変革すべき男子バレーのサーブ | 医療とバレーボールとアメリカ留学記

医療とバレーボールとアメリカ留学記

2016年5月9日からアメリカオハイオ州のオハイオ州立大学に留学することとなりました。日本では埼玉の大学病院でリウマチ膠原病内科医をしていました。冨永こよみ選手を中心に上尾メディックスを応援しております。これからは基本的には留学中の日記が主となります。

私はバレーボール自体はかなり昔から観てはいたが、特にのめり込むようになったのはここ数年で真鍋監督が全日本に就任してからである。

その理由は、真鍋監督が掲げる具体的な世界一。サーブ、サーブレシーブ、ディグ、ミスの少なさ、そして竹下・佐野・木村の三選手。

こうやって、体格で不利のある日本が世界と戦う具体的な指針を定め、それを実践していく姿がとても魅力的であった。

おそらく女子バレーファンは私と同様にこういう所に惹かれている人が多いものと思う。

一方男子はどうだろうか。

男子バレーはみての通りパワーと高さでほとんど決まってしまう部分がある。

日本が世界と戦うのは相当大変なことである。

しかし、今回ゲーリー・サトウ監督となり私が個人的にどうしても実践して欲しいと切望していることがある。

それがサーブに対する変革である。

男子バレーはミスをおそれずに強気にジャンプサーブをするのが効果的というのが古くから世界の常識となっている。

その根拠はこうである。

サーブ側の得点率とレシーブ側の得点率は3:7と言われているため、何の変哲もなりサーブを入れて簡単に返されてしまうと単純に10本中7本入ってしまう。そのため、10本中4本サーブで崩すことができればそっちの方が効果的ということになる。

したがって、3本に2本ミスっても3本に1本確実に崩せるサーブが打てればよいということだそうである。

これがどうも男子バレーの通説のようだが、私はこの理屈はどうしても受け入れがたい部分がある。

ここで福澤選手の例をあげてみる。

福澤選手はご存じ現在の全日本の中心選手の一人であるが、昔からサーブミスの多さは目に余るものがある。

黒鷲期の決勝は実際に観た人も多いと思うが、何と8本もサーブミスして、確か入ったのは2本だけだったように思う。

準決勝でもセット終盤で2本連続サーブミスをした。

私はこれを観て思ったことはこれだけサーブミスが連続するのは技術的なものではなく間違いなく精神的な部分があると思う。

要は「入る気がしない」というやつである。

サーブミスはクセになると思う。

昨年のオリンピックの世界最終予選の初戦か第2戦かどっちか忘れたが、男子は確かめちゃくちゃサーブミスして負けたと思う。

これを見た川合俊一氏はサーブミスが許されるのは1セット何本まで(具体的な数字は忘れた)と言っていた。

そして、セット序盤はサーブミスをしても「序盤は強気でいい」という。

私はこの考え方自体に大きな問題があると思っている。

その理由は二つあり、一つは「サーブミスをしてもよい」という思考が続きサーブミスがクセになるということ。もう一つは外国人選手と同じことをやっては勝てないということ。

見ての通り、外国人選手も非常にサーブミスが多い。

ミスの多さで外国人と同じことをしては、トータルでは体格に負ける日本に勝ち目はない。

相手がミスが多い分、こっちでミスを少なくした方がより効果的であり、仮に点を取られてもサーブミスで失点して流れが止まるよりはマシである。

黒鷲期の男子決勝はまさにミス合戦だった。

こんなバレーを国民は決して期待はしていない。

相手がミスしている中、体格で不利な日本人はミスを少なくして堅実にバレーと向き合う。

こういう姿を見せることができれば男子バレーも盛り上がるであろう。

サトウ監督は一度固定観念を捨てて、全ての選手に対して、それでも強打で行くのが効果的か、確実に入れるのがよいか、ジャンプフローターを覚えさせるのがよいか、その辺について科学的に分析してもらいたいと思っている。

サトウ監督の手腕に期待したい。




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