昨年2013年10月の山行です。
9月の上旬、10月初めの休みの日だけキープして、行き先を決めかねていた。
大雪でお世話になったSさん、立山でお世話になった安比の山人さんにお会いしたいとかねてから思っていた。
お二人とも岩手。
いつか東北の紅葉を見たいと思っていた。
そして、雑誌で何気に開いたほんの2ページに、それは載っていた。
安比高原~八幡平~岩手山。
早速でヤマレコで調べる。
これらすべてはあまり出てこない。
あってもトレランさんの記録が多し。
トレッキングでは、裏岩手縦走路コースや、三ツ石山馬蹄縦走路コースが多かった。
八幡平観光協会で50kmコースがあることを知った。
安比高原ブナの駅~岩手山~焼走りコース。
ブナの駅・焼走り共に、公共機関の交通手段がない。
公共機関の交通手段があってこの縦走路に近いものは、茶臼岳登山口から入り、岩手山の御神坂コースが最長。
まず気になったのは、
①避難小屋での宿泊。
女性一人なので少し不安がある。
しかもアルプスと違って人は少ないだろう。アルプスでも場所を選ぶようにしているぐらいだ。
ひとりきりも恐いが、他に人がいるのも恐い。
②水場はどうだろうかと。
この2点と道状況を、日頃この山一帯をガイドしておられる安比の山人さんにうか
がった。
明確なご回答を下さってこれなら大丈夫そうだと安心。
岩手の山をずっと歩いてこられた岩手のSさんにも、再会したいこともあったので、山の状況もうかがった。
Sさんも明確なご回答。さらに確信。
確信してから、毎度のことGOをかけずに10日間迷っていた。
予算やこれからのことを考えると、山に行っていいものかと。
飛行機チケットのクリックをまだ押せなかった。
大雪の時に、チケット代が間際になると上がる痛い思いをした。
上高地に行くより安価だ。
避難小屋は無料。
今度はいつ行けるかわからない!よし!行こう!
クリックした手には、もう、迷いはなかった。
これが9/20頃。
このあとは、健康診断(これをすると一気に疲れ体調を崩す。)、9/28の沢登りなどで忙しかったので、コースの再チェックする間もなかったが、ある程度計画を練っていたので大丈夫だった。
10/1の仕事の日、後ろの人の風邪菌のシャワーで、のどの痛みがでた。
疲れも相まったのだろう。
風邪薬を服用し体調はなんとかキープ。
10/2(水)
始発で空港に行ったが混雑していた為、ゆっくりできなかった。
同じくゆっくりしようと来られていたKevinも、「ゆっくりできないね」と。
出発の少し前に二人でやっとコーヒー。
紳士の国生まれのKevinに助けられ仙台駅までスムーズに行けた。
終始レディファーストのKevin。
また会いたいな。
仙台駅でお別れしたのに、ロッカーを見つけてくれ戻ってきてくれた。
なんて優しいの!!
バスセンターまでの道で距離感が分かりづらく地図とにらめっこしていたら、同じくバスセンターに向かう東北の男性が道案内して下さった。
ご親切に恐縮。
モンベル仙台店でガス缶を購入し、スタッフさんも山の情報を教えてくださった。またまた恐縮。
東北だなあと実感。
盛岡まで2時間半のバス旅。
お昼を大幅に過ぎ、お昼はSさんと再会。夜は安比の山人さんと再会で、安比さんの山友Kさんとはじめまして。
楽しい時間を過ごさせて頂いた。
10/3(木)
のどの痛みはずっと治らない。
昨晩少し飲み過ぎたせいか、夜中何度も起きて眠れなかった。
寝不足が続く。4時間は眠れただろうからいつもと同じ。大丈夫。
風邪薬を飲んで頭もずっとぼ~っとして、あまりはっきりしない。身体も重たい。
この日のコースタイムは3時間ほどだし大丈夫だろう。
朝の出発もゆっくりだったので、朝食を取ってからものんびり。
歩きながら、二日後には、あの岩手山に行けてるのかしら、壬生義士伝やら思い出しながら、駅に向かった。
9:35出発のバスより、9:47発のバスのほうが早く到着するらしくそちらで乗車。
2時間のバス旅。
途中の物産館でトイレ休憩を取ってくれたので助かった。
茶臼岳登山口にはトイレがない。
ずっと岩手山が見える。岩手山をぐるりと周りながら八幡平に。
茶臼岳登山口のバス停を下りたら強風。
こんなに晴れ空なのにね。
登山者の方々は、ダウンジャケットを羽織っておられた。
八幡平側に歩くと登山口がある。
穏やかな坂で始まる。
後ろを振り向くと岩手山。
ずっと支えられて歩くのだろう。
時間もあることだし茶臼岳山頂へ。
展望がよく、これから歩く道が見えた。
広いなあ。
どこまでも続く稜線。
私好みだ。
穏やかな道がずっと続く。
アルプスに行くとムーミンやハイジといった感じがするのだが、ここは賢治の童話の道だった。
途中、黒い影が!!
裏岩手縦走路ではクマに注意と言われていたのだが、まさかここで?!と様子をうかがうと、
黒いシャツを着た大きな人だった。
営林署の方で登山道を整えて下さっていた。稜雲荘へはもうすぐだよと教えて下さった。
大雪に行ったおかげか、無駄にクマへの恐怖心は少なくなっていた。
黒谷地湿原からバス停側に少し歩くと熊の泉。荷物をデポし、水を調達。水量豊富だった。せっかくなのでバス停まで散策。
源太森で展望を楽しんだ。
やはりここも強風だった。
あまりにもまぶしい景色だったので、思ったより長居してしまった。
静かな山だ。
もう誰にも会わなかった。
私には、これぐらいがちょうどいい。ゆっくり時間が流れ、のんびり山と会話できる東北のお山。
何もかもが気持ちよかった。
日が傾きかけ、太陽に照らされた風にたなびく草紅葉の木道を歩き、途中の八幡沼でゆっくりしながら、稜雲荘に着いた。
思った通り、私ひとりだった。
女ひとりも恐かったが、他の人がいるよりましだろう。
恐い思いを打ち消すように、まるで自分の部屋のごとく荷物をひろげた。
百名山を目指していないが、一応、八幡平がすぐ近くなので散策。
16時なのにツアー登山者、旅行者など人がいることにびっくり。
そうか、駐車場からすぐに来れるんだ。
17時ぐらいに東北出身の若い男性二人組が稜雲荘にやってきた。
同宿となった。
写真撮影が目的のようだ。
夜中、何度も起きて撮影をされていたようだ。
撮影は許そう。ガタゴト、おしゃべり、大きな音の戸の開け閉め。これだけは勘弁してほしかった。
話す内容を聞いていると山岳部出身らしかったが、マナーは知らないのか。
非常に残念だった。