お寺の客殿
なかなか馴染みのない言葉ですが、今でいう所のVIPルーム。お客さんを接待する為に造られた建物の事をさします。私たちの地元のお寺にもございまして、昔ながらの良い仕事をされた建物なのですが、一部増改築工事が行われてまして、もともと持っていたであろう佇まいは残念ながら損なわれていたました。
そこで今回、その建築当時の佇まいを取り戻したいとの旨のご相談を受けて減築したうえで増改築工事を行う事となりました。

この建物の特徴は軒天にあります。
見上げると下から軽やかな化粧タルキがリズミカルにならびそれに直交するように小舞、そして化粧板といった構造となってますが、実はこの軽やかなタルキ(約4.2㎝角)がミソとなってます。
この建物は軒出も大きく、このサイズでは到底その上にのる瓦の重みを支える事が出来ないのです。


そこで登場するのが野タルキ。
外からは見えない野タルキが瓦の重みを支える事によって可能な仕事なのです。縁の下の力持ちならぬ、ですね(笑)
断面でみるとこの様なかたち。
勾配の違うタルキによって仕上げられる『本化粧仕上げ』と言われる納まりになります。



今回の増築部分も同じ様な仕事をする事に。
工程的に下の化粧タルキ部分を先に仕上げないといけないので、なかなか骨が折れそうですが、今から出来上がりが楽しみです。
そのためにはキチンと雨養生しないと!


普段する工事とはまた違った経験をさせて頂けて有難いことです。



最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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