日本からの荷物が紛失して、それを見つかりませんのでなにもできませんと言われたりショックを受けていたのですが、なんとか発表を終えたのでそれについて。
ちなみに日本の父にメールしたら、郵便局に調査依頼しているらしく、まだ結果が出ていないらしいです。局長との協議も考えてるので、なんとか結論を出すと言ってもらえてとても救われました。そんな父は3月1日から3か月インド、その後タイに1か月滞在して7月1日に日本に帰ってくるそうです。
店も閉めて、老後の人生を楽しんでいるようでなによりですね。僕も早く自分で稼げるようにならないとですね。
さてさて、早速ですが、slideshareにPPTをアップロードしたので、それを貼っときます。アニメーションは見れませんが、スライドは全部ここで見れるようになってるので。
ではスライドの内容について日本語で説明しながら、僕がどうもうまくできなかった部分を説明していきます。
ちなみに、僕は10分という持ち時間だったので、まずこの文法事項を教える際のポイント、そしてどうイントロダクションをやるか、そしてどうやって活動をやるかということを、教師の視点で語る感じで発表したのですが、
実際の模擬授業やれっていう批判を多数いただきましたorz
まず2枚目(表紙が1枚目ってことで)のスライドについて。
僕が、助動詞のwillをbeginnerに教える際に気を付けたいなと思ったところが、その意味・用法です。
たとえば日本の中学校で教えるときって、
1番目のFuture PredictionとSpontaneous decisionがごっちゃになってると思うんです。
それを、単に「『~しようと思う』と気持ちや考え、予定などを言うときは、〈Will+動詞の原形〉の形を使います」とかって書いちゃってるんですね。(SUNSHINE ENGLISH COURSE 2より)
例えば、上述のサンシャインでは、本文中に出てくるwillを使った表現は、
(前略)
Mike: Where will you go in Sydney?
Yuki: I'll go to the Opera House and the Koala Park.
(後略)
(下線は筆者による)
となってるわけですが、その下のTarget Expressionの紹介欄では、
○ Mike is staying at my house.
● Really? Then, I'll call him tonight. (I'll→I will)
となってるわけです。
本文中で扱われている
I'll go to the Opera House and the Koala Park.
は、「そうするつもりでいて、まあ予定を狂わせる要素がなければほぼ間違いなく行く」という意味の未来にそれがかなり高い確率で起こることを示しています。
この用法は、実はbe going toでも代替可能なんです。
よく、be going toはplannedでwillはunplannedっていう説明を聞きますが、これは実はある意味では正しくてある意味では正しくないんです。
これが通用するのは、willがspontaneous decisionで使われたとき、すなわち、上述の
Really? Then, I'll call him tonight.
このような使われ方をしたwillとの対比では正しいのですが、本文中のwillはbe going toでも大丈夫です。
The Grammar Book↓の説明を借りると
The Grammar Book: An Esl/Efl Teacher’s Course/Marianne Celce-Murcia
¥7,711
Amazon.co.jp
b. Be going to is used for the following:
Future Predictions (more informal than will):
Belinda's going to be 40 next year.
というわけでbe going toのほうがinformalですよってだけなんですね。ちなみに、discourseレベルでwillとbe going toを見てみると、まずbe going toでフレーム作りをして、そのあとにwillを使用するという特徴もあります。これは、be going toのほうがより現在に近いという特徴を持っていることからくるらしいです。
少し逸れましたが、この2つの意味をごっちゃにするのはどうかなと個人的には思います。
またそれとは変わって、未来というよりは助動詞にfocusした用法として、3番目にあげているProbabilityがあります(スライドの例文参照)
これはさすがに、別に助動詞のmayやshouldなんかと一緒に可能性への言及という点で教えるのがいいと判断しました。また、beginnerレベルの生徒にとってはその助動詞の使い分けよりもむしろ未来に言及する用法の方が実際の使用頻度も高いだろうという想定です。
さて、ではスライドの3枚目にいきます。
とりあえず、教師の視点から、授業の目標を設定しました。
willのformに関しては、過去形のwouldがありますが、これは今回では扱いませんので、基本的にはmeaningとuseを重視しています。
2点目の最後にpossibleと書いてあるのは、生徒から引き出した発話の結果で異なるからです(後で説明します)
4枚目のスライド。
写真だけなのでわかりにくいのですが、どのようにwillを導入するかです。
まず、写真を提示して、生徒たちに、「勉強するつもりで図書館に来た」という状況設定を想像させます。
(想像のなかで進むってことは仮定法になんじゃないのか?という疑問がやや浮かびましたが…)
そして、図書館まで来てみたら、実は閉まってた!と(アニメーションであとからClosedを出すようになってます)。
えー。さあじゃあどうする?
という設定。
ここで、図書館閉まってるという事態に遭遇し、spontaneous decisionをするという必然性を生み出します。
そして次のスライド。
例えば…
という例(動詞句)を1つか2つ挙げます。
あとは、生徒に実際に聞いてみて、自分ならどうするよ?ということを考えさせます。
もしあまり発言の無いようだったら、30秒で隣近所と相談!と言ってそのあとにもう一度聞きます。
そしてある程度出そろったところで
元に戻って、
図書館閉まってる
↓
どうする
↓
I will study at Academic Center.
みたいに教師が発話。
これを何パターンか発話したあとに、
スライド上部にある
I ( ) ___________________.
