにくい。

・その後のダンスとショーの中のダンスのニュアンスが一緒だからサーカスの仲間達にも共感しにくい。

そもそもミュージカルは劇中劇やショーなどの設定でない限り、歌を歌っている認識で歌ってる訳ではない。役の叫びや、心臓の高鳴り、ワクワクする足音などが音楽で表現され、さらにナンバーが始まった時と終わった時にストーリーとして何かしらの変化を必要とする。
ダンスも同じで、ショー中はダンスを踊っているが、あのバーのシーンでも同じように踊ってしまうと、全てを失った彼の背中を押しているって言うより、ショーを見てください!!って感じてしまって。違うくね?ってなりました。
踊るために踊らないで!ってなりました。
いや、ダンス自体は素晴らしかったんですけどね。


・全体的にパワー押しで解放するナンバーが多くて、それぞれのキャラクターのフラストレーションやコンプレックスを理解できるナンバーやシーンが少ない。
バックボーンを想像させるパーツが少ないので、大ナンバーの迫力だけでこられても、涙が出そうで腑に落ちなくて引っ込む。という感じでした。


・この作品を舞台に移植するときっと伸び伸びになってしまって面白く感じないかも知れないと思いました。
映像での煽りや見せ方がショーをより盛り上げていたと思います。振り付けやパフォーマンス自体は物凄くかっこよかったと感じてます。



・結論。ミュージカルとするには構造がいささか足りない部分や描ききれてない部分や、接続がうまく行ってないと思われる部分があるが、ショー映画としては面白かったと思います。


例えば「バーレスク」はミュージカルでは無いが、劇中劇のナンバーとストーリーを上手く合わせたとても良い「ショー映画」だと思う。構造からすれば「グレイテスト・ショーマン」もこっちの部類に入るのではないか。


そしてやはり、ミュージカルの映画化って難しいと改めて感じました。

未だに「サウンドオブミュージカル」「ウエストサイドストーリー」「RENT」がミュージカル映画としてが傑作すぎてなかなか超えられるものが出てこない。


日本では歌って踊ればなんとなくミュージカル
と言う人も多い中、ミュージカルの構成の綿密さを語り明かしたい。

感想やご意見あれば、なんでもコメントして下さいね。出来る範囲で返信します。


りんたろう
新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

2017年は多くの作品と人に恵まれた年でした。
いつも舞台を観に来て頂いてるお客様、そして支えてくださる皆様に改めて感謝申し上げます。


2018年。新たな年に私事ではございますが皆様にご報告があります。


昨年末に5年間所属していた芸能事務所から離れ、フリーランスで活動して行くことを決めました。

それに伴い芸名を
「りんたろう」

として今後活動して参ります。
人間としても俳優としてもまだまだ精進して参りますので何卒よろしくお願い申し上げます。

皆様にとって素晴らしい一年になりますよう、素敵な出会いがありますよう御祈りしてます。

りんたろう
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今日もミュージカル「アダムス・ファミリー」の稽古へ

元々電車や車に乗ると流れて行く景色を見ながら物思いにふけるのが好きなのですが、ここ最近はアダムスとミュージカルのことばっかり考えてます。


前回と同じで僕の独り言や考え事のまとめなので、軽い気持ちで、読みたい人だけお進みください。


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昨日の稽古で1幕のステージングと振付がほぼほぼ出来上がりました。

その中でだんだんと自分のキャラクターの輪郭が見えてきました。

前回のブログでも書きましたが、ピューリタンの小道具が 「杖」 なんです。
でも紳士という役も「ステッキ」を持ってます。

その「杖」と「ステッキ」の用途をはっきりさせる為にもおじいちゃんの設定にしたのですが、稽古が進むと問題発生❗️

BW版より振付が細やかアクティブなのでスピードに追いつけないのです、おじいちゃんww

「杖」を持つ年齢、もしくは若者でも怪我してるのか?とかこれが「ステッキ」だったらなーとか。ピューリタン的には「聖書」もちたいなーとか。
衣装はツバの広い高帽子に大きなマントに、、、杖?もはや魔法使いになっちゃうか?!?魔法陣ぐるぐる懐かしいなーとか。
若干迷走しながら1人鏡前で動いてみたり踊ってみたり。

先輩の中本さんにアドバイスを頂きながら、これかな?とゆうのが見えてきました。

今から稽古場で試してきます♫

楽しみ。


藤井凜太郎

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現在「アダムス・ファミリー」の稽古中です。
かなりのスピードで振りが進み、すでにほぼ全曲振りがつきました。
流石再演ですね。
振り付けは振付稼業air:manさん


