祖母、ひろちゃんとの15年の歴史が綴られています。
老いを育てる―在宅介護のエトセトラ/医薬経済社

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胃ろう論議の記事、特集を耳にする最近。
大事なことだと思います。
我が家は大正7年生まれのひろちゃんが認知症で脳出血を発症、
入院中、鼻からチューブを通して栄養補給…
しかし、鼻に変な管があるなんて!
認知症という正直者には堪えられるはずもなく
素直な気持ちで取ろうとするので「ダメよ」と
頑丈なミトンを着けられてしまいました。
鼻に管があってがんじがらめ、
そんな状態ではプイと心を閉ざすのは誰でも一緒。
麻痺のせいで反応が無いのか、
ご機嫌斜めで反応が無いのか全く見当つかず(失語症)
嚥下リハビリだって出来ないじゃない!
何よりまず鼻のチューブをとりたくて、
PEGの存在にはすぐに飛びつきました。
そして在宅介護、
PEGを卒業=半年後の交換の時に除去を目標に
本当に必死で嚥下リハビリ、
カンペキに口からのご飯を実現しました。
栄養剤は2ヶ月ほどで卒業しました。プロは皆驚嘆しました。
でもこれが本来のPEGの真骨頂、なぜ驚くのでしょう?
それは使い方がズレている事実を
知っているからなのかも知れません。
半年後、PEGは残しました。
水分補給のためです。脱水症状、熱中症、風邪・・・
どれも水不足が引き金に。
水補給は口からでも出来ましたが
必要な量を飲ませてあげるには
1日の全てを介護に費やすことになります。
私達家族の時間コントロールと
本人の体力の消耗防止のため使っています。
私達にとってPEGは持病薬と同じ存在であって
延命装置ではありません。
しかし、延命装置として使えることは知っています。
だから、臨終への我が家流ガイドラインは用意しています。
それが在宅介護を始める際の一番重要な準備だと思います。
PEG歴2年、救急車のお世話にならず往診も2ヶ月に1度、
ヘルパーもナースも無し。
それはPEGがあったから実現したこと。
最初に完璧なリハビリを家族がしたから実現したこと。
(最初の完璧なリハビリをプロが施すシステムは現状では無いのです。)
そして、最後に、
施設にせよ、訪問にせよ
「お金をもらって仕事としてたずさわり、
時間が来れば介護と無縁の家庭に帰れる人」
が関わる以上、
事故死のリスクを負うことを家族は覚悟します。
家族の起こす事故と専門家の起こす事故の質の違い、
それは本当に 違う ということ。
その悲しみと悔しさを味わう覚悟。
感謝の笑顔の裏でいつも相手に緊張の眼
を向けなければならない辛さ。
福祉を志す方は優しい、それが命取りになる
そういう一面があることを社会が知っていて欲しい。
事故を経験した専門家は「辛くない」はずは無い、
でも辛さを「経験」というフォルダに入れなければ
明日の仕事は出来ない。
私は決していじわるではないけれど優しいとも思わない。
冷徹と思うほど冷静でなければ人の命は守れない。
「優しいのね~」としみじみ言われることも多いけれど
優しさで乗り越えられるほど介護は甘くはないから。
だから家族は限界を超えて頑張る。踏ん張る。
命のボールが落ちる前に絶対に拾ってみせる
という執念があるから。
事故の辛さが入るフォルダは「後悔」だから。
それでも「明日」はやって来る。
金銭が価値の対価なら家族への対価は専門家を超え得る。
けれど仕事ではないから一銭もお金は入らない。
その「アンバランス」に私は不満をもつのです。
お金のことを考えたら
「とてもとてもゆるやな坂にボールを置く」必要がある。
でもそれは、確かに坂なのです。
坂の先には何があるのでしょうか。
ボールを胸に抱き守り続ける真剣な家族ほど
経済的な過酷さに直面する。
精神的な限界に達する。
その分かりやすい事実に目が向けられていない。
研究対象になるべきは
在宅介護の家族の潜在的な医療技術の高さだということに
気づいて欲しい。
なぜか?専門職にある方々のライフスタイルでは
在宅介護は不可能だから。
在宅介護を経験することが出来ないから。
そこに日本の福祉の根本的な問題があるのだと思います。
在宅介護の主役は家族、在宅専門家は家族、認知症と格闘するのも家族、
だからこそ家族の果敢な試みや意外な発見など、
具体的なノウハウや情報を共有して知恵を高める場に出来ればいいな
と思っています。
お気軽にご参加くださいませ。
ひろこです。
春に前歯がなくなり、もっちりご飯でないと滝のように流れてしまうので
詩ちゃんがハンドプロセッサーを買ってきていつでも
お餅みたいなご飯が食べられるようになりました。
おかげでとってもスム~ズです。
最近のお気に入りは五平餅のような甘からのお味噌味
作り方は簡単。
温かいご飯にお水少々、プロセッサーでもっちりに。
フッ素加工の小鍋にお砂糖とお味噌とお水少々、これを火にかけ、ぐつぐつします。
だんだんいい香りがしてきます。
混ぜながら香ばしい香りになって焦げ目がつく感じに煮詰ったら
先ほどのもっちりご飯を投入、
ざっくりと全体に行き渡るよう(マーブルな感じに)混ぜあわせ練り上げて完成!