を提示して、そうだねーwillって使うんだねーというありきたりな確認作業。
では次にスライドの6枚目。
まあ活動に入る前に、パターンプラクティスとかmim-mem的なリピート活動とか入れてもいいです。
僕がクラスにリピートのプラクティスは必要か?という質問を投げかけたところ(スピーキングのクラスでは誰もそれをやっていなかったため)、beginnerには大事だし有効だと思う。という意見がありました。
それで、メインの活動はなにかっていうと、
手順はスライド見てもらえればわかると思うんですが、
まず動詞を生徒にできるだけたくさん挙げてもらって、板書していきます。
ある程度出たところで、じゃあこれらの動詞と、さっきのwillを使って文を作ってみようと言います。
最初に何文か教師自ら作ってあげると、難易度が下がるのでレベルに応じて。
これは、個人・ペア・グループ等が考えられますが、クラスサイズやレベルによって使い分けるのがいいと思います。
そして、生徒が文を作れたら、進み具合を見て机間巡視しながら、あるいはいったん止めて一斉指導で、その文が発話されるシチュエーションを考えさせます。
例えば、
I'll help you with your homework.
という文を考えたら、それは
When my friends asked me to help him/her with his/her homework.
みたいな場合に、
「わかった。それなら…」というspontaneous decisionでwillが使われることになります。
こういうことを考えさせて、
ころあいを見ていったん切って、生徒に発話させて教師が板書するなり、生徒に前に来させて書かせるなりして文を黒板にリストアップしていきます。
ここで最後のスライド。
一応注意点としてあります。
リストアップされた文を見て比べさせて、どんな状況でそれぞれの文が発話されるかを考えさせます。
もしここで、例えば
I will go snowboarding next weekend.
という文があったとします。
場合によっては、友達に誘われて、
「よし、じゃ行くわ!」
ていうこともあり得ますが
もしかすると、
「友達に予定を聞かれて」
という理由かもしれません。
そうなってくると、これは
「まあよほど天気悪いとかじゃないかぎりスノボ行くつもりだよ」
っていうFuture Predictionになるわけです。
もしこのような文があった場合には、ほかの文と状況も踏まえたうえで比較させて、
Future predictionとSpontaneous decisionの違いを説明しておく必要が出てきます。
こうなった場合には、
Objectivesにあった、
"Understand different meaning and use"
という観点が必要になってくるわけです。
一応授業の流れはこんな感じです。
宿題を出すのであれば、
wiii使って5文書いてきなさいとかやらせて、次回書いたものは提出させて口頭でも言わせるとか。
評価に関しては、実際この授業が終わったあとに、じゃあ本当にわかってる?くらいの感じでこういった提出物でチェックでもいいのかなとか思ったり。
もちろん授業中の活動でわかってるかどうかも見れるとは思いますが。
この辺が、僕がツイッターで
「評価しない授業はありか」
とつぶやいた理由でもあります。
この指導案を考えるにあたっては、
@watariyoichi先生のアドバイスを参考にさせていただいたので、ここにお礼を申し上げます。
以下先生とのTwitterでのやりとりです。
もう無理ぽ。なので、とりあえず水曜日にやるプレゼンについて考える。willを扱う授業を考えてるわけですが、意外にwillを使う状況設定が難しいことに気づきました。予定はbe going toだしぬん
posted at 12:59:41
@tam07pb915 日本語話者の学習者だと「だろう」に引きずられてwillの意味を弱く理解していることが多いので、「(邪魔する要因がなければ)このまま行けば当然そうなる」ぐらいの強い意味だってことやmayとの違いが腑に落ちるのが大事かなと思う、なんて日本から勝手コメント失礼。
posted at 13:06:03
@watariyoichi 一応beginnerレベルを想定することになっているので、他の表現との対比と、使用場面の設定をどうするかが悩みどころです。助動詞として可能性の話に触れるとか、他の表現(現在・進行)などで未来が表現できることはまず脇に置いておくべきなのかとも思います。
posted at 13:12:27
これだけ独り言↓
例えばinformation gap taskをやろうと考えると、IGTの性質上、「現在」知っている情報を元に話すわけだからbe going toになるわけで。意志未来とすると、"spontaneous decision"になるから、準備させて臨む時点でそもそもおかしいし。
posted at 13:35:49
@watariyoichi We'll go to Everglades National Park on our vacation.という例文がGrammar Bookに出てるんですが、これは意志というよりは、未来の予定がかなり高い確率で起こるってことですよね?
posted at 13:47:13
@tam07pb915 いま確認できないんけど、たぶんそうだろうね。I/We will ...で各自にいろいろ自分の未来のことを発表してもらって、ニュアンスがおかしいのをあぶり出すという活動でもいいかなーと勝手に考えた。
posted at 14:06:55
頂きます! RT @watariyoichi @tam07pb915 いま確認できないんけど、たぶんそうだろうね。I/We will ...で各自にいろいろ自分の未来のことを発表してもらって、ニュアンスがおかしいのをあぶり出すという活動でもいいかなーと勝手に考えた。
posted at 14:17:00
金色のスライドで発表します! RT @watariyoichi: @tam07pb915 言われなくてもやる夫だろうけど、使うとしても、もうちょっとつめて、たむさん色出してね。
posted at 14:32:13
@tam07pb915 ww 分かんなくて問題なしよ。それよりも、柄にもなくマジレスしちゃうけど、借り物じゃなくて自分の良さや不十分さがよく見えるタスクや授業を考えてほしーのってこと。おっと、これ以上は授業料取るで。
posted at 14:51:10
承知しました。RT @watariyoichi @tam07pb915 ww 分かんなくて問題なしよ。それよりも、柄にもなくマジレスしちゃうけど、借り物じゃなくて自分の良さや不十分さがよく見えるタスクや授業を考えてほしーのってこと。おっと、これ以上は授業料取るで。
posted at 15:01:38
というわけで、ご指摘、ご感想いただけるとありがたいです。
それでは。
アメリカ New Hampshireより
おしまい。