今回は今感じている事を独り言の様に自己分析を交えてます。
ミュージカルが大好きな方は共感頂けると思うのですが、軽い気持ちでお読み下さい♫


さてさて、

今改めて思うのはミュージカルの振り付けとバックダンサーやエンタメ系のダンスとは概念が全く違うと言うことです。

ミュージカルにおける「踊り」とは、基本的にその役の人物は「踊っている」と認識をしていません。
踊らないと収まらない行動理由が人物の中にありそれらが衝動的に表現的に結果として「踊り」になるんです。
それを1番丁寧に作ったであろう作品が「ウエスト・サイドストーリー」だと思ってます。
原案でもあるジェローム・ロビンズが振り付けとして仕事を引き受ける時に出した条件があります。
それは当時ブロードウェイでの振り付けでは異例の8ヶ月の振付期間でした。
そして1つ1つの振りにキャラクターの動機があり、欲求がある。それらの行動理由と振りを全て説明しながら振り付けをしたそうです。

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ジェローム・ロビンズとジョージ・チャキリス

だから「なんで今踊ったの?」ではなく納得できる行動の延長線上として見ることができる。

話は戻って私はアダムスファミリーの祖先の中のピューリタンという役を演じるのですが、決まっている小道具で杖を持ちながら踊ります。

と言うことは杖を持たなくてはいけない理由があります。そこで私はピューリタンの1500年代の50歳(今で言うところの80歳くらい)のお爺さんで振りを踊ってみようと思いました。

すると、何処を庇って杖を持つのか、歩き方、何故皆んなと同じ様に踊るのか、アダムスファミリーをどう思ってるのか、プライドは高いのか、死因は何か、など必要な設定が自然に出て来ます。

振りだけを踊っているとなかなか覚えられなかったり、ポージングにのみ執着してしまいがちですが、杖ついてるおじいちゃんならこの動きはこの解釈もありだな。と腑に落としていくことが出来ました。

発見、疑問、発見、疑問の繰り返しをして密度を上げていく作業はとても楽しいです。



でもある程度練習したものを振り付けの菊口さんにみてもらったら、おじいちゃん像が和物っぽくて「倉蔵」というあだ名を頂いてしまいました。笑

まだまだ研究します。スタイルとしてはクリスマスキャロルのスクルージを目指してみようかと思います。

そして今日、演出の白井晃さんとお話ししてたのですが、アダムスのブロードウェイ初演のピューリタン役の人がご年配の役者さんだったそうで、それで杖を持ってたいたんだと聞きました。
やっぱりね!!


これからも本番に向けてどんどん振りと歌を芝居に繋げて作っていきます。



また発見や経過をブログであげていきます。


アダムスファミリーのチケットお申し込みも受付てます♫

rintaro.fujii.stage@gmail.com

お待ちしております。


藤井 凜太郎
ログイン出来たーーーー!!!!

お久しぶりです。

生きてます!  私もこのブログも。


現在新橋演舞場に27日まで「にんじん」やってます。


はぁーとにかくログイン出来てよかったーー。

まったり更新していきます。
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ブログの更新をご無沙汰してしまいごめんなさい。
お久し振りです。

気づけばスカーレットピンパーネルが終りました!

ここまで走り抜けることができたのは応援して下さった皆様、作品を愛してくれたお客様のお陰だとしみじみ感じております。

本当に本当にありがとうございました!



劇中の牢獄シーンで実在の詩人アンドレ・シェニエ役を演じていました。



「階段に何を書いてるか知りたい」
と言う声をちらほら頂きました。

無事大千穐楽を迎えましたので恥ずかしながら公開します。






実際にシェニエ氏が牢獄で書いた詩のほんの一部です。


獄中でマルグリットが歌う「あなたを忘れよう」の中で「私に出来る事は1つ」と歌っているうしろで、自分を含めた獄中の仲間を見て、「詩人である自分に何が出来るか」考える。

その結果これから断頭台に向かう人々に言葉と魂を残し、希望を灯すために階段に記した。

と言う設定を軸に、その場の空気やキャストの皆さんのお芝居のエネルギーを頂いて毎回新鮮に死の恐怖と詩の美しさを持って闘うことが出来ました。

今回、台詞も歌もないアンドレ・シェニエと言う役は難しくも楽しくありました。

実在した偉大な詩人の役をやらせていただいた事で彼の考えや感性、に大いに触れることが出来ましたし、更に史実を肌に感じることが出来ました。

アンドレ・シェニエは、「レ・ミゼラブル」のヴィクトル・ユゴーの師匠でもあります。

ほんとにシェニエ氏に出会えることが出来て良かった。
ありがとうございました。


他にも書きたいことは沢山ありますが長くなるのでまた後日。

本日まで「スカーレットピンパーネル」を応援してくださりありがとうございました。

藤井凜太郎は来年度もいくつか舞台が決まっております。
レビューやメインキャストや小劇場にliveと様々な活動をしております。

是非、藤井凜太郎が気になった方は会いに来てください!





明後日から「カーテンコールをもう一度」の稽古です!
頑張りまーす❗


                        藤井凜太郎