最後にお好みでお醤油をひとかけ。
お~いし~いのんびりしてると詩ちゃんがつまみ食い
しちゃうから
大急ぎでパクパク食べるのです。
そういえばこの間我が家にいらっしゃった介護の専門家の方が
これ全部たべるんですか~~???って目を丸くしてたけど、
美味しいもん、食べますよ~これっくらいって伝えたかったなぁ。
だって年とったら食べることしか楽しみなんてないのよ~。
特に、屋台の味は大好き!
おかずなんて無くてもご飯いっぱい食べてれば元気♪元気♪
ほかにもソース焼き飯とか、グラタン風焼き飯とか
ジャンクな味なら詩ちゃんにお任せあれ~
それは、詩ちゃんと抱き合って
「ん?ひろちゃんここ?ここがいいの?」
おおっとこれは何やらただならぬ?!雰囲気
「ひろちゃん、わかった、わかったよ~私のほうはちょっと痛いよ~
」
ガリガリガリガリガリ~
「こっちも?」
ガリガリガリガリ~~
「どう?気持ち良い」
はい、とってもきもちいい~~
詩ちゃん、もっと思いっきり!激しく!掻いて~~
そう!お互いの背中を凄い勢いで掻きまくっているのです!
だって1日中寝てると背中かゆくなっちゃうんだもん
でも、自分の背中は届かないから・・・
詩ちゃんに抱っこしてもらうと、つい手が勝手に詩ちゃんの背中を掻いてしまうのです。
ベットサイドで二人でしかと!抱き合って背中を掻きまくる~~姿に
かのちゃんが目を真ん丸くしながら、ぷっ
ふふふ~
か~わいい
、ですって。
ホントに気持ちいいんだよ~
最近の詩ちゃんは徹夜が多いです。
先週までは雑貨屋さんオープンの準備で何度も徹夜です。
今週は急遽決まった豊島区在宅医療連携推進会議の
作業部会に間に合うようにと資料制作で徹夜です。
昨日無事に作業部会は終わって、資料も間に合いました。
その資料をサイトで公開するために今夜は半徹です・・・
その名も 『1日が24分になる日。~始まりの日~』
絵と文 みやざき うたこ
私もモデルで出ています。
詩ちゃんのイラストで綴るショートストーリー、
続編も考えているみたい。
ぜひごらんください。
詩ちゃんが豊島区在宅医療連携推進会議委員になりました。
今日は第1回目の会議、ドクター、ナース、ケアマネージャー等の専門家に混じって
1名の区民枠に「介護者」の肩書きで参加です。
在宅医療をスムーズにするには何が必要か???
楽しく在宅医療が行えるためにはどうすればよいの??
というのが主たる議題。
とっても充実した良い資料が用意されており、
それぞれ積極的に夢と希望
を携えて奮闘されているベテランの方々の集い、
「専門家=立場が異なる、 で終わらせないことだね」
と共通の答えを抱いているのだから話は早い!
かと思いきや
なぜか話は堂々巡りになりがち・・・
なぜかしら??
理由は簡単、大事な専門家が欠けていますよ~~
全ての専門家と接点を持つ「家族(介護者)」という専門家の存在お忘れなく~
というわけで回ってきたマイクを握って熱弁
をふるったかどうかは分かりませんが
在宅=家族が主役 ですよ~ 色々な部会があるのなら家族部会も欲しいですよ~
と提案、
それが呼び水となって、その後のコメントでは、
みんなの気持ちが一緒だということが感じ合える、
もっともっと議論を深めたい!という思いに火が点く、
良い会合になったそうです。
詩ちゃんの物怖じしない度胸に乾杯
お役に立ててヨカッタヨカッタ。