風邪の時のホームケアについて、何回かに分けて書いていこうと思いますニコニコ

今回は解熱剤の使用についてです

解熱剤は、風邪の時にしばしば処方されますが、

その使用方法には医師によって様々かと思います。


「発熱があってしんどそうなら使ってよい」という医師もいますし

「解熱剤は意味がないから使ってはいけない」として処方しない医師もいます


私の普段の診療と、実際に家で風邪の子供を見ている経験から出した結論としては


「しんどければ必要最低限使ってもよい」です

解熱剤の使用に賛否があるのはなぜでしょうか?

その理由は以下のようなものです

①解熱剤を使うと白血球機能が低下するので、むしろ治りにくくなる可能性

発熱は生体の反応で白血球機能を高めます。ですので解熱剤を使用すると白血球機能が低下して、細菌やウイルスに対する抵抗力がやや低下します。

②肝機能障害などの副作用

解熱鎮痛剤としてよく使用されるアセトアミノフェン(コカール®アルピニー®アンヒバ®など)は量が多いと、肝臓に負担がかかる可能性があります。

③解熱剤を使うと熱の経過がわかりにくくなる

解熱剤はあくまで、一時的に症状を緩和させるもので、病気を治すものではありません。
病気を診断するうえで、熱が何日続いたかとか、上がったり下がったりしているのかなど熱のパターンは重要となります。
解熱剤を使うとそこがわかりにくくなる可能性があります。


こういった理由から解熱剤を使用しないというのは、

根拠のあることでこれはこれでOKだと思います。

でも

私は、解熱剤はしばしば処方しますし、自分の子供にも使っています

風邪の時は、病気を早く治すことは大事ですが

なんといっても発熱していると子供はしんどいです

しんどくてぐずりたおしますし、

夜眠れなかったりしますあせる

食欲も低下します

十分に休めずに水分や食事をとれない場合

病気はよくなりませんし、脱水になったすることもあります

風邪の時はよく寝てしっかり水分食事をとることはとても大事です。

発熱してても全身状態がよければ確かに必要ないかと思いますが、

とてもしんどい時には解熱剤の使用は考慮していいと思います

そして

発熱しているときはしばしば頭痛を伴います

解熱剤は解熱鎮痛剤ですから

痛みに対して使ってもよいです

乳児はもちろん、頭が痛いことを言葉で表現することはできません

泣く不機嫌によって表現します

発熱していてぐずるときは、もしかしたら「痛い」かもしれませんので

ぐずりたおしている時は、解熱鎮痛剤の使用を考慮してよいかと思います。

このように

しんどいときや痛い時には解熱鎮痛剤で症状を緩和してあげることは

子供にとってメリットですので、必要な時には使ってもよいと思います。

(実際の使用にあたっては、主治医の先生とよく相談してくださいね。)


それと。。

熱のホームケアとして、熱さ◯シート®などの冷却シートを使用される方は多いと思います

ひんやりして気持ちいいかもしれませんが

小児科医からはとくに推奨していません。
(たぶん、小児科医師から勧められた人はいないのでは。。)

それは以下の理由からです

①たまにかぶれる子がいる

②鼻と口が塞がれて窒息することがある

③病気を治す根本的な意味合いはない


冷却シートはおでこに貼ると気持ちいいかもしれませんが、熱を下げる効果はありません。

熱を下げる効果を期待して冷却するときは、首や脇、そけい部を冷やします

ここには比較的体の表面に太い血管があるので、冷やしてあげると少し熱は下がります

医療現場では「クーリング」とよんでいて、

脇を冷やすためにはこのような器具を使用しています↓



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解熱剤を使用せずに熱を下げる方法もあるので、

本人が嫌がらなければ、クーリングで様子を見るというのも一つの方法です。


まとめ

・解熱鎮痛剤は、とてもしんどい時には使用を考慮してもよい

・かわりの方法として「クーリング」もある


次は鼻水のホームケアについて書く予定ですかおチョキ