去年の暮れくらいから、ストックしているウェットーフードが賞味期限過ぎてたり、近かったりしたので、ドライフードにウェットフードを混ぜてあげたりしていた。
食いつきすごく良かった。
ところがそのうち、ウエットの部分はきれいに食べてるのにカリカリをちょっと残すようになった。でも、カリカリをお散歩に持っていって途中で出すと食べたのでもっとウェットが食べたいだけでしょー、くらいにおもっていた。
見ていると、カリカリの粒をかんでる間に落としてしまったり、年とともにだんだん食べにくくなってきたのかな?と思って、フードを変えてみようかと思って、いろんなサンプルを取り寄せて食べさせてみた。すごい食いつきが良かったのもあって、やっぱり食べにくかったり、飽きちゃってたのかな、といろんなフードを更に試していた。
ところが、段々とサンプルも残すようになり、ウェットを混ぜると、ドライはすべて残してしまうようになってしまった。
食べにくいなら、ふやかすか、とふやかしてみるけど全く口をつけない。それどころか、ふやかすと、ウエットも食べない。
2月に定期的な血液検査を受けたときに、体重が 10キロちょうどで、前回より少し減っていた。前回はちょっとお太りになってたので、まあちょうどいいか、と、先生に「最近好き嫌いばっかり言うので、食べないならいいよ!って器引っ込めちゃうので、ダイエット成功です」なんて言って私は喜んでいた。
外部に検査を出すので、少し時間がかかるとのことでその日は帰宅。後日まず電話で結果を聞くと、「腎臓もなんですけど、膵臓の値が上がっていて、膵炎の疑いがあるので更に詳しく調べてみましょう」と。膵炎?考えもしなかった。好き嫌いに思えたのは、膵炎のせいで食欲が落ちてたんだ。
それから結果が出て、膵炎が確定した。数値的には結構悪かった。腎臓の数値も少しずつ、着実に上がっていたけど。
膵炎が判明するまではなんだかんだ食べてはいたし、元気もあった。急性ではないみたいで。
急性膵炎なら一週間入院して絶食、点滴で膵臓を休ませるらしいのだけど、ためこの性格からして、一週間も入院したらストレスで大変だから、通院で治療しましょうということになり、通院しながら食事療法していくことになった。
確定診断から私もとても怖くなって、膵炎には脂質がだめなのでとにかく脂質が少ないもの、高蛋白低脂質のものを、少しずつ、回数を増やしてあげなくては、と思い、それまでごちそうだったウエットフードを一日何回もあげるようになった。最初のうちは大喜びだったけど、ウェットフードはほとんど水分なので、一日の必要カロリーをそれだけで取ろうとするとすごい量が必要になる。お金もかかるし、材料買ってきて手作り食も混ぜたりしていた。
しかし、段々と膵炎がひどくなってきたのか、食べると不快感や痛みが現れるようになってきて、食べている途中にパタッとやめてしまい、落ち着かなくあちこち歩き回って辛そうな声を出すようになってしまった。お腹もキュルキュルすごくなっていて。
療法食ももちろん買った。
最初喜んで食べたのだけど、一缶全部は食べられなかった。元気なときならこのくらいの量、ぺろっと食べてたのに。
更に、食べると痛くなるのか、「これ食べると痛くなる」って覚えてしまうのか、ガツガツ食べていたからこれなら食べるんだ、と次に出すとプイっとされてしまうようになり、食べるものがどんどん減っていってしまった。
少数頻回に出しても食べるときと食べないときがあり、摂取カロリーはどんどん少なくなり、体重もどんどん減っていった。
夜食べてくれなかった日は次の朝は低血糖か低血圧みたいにボーッとしていて、外に連れて行ってもほぼ寝てるみたいな元気のなさ。ふらふらで、塀にぶつかったり、3月頃は本当に元気が無かった。二ヶ月前とは別犬だ。
膵炎の手作り食も作ったけど全く食べてくれなかった。好きだったのは
鹿肉のウエットフード。
これは食べてくれたけど一つ45kcalしかない。体重10キロなら500kcalくらいは取らなきゃなのに10個以上なんて食べてくれないし、途中でお腹痛くでもなったら食べなくなってしまうし、他の食べるものいくつも出して食べさせたけどカロリーはなかなか撮れず痩せてく一方だった。
その頃まだ通院は週3〜4回くらいだったけど、3日あけるとあけすぎだと言われた。補液の量も最初は200ccだった。
通院のたび、「食べてくれなくて」と嘆いていた。どんどん痩せていくので、まずは体重をキープし、胃腸を動かすために、食べてくれるものを食べさせてくださいと言われた。
膵炎はワンコもニャンコも結構罹患するらしい。急性膵炎は下痢や嘔吐でわかることもあるみたいだけど、慢性膵炎はわかりにくい。原発性の場合ももちろんだけど、おそらくためこの場合は慢性腎不全から引き起こされたものらしい。腎不全から膵炎や、腎不全から肝臓障害や胃腸障害を引き起こすことはよくあることらしい。
だけどすごく困ったことに膵炎と腎不全の食事療法は全く逆なのだ。
膵炎は脂肪がNGで高タンパク低脂質。一方腎不全はタンパク質制限があり、タンパク質でカロリー取れない分高脂肪低タンパク(低リン)なのだ。どちらにも引っかからないのは炭水化物だけ。だけど、もともと米とかのご飯類たべないためこはおじやとかにしても食べてくれなかった。
そういうわけで、食べてくれるものがなく、どんどん痩せている状況で、まずは膵炎の治療優先ということになり、低タンパク質にこだわりすぎず食べてくれるものを食べさせることに。例えばジャーキーでも、食べないよりは食べてくれた方がいい、カロリーにはなるから、ということで、おやつでもいいからカロリー取れるものあげることにした。
人間でも膵炎は激痛という。
徐々に慢性膵炎は進んでいたのだと思うと気づいてあげられなかったこと、無理にドライフード食べさせていたことが悔やまれる。
介護ではないけれど、突然それまでの日常が変わってしまうことがシニア犬の現実なんだなと思った。