写真で夢中になっている時は何もかも忘れてとても幸せなことと思う。鳥撮りは諦めた積りで昨年は一度も長いレンズを持たなかった。憧れて買った 通称  サンニッパ(300mm f2、8という明るいレンズ)も重たいので無理と諦めて鳥仲間の友人に格安で譲った。

 

探鳥を諦めて 性能のいいレンズを手放した筈なのに、サンコウチョウの季節が来てそわそわ気持ちが動いた。コンテストなどに興味を持ち、あちらこちらへとよく出かける。

 

昨年の12月 久しぶりに昔からの鳥撮り仲間と出会った。とてもお元気そうだった。サンコウチョウ・八色鳥・アカショウビンなど近くの山に出ることを聞いた。いいことを聞いたと、とても嬉しくなった。

 

4月になってそろそろサンコウチョウが出る頃になる。ふっと思い出したように、教わった近くの山へ行ってみよう・・・と 思い出し、近況を聞こうとその友に電話をしてみた。

 

その携帯電話から聞こえたのはその奥さまだった。「あれ! 間違えたかと咄嗟に・・・」

「いいえ~主人はこの1月にお風呂で倒れて急に逝ってしまいました」 びっくりして言葉を失ってしまった。遺品を整理していて、鳥仲間と野鳥個展を(有志4人程で)開いているとのことだった。その足で個展を観に駆けつけて在りし日の友の姿を追い、お悔やみを申しあげた。人の命の儚さを目の辺りにして、自分も同じなんだなぁ・・・と。

 

後日その友のことで違う仲間とその話で持ち切り、儚さと そして 見かけが如何にも素朴そのもので、現場仕事でもなさっている方かと思いきや、高校の英語の教師をなさっていた方だと聞いた。見かけで判断していた自分に反省。車も汚れまくり、気にする気配も見せないで、さっと現れて さっと 行ってしまう、素朴そのものでなんとひょうきん者の方であった。印象深い仲間であったこと、残念で堪らない、もっと話がしたかった。

友のご冥福を心から祈りたい。