#20 キネマ刑事たまの新作レビューはメモ書きで起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!! | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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というわけで、映画ばっかり見ているのに映画のことをまったく書かないわたしのブログを少しくらいは映画色に染めようと始めた企画“キネマ刑事たまの手帳メモ”。これはわたしが自分のために観賞後に書き殴っておいたメモ書きをそのままブログに転載してしまえという乱暴な企画だったのだけど、メリットは結構あって、それは新しく自分でなんら書かなくても素材は山のようにあるという点。・・・だったはずなのに、いまだ転載できたのは18pまで。わたしのメモ書きは既に141pを超えているので、結局この企画もリアルタイムにはほど遠い企画となってしまった。というかコピペすることに飽きたわ。いうわけで、それを補うためにも、ザクザクと皆さんの映画館観賞に役立つようなことも書いてみようと決意し始めた企画が、“キネマ刑事たまの新作レビューはメモ書きで起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!”だ!(どーん!!)


まず推理作家ポー 最期の5日間から。ファンサービスしようという構成とサスペンス演出があるだけで、キャラクターの魅力薄。原作を知っていればと思わせるのではなく、主人公の魅力から原作を読みたいと思わせなければ。劇場版 私立バカレア高校は、ジャニーズの若いこがいっぱい出ていて消費されていくアイドル映画としてはいいんじゃないでしょうか。ニッポンの嘘 ~報道写真家 福島菊次郎90歳~、ドキュとしはなにも掘り下げられてないと思う。劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〔前編〕始まりの物語は、若い頃に抱く様々な感情(若さ故のおろかさ含む)を物語上に上手く鏤められていて個人的におおいに泣けましたが、作品自体は後編ありきの前編としてしか機能しておらず、これはTV放送版を再編集して映画館で流しただけ。劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〔後編〕永遠の物語は、素晴らしい要素のつまった物語だとは思うけど、ぶつ切り前編のつづきからこれほど唐突に始まる後編もない。どんな総集編二部作だってもう少しひとつの作品としてのまとまりを意識して構成するよ。というわけで、前編ありきであり、一本の作品として成立しておらず、また前編に比して、TVアニメの演出を引きずっているんであろう無駄な各パートが流れを阻害していたり、主題に対して無意味だったり、またTVアニメそのものの作画とたぶん劇場用に新しく用意した作画の出来が違いすぎて違和感ありで、TVの総集編としても難あり。そもそも作り手が映画するつもりがないのだからこの作品を映画館で見る必要はない。これを見て、TVアニメ版が様々な賞を受賞したのはよく理解できたけど、この映画版はなんの賞も受賞することはないだろう凡作。観賞するのに巨大スクリーンは必要ありません。 鉄砲娘の捕物帳、オリジナリティ溢れる文章の持つ雰囲気を映像として表現しようと努力しているのはよく分かるけど、主軸たるストーリーラインが弱く、キャラクターも魅力的に提示しきれていない。力を入れる順番が逆じゃないか。『キック・オーバー』は、気楽に観られる娯楽映画としは水準を保っている。宇宙刑事ギャバン THE MOVIEは、本年度ワースト更新。これは映画ではありません。エクスペンダブルズ2は、前作より映画の構造がしっかりしているので好印象。サービスも旺盛。東京国際映画祭コンペティション『イエロー』<アジアンプレミア(ゲスト:ニック・カサヴェテス(監督/脚本)、ヘザー・ウォールクィスト(脚本/女優))>は、スジから過度なまでに逸脱していく各エピソードがすごい。観ている者は唖然とするほかない。作り手の意図している者を投げつけられるだけなので、一般的には気分がいい映画とはいえない。くろねこルーシーは、昭和を感じさせるロケハンと美術小道具が素晴らしいだけにその他が水準まで達していないのが悔やまれる一本だ。


兎にも角にも、今なにを薦めるか問われたら、おいらツナグオススメしますよ。劇団ツナグでも結成したのかとすら思えるほど、平川演出にこたえるキャストの演技がすごい(ただし1人だけその周囲のレベルに置いてかれてて残念)。そして用意されている美術小道具が素晴らしい。画面に映るものが果たす役割を十二分に理解している人間がカメラを回しているんだとよく分かる一本だ。照明術もはえていたし、全体が主題に奉仕している珍しい邦画になっていました。ただ、ツナグの存在や提示されたルールが無条件に受け入れられないと、この主題は浮き上がってこないので、難のある甘えもある脚本なのは確か。エピソードを1つ削ってもう少しストーリーラインに余裕をもたせても良かったかもしれない。特段オススメするうような映画ではないけど、今年はいまのところ日本アカデミー賞を受賞しそうな作品が存在しないので、本作が受賞するかもしれないという意味でオススメしておきます。まあ11月と12月公開作品がノミネート枠の大半を持って行きそうだから、消えるかもしれないが。おわり)


* 記述内に公開終了作品が含まれている場合がありますので御注意下さい。