コーチMのブログ

バスケのコーチングに関して大学院やその他で学んだこと、アメリカ留学での日常をつらつら書いていきます。


テーマ:
こんばんは!ひさびさに更新したいと思います。
先日、ジュニアの指導者の方に向けた講習会をする機会をいただきました。そこではミニバスから大学まで様々なカテゴリーの方がいらっしゃいました。その講習会の後、仲間のコーチとディスカッションしている中でいままであまり考えていなかった点に気づかされましたので、出てきた点を書き留めておきたいと思います。
 
そもそもバスケットボールのオフェンス戦術は基本的に
 
長い距離のクローズアウト(ロングクローズアウト)、もしくはレイアップ(ゴール下のシュート)を作ることを目的としています。
 
長い距離のクローズアウトができればキャッチからのスリーポイントシュートも狙えますし、それを必死に止めに来れば逆にドライブしてレイアップを狙ったり、さらにそこからキックアウトして別のロングクローズアウトを作ることも可能です。
 
どの戦術でもそうです。よく言われる「引きつけて合わせ」や「1回中に入れてそこから外に出してシュート」も、このクローズアウトを作ることが目的です。
 
かっちりした戦術の例で言えば、プリンストンオフェンスであれば、以下の動画のような状況を作りたいわけです。
 
 
 
 
なぜならば、バスケットボールおいては一般的に(ある程度のレベルであれば)次のシュートがいいシュート、つまり得点期待値が高いシュートと言えるからです。
 
フリースロー
キャッチアンドシュートのスリーポイント
レイアップ(ゴールから近い距離のシュート)
 
逆に2点エリアのジャンプシュートはあまり良くないシュートと言えます。
 
40%入るスリーポイントの期待値が 3×0.4=1.2 なのに対し
50%入る2点のシュート(例えば2点のジャンプシュート)の期待値は 2×0.5=1.0 になります。
 
簡単に言えば40%のスリーを100本打てば120点入るのに対し、50%の2点のシュートは同じ100本打っても100点しか入りません。
 
長い距離の2点シュートは「おいしくない」、打ちたくないシュートになります。これは数字がどうとかではなく、勘のいい小学生なら「遠い距離のシュートなんてどうせ入らないから打たせてもいいし、入ったとしてもレイアップと同じ2点」と気づくはずです。
 
従ってバスケットボールの戦術はほとんどの場合、スリーかゴール下のシュートを狙うために、長い距離のクローズアウトかレイアップを作るのが目的になっています。
 
しかしミニバスではその前提となっているスリーポイントが存在しません。
そのためゴールから離れれば離れるほど、オフェンスにとっては悪いシュートになります。
 
離れれば離れるほど悪いシュートなのですから、そもそもディフェンスはシュートを止めるためにクローズアウトする必要性がありません。
 
これは上で書いた「バスケットボールのオフェンス戦術の前提」であるロングクローズアウトが、そもそもミニバスでは存在しない(する必要がない)ということになります。
 
そうなるとバスケットボールの戦術がミニバスで効かないのはあたりまえで、考え方だけで言えばほとんど別の競技になっているといっても過言ではありません。
 
もっともミニバスではバスケを好きになることやコオーディネーション能力、次のカテゴリーにつながるようなスキルや体の動かし方を身につけるのが目的なのは承知の上なのですが、この形は思った以上にいびつなのではないかと感じました。
 
スリーポイントがあるのかないのかだけで、オフェンスもディフェンスも考え方が似ても似つかないものになってしまいます。
スリーがないと、そもそもディフェンスからすれば「遠い距離の2点シュート」なのでいく必要がない。
 
「ミニバスで勝つための技術」と「将来必要な技術」がかけ離れてしまっているのが現状で、それを生み出しているのがこのルール設定なのではないでしょうか?もし「ミニで勝つための技術」と「将来必要な技術」が一緒にできたとしたら、勝利至上主義のコーチに子どもが当たってしまった時でも将来性を潰される可能性も少なくなるのではないでしょうか?
できれば次のカテゴリーでも活かせるような考え方を自然に身につけられるように、ミニバスでもスリーを導入する必要性を感じました。
 
もっとも距離は比較的近くてもいいんです。スリーがあるだけで、勝とうとするとそのラインまではクローズアウトせざるを得ませんから。(ちなみにスペインのマドリード地方のミニバスはスリーポイントラインが長方形で、トップはフリースローラインよりちょっと遠いくらいです。)
 
オフェンスはクローズアウトを攻めるためのスキルが身につくし、ディフェンスはシュートを打たれない距離までクローズアウトして、そこからスライドする能力が自然と必要になります。
 
必要な能力や考え方をより自然な形で学べるようにするために、システムそのものの変更、つまりミニバスのスリーポイントの導入は必須になってくるのではないかと感じました。
 
ミニバスはバスケットボールのように見えて、実はかなり違うスポーツなのではないかと考えた週末でした。個人の備忘録として書き留めておきたいと思います。
 
ご意見などありましたら、遠慮なくコメントください!
よろしくお願いします。
AD
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。