名前をつけてやる。

名前をつけてやる。

本当はそれで本当はそのままで何もかも素晴らしいのに。

Amebaでブログを始めよう!

一年ぶりの更新ともなると、どこからログインしていいのか分からないですね。

 

さて。

ロアッソ熊本、今期も21位。

降格圏に身を置いて終わってしまったのですけど。

 

禍福は糾える縄の如し。などという事を申しますが、昨年の今頃は、秋田のおかげで降格こそ免れたものの、強化担当の飯田さんはやめる、長年の大黒柱であった池谷さんも去る、後任の監督も強化担当も決まらずにさ迷っていたわけです。

 

あの時点では絶望しかなかったわけですが、そんな中織田さんがGMに決まり、渋谷さんを監督に据え、鳥栖から青木、広島から皆川、琉球から田辺、群馬から高瀬など、こりゃ久々に補強と言えるオフですな。そんなことを思わせるようなところまで挽回してくれた。

 

誰が見てもいい手を打って、あの状況からだと最善を尽くしたように思うんですけど、結局結果はこう出る。

 

難しい。

 

各論で言えば、いろんな要素があると思う。

渋谷さんの言う「きわ」の部分は、今日も甘いところがあった。

ボールの出所に行かないで何度やられてきたんだよ。

そう思う場面もありました。

 

また、渋谷さんがやりたかったのは4バックではないか。

今でもそう思っています。

だから夏のテコ入れで、水野を取り、横山を取ったのではないか。

横山と青木のCBにして、水野をサイドハーフにおきたかったのではないか。

 

いいサッカーをしながらも勝てなかった時期、ダブルボランチにして後ろに重心を置きましたが、人は足りていても点を取られていた。

問題は人数ではなく、切り替えの仕方やポジショニングだったのではないか。

そこを修正できずに、ストロングポイントであったツートップも捨てる結果になってしまった。

 

考えれば、いくつかの要素は出てきますが。

 

それでも今思うのは。

ロッソ熊本が産声を上げてから、みんなその時々で全力を尽くしているわけですけど。

ちょっとしたひずみ、ちょっとしたずれ。

そういうものが積み重なってきて、去年今年にほころびが大きくなって出てきたのではないかと。

 

一朝一夕に改善できるものでもないでしょうが。

 

さて、来期はどうなるでしょう。

選手編成も難しい。

J3ではプレーしたくない選手もいるかもしれませんし、あの選手が退団するのであれば来期は軸にしたい選手もいるでしょうし。J2に残れるのなら、逆に試合に出たいから退団したい選手もいるかもしれない。

 

監督はどうなるだろう。

 

昨年のあの状況で火中の栗を拾ってくれた渋谷監督。

来期どうなるかまだ分かりませんが、ここ二シーズンほど厳しいことを言えばサッカーを出来ていなかったこのチームに、もう一度サッカーをもたらしてくれて。

その点では感謝の気持ちが大きい。

 

熊本向けに修正して、渋谷監督好みの選手をもう少し揃え、守備をフォローできるコーチを入れれば。

という気もするし、違う監督でのアプローチもあるのかもしれない。

とにかく来季の監督は大事です。

 

とはいえ。

 

来年カテゴリーの決まっていないチームに、四人も大卒の選手が現時点で飛び込んできてくれている。

その気持ちがうれしいし、織田さんや筑城さんの頑張りのたまものだと思うし。

 

最後のセレモニーで、アカデミーの子たちが並んでいました。

池谷さん飯田さんの置き土産として、アカデミーの環境が整ってきている。

彼らは熊本の宝。

 

今日のゴール裏の横断幕もうれしかった。

責任を取れとか言いたいところを、来季こそというメッセージに変えてくれた。

責任とれとか、なかなか今の熊本では言えないですよ。

誰もいなくなってしまうよ。社長を筆頭に、みんな熊本愛ロアッソ愛でやってくれている。

そこを指弾しなかったのは本当に良かったと思う。簡単なメッセージではなかったろう。

 

