ふぅ~。
やっと日曜日になりました。
昨日土曜日は昼休みに家に帰る余裕はないどころか
結局昼ごはんのサンドイッチを食べたのは夜の8時になっていました。
計算すると7時間彫り続けていたことになり
右腕痙攣を通り越してなんだか右腕が太くなったような気がします。
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昨日の予約のトップバッター。
この男の子は以前プルガで働いていたぺぺの甥っ子です。
私は年上のぺぺに特別かわいがってもらっており、私もぺぺが大好きでした。
甥っ子が「刺青を彫りたい。」と言い出したと聞いたペペは
「それならミズエに彫ってもらえ。」という流れで「ミズエ指名」で来てくれたのです。
4,5日前にどんな図柄にするのか相談に来た彼。
茫洋としちょっとオツムは弱そうですが、人の良さそうな感じのいい男の子です。
ミ・「私指名って聞きました。ありがと。で、どんな刺青が希望?」
彼・「ここんとこにさー、ふたつ漢字入れてほしんだー!」
ミ・「了解。で、どんな意味の漢字にする?」
彼・「なんでもいいよーミズエが適当に選んで。」
ミ・「・・・・・・。」
ミ・「なんでもいいって・・・・。あんたねぇ~。」
さすがにぺぺの甥っ子です。血は争えません。
ミ・「なんでもいいって言ったってなんかあるでしょ?ほら、幸福とか、愛情、とか希望とか・・・。」
彼・「んーていきなり言われてもなんか思いつかないなー。
ホント、ミズエに任すよー。お願い!」
隣でこの会話を聞いていたカリーナ女史は私の耳元でボソッっと
カ・「ジャガイモとタマネギって彫ってやりなさいよ。」
と呟きます。
この話をしたタネガシマンは
タ・「それじゃー「睾丸」って入れてやればいいじゃん!」
初めての「ミズエ指名」のお客さんに向かってみんなひどすぎます!
考えた末、こんな風にしてみました。
部位腰骨上。横になっているので体の向きでちょっと歪んでいるように見えますが、
実際に足で立つとちゃんと真っ直ぐキレイなバランスで書かれています。
彼に必要なものそれは「意志」
どうでしょう?
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ふたつめの予約の女の子。
この子の刺青も彫瑞オリジナルデザイン。
部位がもっとも痛感の鋭く力の入らない脇腹だったので心配していましたが、
皮膚を麻痺させるクリームを塗ってきていたので本人も私も落ち着いて執刀できました。
この子の問題は取り巻きの女の子を4,5人連れてきており
緊張からかひっきりなしに喋り続けているので呼吸と共に脇腹が動きラインが崩れます。
途中で何度も
「今から重要な細いライン引くから5分喋らないでくれる?」
と注意すると
「ああ、ごめんなさい!ごめんなさい!もう喋らないわ!」
と言いながらも気が付くとまた喋り続けているのです。
しかしまぁ、なんとか無事仕上がりました。
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三つ目の予約。
「肩に蝶々が飛んでいるデザイン希望。」とのことで
これも彫瑞オリジナルデザインです。
この子はおとなしくとってもいい子にしていました。
しかし細い体の割りに針が非常に入りずらい皮膚で苦戦しましたがかわいらしく仕上がりました。
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そしてまとめ。
思ったこと。
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昨日の3つの刺青の若い子達に共通して言えることは
みな自分の体に彫る自分の刺青にもかかわらず沢山の友達を引き連れて来、
友達に最終的な判断を仰ぐのです。
「ねぇ、これでいいと思う?」
「いいわよね?」
「もうちょっと上にしてみた方がいいと思う?」
「ねぇ、ねぇ、ねぇ、ちょっと来て。見て。どう?」
私は3人共に
「死ぬまで消えない自分の体に彫る自分の刺青なんだから
ゆっくり自分で納得できるまで考えなさいね。こっちは急いでないから。」
なぜ自分のことなのに他人に最終判断をゆだねようとするのか?
自分のことは責任もって自分で決着をつける。
その自信がないなら一生モノの刺青なんて彫るべきではないと思うのですが
若い子たちはまた別の考え方があるのでしょう。
「意志」です。
「意志」。
ミズエ