『誕生日会をやりたいんです』


1週間位前でしょうか、

彼女がタムラ倉庫に電話をくれたのは。




タムラ倉庫には、特別なコースメニューはないので、

彼女にそう伝えたところ、快く了解してくれ、

それでも、タムラ倉庫でやりたいと言ってくれたのでした。




誕生日ケーキはもう時間もないので、

話し合いにより持ち込みにしてもらうことに。




当日、彼女が事前にお店にケーキを持って現れ、

あとからまた出直してくるとのこと。



サプライズ的なことなのね。

なんだかいいなあ ニコちゃん

なんて思いながら、

主役の彼とともに現れるのを待っておりました。





『サプライズ。』

事前にケーキを持ってくるのですから、

誰がどう考えてもそうでしょう。


でなければ、あとで彼と来店する時に
持って来たらいい話しです。






電話の声ではわからなかったけれど、

ケーキを持って来たその彼女は、よくタムラ倉庫にきてくれる、

かわいい女の子でした。






その事をシノブに伝えると、

『お店も落ち着いてるし、特別な日なのだから、
なにかパーティメニュー的なことをしてあげたい』

とのこと。



もう、1度はコースはないと伝えてしまっているので、

あれから時間もたっているし、

彼女にもなにかプランがあるかもしれない。



おせっかいかなあとは思いましたが、

やってあげたい気持ちはワタシも同じ、

『そうだね、彼女達が来たらその話をしてみたら?』 とワタシ。





『あくまでも自然に、さりげなく・・・』

そんなことは当たり前だと思っていたワタシが間違いでした。




シノブは、彼女達のテーブルに行き、

『今日は彼女じゃなくて、彼の誕生日だったんですね! (以下、料理の説明省略~) 』

と言い放ったのです くっきーしょっく




シノブいわく、一瞬沈黙の空気が流れたそうでした。



彼にしてみたら、『え・・・なんで知ってるの??』でしょう。

というか、お店の人が知っている時点で、なにかあるでしょうね、

なんとなくわかってしまいますよね・・・・




こうしてシノブは一瞬にして、

彼女のけなげなサプライズをぶち壊したのでした トンカチトンカチ





それでも優しいお二人は、こちらの提案に笑顔で乗ってくれて、

そしてさらに、

自称『空気の読めないオッペケペー』のシノブと、

ワタシに、ケーキを半分わけてくれたのでした。




彼らが帰った後、

『言っては行けないこと言ってしまった』

という後悔と、反省の中で食べたケーキは、

涙の味がしましたが、

それでもやっぱりとてもおいしかったのでした スライム




タムラ倉庫ができるまで。




と、シノブのことばかり悪くいいましたが、



ワタシも、彼らが帰り際、クリスマスツリーの写真を撮っていた時、

邪魔しては悪いと、厨房に身を潜めておりましたが、

どうしてあの時一言、『写真おとりしましょうか?』

と、言わなかったんだろうと後悔しております。



良かれと思い隠れてるって

我ながらどういうことでしょう?



やはりワタシもオッペケペーだなあと思いました。




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先日ご来店いただいたお二人様、

その節は、ワタシタチ、

特にシノブがご迷惑をおかけしました。



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またお客様から、

たくさんの優しさを勉強させてもらいました。


そんなある日の出来事でした。