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たまみです。映画を観た感想を綴っています。あくまでも独断と偏見に満ち満ちた「感想」です!

 

歴史を変えるような天才であったり、多くの人の中から抜け出すような成功者という人は、修羅の世界のようなところを避けては通れないのではないかと考えさせられる作品でした。

本作においてその修羅のごとき世界を作りだしている張本人がフレッチャーという主人公が通う音楽学校で最高の指揮者として名高い人物ですが、彼の指導はまさに鬼のように厳しく、ドラマーを志す主人公は常人ではとても耐えられないほどのスパルタ訓練を課されることになります。

思わず人間性を疑いたくなるような指導で主人公を追い詰め、見ているだけで恐怖映画の悪役のような恐ろしさがこみあげてくる映画でもあります。

それだけJ・K・シモンズ演じるフレッチャーの役がはまり役だったということも言えますが、この人物の徹底的な悪役ぶりがこの映画の評価を引き上げていることは間違いないと思います。

ただ、人よりも優れるためには常人離れした何かが必要になるのだと思います。

それはある種の異常性のようなものであり、それが本作ではフレッチャーのスパルタ特訓として表現されているのではとも感じました。

鬼のようなスパルタ訓練を受けた彼が最後にどうなるのか、また徐々に明らかになるフレッチャーという人物の人間性など見どころはたくさんあり、最初から一気に引き込まれる作品でもあります。

とくにラストシーンは圧巻と言えるようなシーンで、自然と引き込まれてしまう引力のようなものがある気がします。

映画にもかかわらずここまで臨場感のある音楽や演奏を感じることができる作品はそうはないと思います。