同棲ダメ恋。→23歳 (その21)『それって、デートじゃね!?・2』 | ダメ恋愛。 ~下手な鉄砲、数打ちゃ当たる~

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バンカーばかりのダメ恋愛(実話)を、小説形式にて書いてます。※感想コメントはご自由に! 辛口な批評もOKです☆

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RRRRRRRRR……

 

 

僕の携帯電話の着信音が鳴った。

 

僕「はい、もしもし」

 

電話の主は、同じ劇団のメンバーである、舟山ナツミ(23歳:仮名)からだった。

 

 

僕「おー。ナツミかぁ。おつー。うん、今平気」

 

彩乃はブラウン管を見つめて、ゲームに集中していた……様に見えた。

 

 

僕「えー!? マジで? じゃ、二人で見に行かなきゃダメじゃん」

 

彩乃は、チラリと僕に視線を向けた。その視線を、あまり気にしていない僕。

 

 

僕「分かった。今度の日曜ね。うん、空いてるよ。ハァ? 一緒に買い物がしたい? ……まぁ、別にいいけど」

 

 

僕の発言を聞いていた彩乃から、何かビリビリとしたオーラが出始めた。

 

非常に鈍感な僕は、その状況に全く気づいていなかった。

 

 

僕「じゃ、ついでに俺の服を見てくれよ。丁度さ、夏用のシャツが欲しかったから」

 

 

ビクッ!!

 

 

その発言を聞いた瞬間、彩乃はコメカミに青筋を立て、ずずずぃと僕に近づき、にらみをきかせ始めた。

 

だが残念な事に、この時の僕は『あ、早くゲームを進めろって事かな?』と言う、全くお気楽な勘違いをしていた。

 

 

僕「うん。じゃ、いつもの新宿駅前に15時ね。うんうん。じゃ、おやすみー」

 

 

ガチャ。

 

僕は電話を切った。

 

 

彩乃「……おい」

 

僕「あ、ゴメンな。待たせちゃって」

 

彩乃「そーじゃねぇだろ?」

 

僕「え? 何が?」

 

彩乃「あのな、何が、じゃねーだろ!?」

 

 

彩乃の顔は、すっかり般若(はんにゃ)のお面みたいになっていた。

 

僕は、そのすさまじい怒りモードにビビり、若干引き気味で答えた。

 

 

僕「な、何だよ? ゲームの進行を邪魔されたからって、そんなに怒らんでも……」

 

彩乃「こんなの、どーでもいいんだよ!!」

 

 

バカーン!!

 

 

彩乃は思いっきり拳を振り上げ、ゲーム機の電源を叩き切った。

 

 

僕「お、おい、何をするんだよ!! プレステ、壊れちゃうだろ?」

 

彩乃「あーっ、もう!! 壊れそうなのは、アタシの心の方だろーが!!!!!!!!!」

 

 

本当に本当に残念な僕は、彩乃が何の件について怒っているのか、この時はさっぱり理解が出来なかった。

 

そしてこの後、自分が異常なほど常識がない人間だったと言う事に、ハッキリと気づかされるのであった……。

 

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