手術予定時間5分前の11時25分、
車いすで手術室へ移動したさらり。
手術室はコンパクトで、小綺麗な感じですが、
冷たい印象はあまり感じません。
T先生と助手の看護師さんたちが迎え入れてくださいました。
手術台にうつぶせに寝て、手は横に、
足はすこし開いて足元に置いてある大きなクッションの上に乗せます。
顔の所にはUの字のビーズクッションが置かれていて、
「自由にしていいですよ」、と言われたので、少しだけ左を向くことにしました。
腕には血圧計と点滴が付けられています。
体勢が整うと、手術着をお腹までたくし上げられ、
お尻を左右に思いっきりがっつりと開かれ、しっかりとしたテープで固定されます。
そして、おそらく術部だけが出るようにくりぬいた布のようなものをかけられました。
これでもう、完全にまな板の上の鯉です。
(後の記事で書きますが、翌日、同室のおばちゃまから、
『カエルがつぶされたみたいな格好』と言われた姿勢です)
緊張していると、T先生が
「本当に綺麗な肌をしているわねえ。切って傷つけちゃうのがもったいないわ」
と感心したように仰いました。
子どもの頃から、「色の白いは七難隠す」という諺は
自分にぴったりと自覚して育ったさらり。
美容院やエステや洋服屋さんやお化粧品やさんで、どんなに
「綺麗な肌ですね」と言われても、
「それって、他に褒めるところがない客への典型的なセールストークじゃない。
簡単に乗せられたりしないわよん」
とひねくれた気持ちで愛想笑いを浮かべてきました。
でも、T先生に褒めていただくと、なんだかとても嬉しかったです
そして、
「それじゃあ、これから局所麻酔の注射を打ちますね。
前に言ったとおり、これがすごく痛いけど頑張ってね」
と言われました。
えっ局所麻酔ということは伺っていたけれど、「すごく痛い」とは聞いてないんですが・・・・
とは言えず、まな板の上の鯉なので、「はい」とお返事。
どれだけ痛いかと覚悟していたら、チクーとはするものの、案外それほどでもありません。
歯科麻酔の方が痛いかも。
先に塗った局所麻酔ゼリーのおかげでしょうか。
去年頬の粉瘤(こちらは3年物)を切除してもらったときに、形成外科のドクターに遠慮なくブスブスと打ち込まれた局所麻酔注射の方がずっと痛くて辛かったです
局所麻酔注射を打たれても動かないさらりをみて、T先生は
「全然動かないなんて凄いじゃない。本当に我慢強いわね。
きっとすごい覚悟をしていらしたのね」
とまたまた過剰に褒めてくださいます。
またまた気分がよくなったさらり。
わかりました
T先生は、天性の褒め上手でいらっしゃるのです
さらりは人を褒めるのが下手で、お世辞に聞こえちゃうので、
褒め上手な方をとても尊敬しています。
そして、褒め上手な方は、人の気持ちを癒す力があるという経験則を確認したのでした。
そんなことを考えているうちに、麻酔が効いてきたので、
いよいよ切除が始まります