last note〆TAK

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現在うつ病パニック障害嘔吐恐怖との闘病生活を送りつつ日々を過ごしています。
歌うことがとにかく大好きなただのおっさんです。
ブログにて自作歌詞や自作詩などを掲載させていただいております。

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なんかねー

図書館行って本みてたら

見るより書くのがやっぱたのしいよねって思って書きました

少しずつの投稿ではありますが、ごゆっくりお楽しみください

開幕

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第1話「逸脱」



ある日常

どこにでもありそうな風景

日が昇り、また沈むように

いたって普通な…

と、言いたいところだけど

もうすぐ30も半ばになる

仕事なし、夢もなし、金もなし、彼女なし

おまけに童貞


…逸脱している

全く世間で言う「普通」ではない

自覚はしている

自分は「普通」ではないことを…

周りを見て「羨ましい」とすら

何時からか思わなくなったことを…


そんな「普通」ではない日常の中で

ある日を境に「普通」ではない事がおきた



何ヶ月…何年前だろう…

もうそれすらも覚えてはいない

いつからか僕の目の前に黒い影…

いや霧のような…うまく説明ができない

「特殊な黒い物」が存在した


「それ」は突然現れ

僕の前を常に覆っていた

「それ」に関しての特徴だが

他者には見えない

触れることができない

風に流されることもない

水にはじかれることもない

「空気と一緒」といえばいいのだろうか

目の前のコップを手に取ることもできる

ただ「僕」にしか見えていない


最初は戸惑った

とうとう精神までおかしくなったか

幻覚までみるようになったか

何かドラッグの類でもやったのだろうか

病院を何件もはしごした

時には発狂した

気が狂いそうになった

でも、原因はわからなかった

今になって思えば当たり前なのかもしれない

だって「それ」は「僕」にしか見えていないのだから


何時からか「それ」は気にならなくなった

再度言わせてもらえば、何時からかなんて覚えていない

日常生活に困ることもない

物には普通に触れる

他者には見えない

それらが重なり

いつしか「それ」は気にならなくなっていた

アダルトビデオを見る時、少々うっとおしいくらいだ

そもそも僕のことなど気にする人はいないだろう

このまま「普通」ではない人生を歩み

やがてくる死を待つのだろう


そのはずだった

そのはずだったのだ

忘れもしない6月のある梅雨の時期までは…


その日は何の前触れもなくやってきた

逸脱した日常に目を覚まし

いつも通りシャワーを浴び

いつも通りだらけながら

何処へいくわけでもなく着替えをすます


「コーヒーでも買いに行くか…」

だらけながら呟いた


いつもの通り道

いつのも風景

いつもの…

「?!」

僕は驚愕した

何度も何度も目をこすった

何度も何度も目を疑った

何度も何度も目を凝らした


「んなっ」

ついて出た言葉がそれだ


何故なら

青・黄色・緑・ピンク…黒…

様々な色…いや…「それ」が

全ての人についていたからだ