フロントも、サポーターも。

少なくとも、同じ方向は向けたのではないか。

対立する関係ではうまくいかないと思う。

 

すこしだけ、光は射している。

 

来年もJ2なのか、J3なのかはまだわかりませんが。

このチームは来年以降も続いていきますし、僕もここからは離れられないのですよ。

 

今日も一点ごとに絶叫し、表の公園で遊んでいる子供たちに

「すごい叫んでね?」「怖くね?」「やめろよ聞こえるぞ」「怒るぞ」

とか言われてた。聞こえてた。知ってる。

 

「きもくね?」

分かってる。知ってる。

 

でも、スポーツには、サッカーにはそんな力があるのです。

こんなおっさんが、無意識に絶叫したり、失禁しかけたりするエネルギーがこもっているのですよ。

 

試合終了間際から聞こえてきた

「ロッソと共にわれらは生きる」

 

来年カテゴリーがどこであろうとも、ロアッソと共にわれらは生きるのだ。

今日のような理屈抜きの感情を爆発させるために。

 

 

 

 

前回のエントリーで「険道笑歩」と書きましたが、徳山昌守さんが言ってたのは「道険笑歩」だったような

気がしています(/ω\)

 

さて。

 

Jリーグにも数々の人材を送ったルーテル学院高校。

その中でも「あいつはサッカーセンス、技術が違った」と言わせる男。

 

北の大地で活躍し、大怪我から復活してキャリアハイを叩き出した翌年に、故郷のチームに戻ってきて

くれた男。

 

未曽有の大地震が故郷を襲った年、主将としてチームを支えた男。

 

去年開幕から四勝一引き分けというスタートを切った中、チームはツーラインを引きながらしぶとく守り、

最後は清武と平繁のコンビでどうにかする。というスタイル。

 

晃平が上がれば使って空いたスペースをケアし、SBとCBの間が空けばボランチの代わりにそこを埋める。

右サイドの守備で特に奮闘して貢献していたのが彼でした。

 

引いてチャンスを狙う金沢相手に、わざと下がって食いつかせ、裏にパスを送ったり。

左サイドから切れ込んでサポートがあれば一点もののチャンスを作ったり。

 

大分戦では、右サイドの密集をライン際のドリブルで素抜いて駆け上がる。

 

正直まだまだできると思う。

 

でも、プレイヤーとしての自分の良さを、一番知っているのは彼かもしれず。

あれだけの輝きを見せても、まだ残像とのギャップに苦しんでいるかもしれず。

 

そう自分を納得させながらも、あのプレーができて引退はないよ。という葛藤もあります。

 

キャリアハイで、J1にも上がれるチームを後にして、故郷に帰ってきてくれた男。

 

もっと攻めたかっただろうし、もっとゴールの近くで勝負したかったろう。

地元のチームで上に行きたいと思って帰ってきてくれたんだろうし、もっといい思いしたかったろう。

 

なんだか申し訳ない。

 

でも、天才の最後の煌きを、故郷の愛するクラブで、間近で見ることができて本当に幸せでした。

 

さらば天才。

 

…引退取り消しても、誰も怒らないよ。

前のエントリーで「監督は今期の志向を実現できる人を連れてきて、池谷さんにはフロントに残ってほし

い」というようなことを書きましたが、その願いはかなわず。

 

ここから監督を探し、強化担当を探し、戦力を補強するという流れになりますので、正念場の来季、結構

出遅れてスタートすることは覚悟しなければいけないでしょう。

でも、それを望んでいた人々もいるようなのでね。この先批判ばっかりしてても駄目ですよ。

 

で、池谷さんです。

 

全く縁のない熊本、そして今でこそそれなりですが、13年前はお世辞にもサッカー熱が高いとは言えなか

った熊本。

 

