2011-03-08 22:46:11

第169回_住友生命_挫折をばねに生きよ

テーマ:生保

ここ近年、不況の影響か自殺者が増加している。なかでも就職が出来なかった学生の自殺者が増えているというテレビ報道がありなんともいたたまれない気持ちだ。就職出来なかったぐらいで何も死ぬことはないではないか。片やニュージーランドの地震で命を落とし生きたくても生きられなかった人達がいると思うとなんとも遣りきれない気持ちになる。


日本のマクドナルドの創業者、藤田田(ふじたでん)はマクドナルドを始める前に米国マクドナルド本社を訪れ、創業者であり社長であるレイ・クロックに会った。クロックは、藤田に左手を見せながらこう言った。「私の中指をごらん。第一関節からないだろう。あんたは五体満足なんだから、成功しないはずはない!」


五体満足で生まれてきたのであれば必死に頑張ればどうにでもなるはずだ。就職で挫折したぐらいどうってことはないはず。挫折をばねに頑張ればいいだけのことで、ハンディがあってもそれをばねにして生きた人達はいくらでもいる。そういった人達を見習うべきだ。




新井正明(あらいまさあき、大正元年~平成15年)という男は学校を出て住友生命へ入社した。そして入って9ヶ月で兵隊になりノモハンの戦闘に参加することになったが、運悪くこの戦闘で片足を失ってしまった。傷病兵として陸軍病院に入り、日々足が元通りになっている夢ばかりを見たという。新井26歳の時であった。苦脳の日々を過ごしたが色々の人の励ましを受け、徐々に生きる気力を取り戻していく。


旧制一高時代の友人で、小児麻痺で小さい時から足が不自由な人がいた。その彼が見舞いに来て「靖国神社に行かなくてよかったなあ」と声をかけた。この言葉を聞いて生きている嬉しさを痛切に感じたという。また他の人には葉書をもらった。葉書には英文字で「苦しみを通じて喜びへ」というベートーベンの有名な言葉が書いてあった。新井にとって一生支えとなる言葉であったという。義足をひきずって歩くのは嫌だと思っていたが、だんだんマイナスの人生をプラスに変えられるような気がしてきて生きる勇気が湧いてくる。こうした心の中での闘いが、自分を非常に強くしていったと新井はいう。


退院し住友生命に復帰した新井は片足というハンディを背負いながらも人の2倍、3倍努力し頑張った。そして新井は53歳の若さで住友生命の社長に就任する。二流の生保だった住友生命を一流の日本生命、第一生命を凌駕する大保険会社に育て上げた。




文責 田宮 卓


 

参考文献


ジーン・中園 「藤田田の頭の中」日本実業出版社

伊藤 肇 「現代の帝王学」 PHP文庫

佐高 信 「ビジネスマン一日一話」 徳間文庫

城山三郎 「静かなタフネス」文春文庫



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