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本日は、ProTools付属のマルチに使える音源、Xpand2とMIDIでの打ち込みについて。

ProToolsはバージョンが8になってからMIDIでの打ち込みが格段に強化されました。opcodeのvisionというシーケンスソフトの開発関係者がその技術をProToolsに移植したそうなので、その使い勝手は折り紙付きです。 
しかしながら未だにProToolsのMIDIは使いにくいと言う人達もいる様ですが、MIDIで出来る事は決まっているのでどれだけ使い込んでいるかに依る所が大きいと思っています。様は、使い慣れたソフトが使い易いという事ではないでしょうか。

さて、ProToolsには標準でいくつかのソフトシンセが付いています。BOOM(ドラムマシン),DB-33(オルガン),Mini Grand(ピアノ),StructureFree(サンプラー),Vacuum(アナログシンセ),そして本日紹介するXpand!2(マルチ音源)です。
これらの音源はA.I.RというAVID内のチームが開発していますが、元々はSTEINBERGで音源の開発をしていたそうです。

Xpand!2、これがどういった音源かというと、これ一つであらゆるジャンルをカバー出来る膨大な量の音色が入ったマルチティンバー仕様。ピアノやギターといったスタンダードな物から、声やエスニックな物、はたまたループになっている音色などが、各カテゴリー毎におよそ2000音色もプリセットされているのです。

2000音色が多いのか少ないのかが分からない方もいるかもしれませんが、現在一般的なハードウェアのシンセサイザー(ヤマハやコルグなど)で、およそ500音色~多い物でも1000音色ほどとなっているので、標準で付いて来る音源で2000音色はかなり多い事が分かると思います。

Xpand!2は4つまでのMIDI信号を受信出来るので、トラックに一つインサートすれば、それだけで4パート分まかなう事が出来ます。あるいは、4パートを全て同じチャンネルにすれば、4つの異なる音色を組み合わせるレイヤーサウンドを作る事が出来ます。
また、各音色毎に、約30種類のアルペジエーターを備えているので、複雑なシーケンスフレーズも簡単に演奏する事が出来ます。

スマートノブという、画面の真ん中より少し上に6つのノブがあり、通常ここは画面左のEASYと言うモードで、アタックやリリースなど基本的な設定が変えられますが、例えばAにギターの音色を入れている場合、ここでEASYではなく、Aのボタンに変えると、ギター用の音色エディットが可能となり、フレットを擦る音を調節出来る様になります。同様に、各音色毎の細かい設定を変える事も出来る様になります。

それ以外にも、パンやボリューム、2系統のエフェクターが装備されているので、この中だけで凝った音作りが可能となります。
もちろん作った音はプリセットとして保存も出来るので、後日再現する事も簡単に出来ます。


さて、ProToolsで新規にセッションを立ち上げ、これから曲を作ろうと言う時に、Xpandを立ち上げる訳ですが、まず始めにする事は、打ち込む為のトラックを作る事です。

ソフトシンセを立ち上げる時は、MIDIトラックではなく、インストゥルメントトラックを作ります。
インストゥルメントトラックとは、MIDIトラックとAUXトラックを足した物で、ソフトシンセを立ち上げる為に最適化されたトラックだと思って下さい。

なおXpandはモノラルでもステレオでも大丈夫ですので、使う音色によって変えてもいいでしょう。

次に、インストゥルメントトラックのインサートにXpandを呼び出します。
ソフトシンセはすべてinstrumentの中に表示されます。

録音トラックの名前の部分をクリックするか、あるいは、録音待機ボタンを赤く点灯させると鍵盤を押せば音が出るので試してみて下さい。音が鳴らない人は、メニューバーのオプション欄にあるMIDIスルーボタンがチェックされているか確認して下さい。

もちろん鍵盤を使わずにマウスだけでも打ち込めます。

あとは通常のレコーダーの様に、録音、再生ボタンを押せばMIDIレコーディングが開始されます。


簡単にクオリティの高い曲を作る事が出来、尚かつ動作が非常に軽いこのXpand!2は、作曲者のマストアイテムだと思います。
緊急にデモが必要な方はもちろん、細かく打ち込めばリアルなサウンドが得られる事から、多くの方に使って頂ける音源ではないでしょうか。

RTAS音源なのでProToolsでしか使用出来ませんが、ぜひ一度試して頂けたらと思います。

それでは。