その土地で、全く手探りだったと思うんですけど、紆余曲折を経ながらもJリーグクラブを作ってくれた。

 

名前はあげませんが、当時全国各地に「Jリーグ昇格」を掲げて、力が及ばなかったりあるいは胡散臭い

形で消えていったチーム、山ほどあるわけです。

 

ロッソ熊本も、そうならないとも限らなかった。

 

お披露目は鶴屋のサテライトスタジオだったんですけど、そこにプリンス山口武士を連れてきてくれたこと

で、県関係者も「こりゃ本気で狙うのかな」と感じたと思うんですね。

 

もちろん森であり、嘉悦であり、加藤竜さんであり、駒沢四人衆であり。

そういう選手たちも戦ってくれて、どうにか今がある。

 

池谷さんがいなければ、熊本に僕らが応援するJクラブがなかった可能性はかなりある。

 

もちろんJFL初年度での苦戦だったり、鶴見緑地だったり、鳥取でのあれだったり。

いろんな衝突もあったし、嫌な思いもされたと思うんですけど、結局ここまで熊本で頑張ってくれた。

 

ネタクラブと言われながらも巻だったり北嶋だったりにアプローチして(最終的には連れてきてるからね)

オフシーズンも楽しませてもらいましたし。

 

熊日さんは「揶揄する声もあった」と書いてましたが、ロアッソ熊本が「池谷商店」だったのは間違いな

い。僕は揶揄じゃなくよくこれを言いますけど。

 

まとまりませんが、とにかく感謝しかない。

この先のサッカー人生に幸多かれと祈ります。

 

今は不安の方が先に立ちますが、熊本のアイコンとしてロアッソ熊本は存続していかないといけない。

池谷さんというエンジンは無くなりますが、前進し続けないといけないわけですよ。

 

負けたらブーイングしないと強くならない。と言うのも一つの考えかもしれないけど、なんだかんだで先立

つものがいるわけで。グッズを買ったりチケットを買う人を増やしていく努力を、僕らもするべきだと思うわ

けですね。一緒に戦うというのなら。

 

フロントやチームだけが頑張ればいいのではない。

ここはひとつ正念場ですが、永田社長が言うように「潮時」と割り切って、いい方に持っていきたいと思い

ます。

 

飯田さんも解任とのことですが、今年だけ考えるとシーズン途中のレンタルがイマイチはまらなかったの

が直接の要因になったかもしれません。

 

でも、今年ユースの寮も出来ましたし、今まで少ない資金でどうにか選手を取ってきてくれてたからなあ。

こちらも感謝したいと思います。

 

これも、逆に言えば。

選手編成を見直すチャンスにしてほしいと思います。そうしないと飯田さんも浮かばれない。

 

 

そういえば、関係ない話ですが。

九月にRKKラジオの「ラジオのたまご」という番組が終わりました。

パーソナリティは小松士郎さんだったんですけど。

 

思い出すのは、鶴見緑地の一件の後のこと。

 

RKKの夕方のニュースでは、当時のMアナウンサーが「こういうのはサポーターじゃない」とか批判してた

んですね。割と昔の久米宏風に。

 

ラジオでこの件の熊日の記事を紹介する際、小松さんは

 

「これもね。チームを応援するがゆえの、サポーターの意思や感情の発露であります」

 

ってまとめたんですよね。

これが非常に好対照で、すごく印象に残ってて。

 

長くあってた番組なんだな。

 

そういう長くあってた番組も、いつかは終わる。

ロアッソ熊本にとっても、いつか来るサイクルの終焉なのかもしれませんね。

そこまで覚悟して、池谷さんも監督を継いだってことだったんだろう。

 

と思うと同時に、自分も長く、熊本というチームと共に歩いてるなあと思います。

 

同じ歩くなら、険しい道だけど笑って歩こうぜ。

 

ボクシング元チャンピオンの、徳山昌守さんの言葉の受け売りですが。