陪審員選任3-個別尋問 | 法律翻訳ネタと変人観察日記

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法廷での尋問が終わり、陪審員を12名に絞るため、個別の尋問にとりかかります。


まず最初に、候補者番号1番のミセス・マローンが尋問を受けます。さて、どのように進められていくのでしょうか?


"Please have a seat. This will only take a minute. Mrs. Malone. Do you have any strong feelings one way or the other about the death penalty?"asked Noose.


「お座りください。すぐに終わりますからね。ミセス・マローン。さて、賛成であれ反対であれ、あなたは死刑について確固たる意見をお持ちですか?」


"Uh, no, sir."


「ええと、もってません」


"You realize that if you're selected for this jury and Mr. Hailey is convicted, you will be called upon to sentence him to death."


「この裁判の陪審員に選出され、ミスター・ヘイリーに有罪評決がおりた場合、ミスター・ヘイリーの死刑執行時には召喚されることもおわかりですね?」


"Yes, sir."


「はい」


"If the State proves beyond a reasonable doubt that the killings were premeditated, and if you believe Mr. Hailey was not legally insane at the time of killings, could you consider imposing the death penalty?"


「ミスター・ヘイリーによる殺人が計画性のある犯行であることを、検察側が合理的な疑いの余地なく立証し、かつまた、ミスター・ヘイリーが犯行時には心神喪失状態にあったとは信じられない場合、あなたは氏に死刑を科すことを考慮できますか?」


"Certainly. I think it should be used all the time. Might stop some of this meanness. I'm all for it."


「もちろんです。死刑は存続させるべきだと考えています。凶悪犯罪を防ぐことができるかもしれませんからね。ええ、死刑には賛成です。」


"Thank you, Mrs. Malone. You may return to your seat in the courtroom."


「ありがとうございました。ミセス・マローン。法廷のご自分の席に戻っていただいて結構です。」



その後、2番目の候補者は死刑執行には何のためらいもないと発言、3番目と4番目の候補者も証拠があるのなら断固として死刑を執行すべきであるという考えの持ち主でした。



【単語】

death penalty 死刑

convict    有罪と決定する

sentence 判決の言い渡し

premmeditated 予謀を持って行なわれた

insane 心神喪失(の)


【解説】

検察側・弁護側は陪審員候補者一人ひとりに質問をして、陪審員として適切であるかどうか判断します。

もし、候補者が陪審員として適切でない場合、理由のある陪審忌避(Challenge for Cause)を申立て、振り落とします。


検察側・弁護側はある一定の数だけ専断的忌避申立(Peremptory Challenge)ができます。これは、特に理由がない場合でも、自己の側に不利であると考えられる候補者を忌避することができるという意味です。


このようにして、双方が納得できる陪審員が12名選ばれると、Voir Dire(陪審選別)は終わります。


なお、審理中に陪審員の中から病気のものが出て、12名を割ることに備えて、補欠の陪審員を選んでおくケースもあります。通常は2名の補欠陪審員が選ばれ、正規の陪審員と審理に同席します。