またまた前回からの続き・・・
なんとか彼の事務所の場所を突き止めた。
ご丁寧にポストには住所と屋号も出ている。
電気のメーターは少しずつだが動いている。
おそらく冷蔵庫かPCのサーバーがあるのだろう。
少なくとも電力会社への支払いは滞ってはないということか・・・
仕事の空き時間を利用して何度か前を通ってみたけど気配ナシ。
日曜の午前中、見知らぬ携帯番号から着信。
出て見ると彼の親父からだった。
申し訳なさそうに電話から聞こえる親父の声。
無関係の親父に対して取り立てるつもりはないと伝えた上で会って話をすることに。
日曜日の午後、彼の実家へ向かい、親父さんに会う。
どうやら3年ほど前に息子とは絶縁したとのこと。
40年ほど事業を行ってた親父さんは数年前に脳梗塞になり、その時から息子が後を継いだらしい。
仕入れ先から顧客も全て引き継ぎ、安定した中での仕事。
でも、そのあたりの時期から金遣いが気になったという。
仕入れ先への支払いが滞って催促されることが多くなり
その度に親父さんは息子の代わりに頭を下げ、支払ったとのこと。
そして3年ほど前、親父さんも耐えかねて息子を叱ったところ実家に寄りつかなくなり、電話にも出なくなったらしい。
完全なドラ息子・・・
見極められなかった自分が情けない。
親父さんに現在俺の知りうる全ての情報を伝えた。
昨年の秋に事務所を出したこと、その事務所の写真と地図、こちらから提出した請求書の写し。そして嫁と離婚していること、アパートの家賃も半年滞納していること、嫁は今も同じアパートの別室で暮らしていること・・・
親父さんは涙を浮かべ俺に詫びてきた。
親父さんは年金をもらいながらアルバイトしてるらしいが、アルバイトの道中に事務所に寄ってみるとのこと。
俺は親父さんに言った。
「何度も言いますが親父さんに取り立てるつもりはありません。ただ、場合によってはこちらの住所に内容証明等の書類が届くかもしれません。どうか気分を害さないでください」と。
そう言って実家を後にした。
昨日は早朝、日中、夕方、21時、23時と寄ってみたものの電気は点いておらず車もない。
念のため嫁の住むアパートにも行ってみたが彼のものらしき車は無い。
さて、どうするか・・・
進展があればまた書きます。