しかし、たとえ今は面接対策に時間が割けなくても、面接に対する意識だけは「はっきり」「しっかり」「ばっちり」持っていなければいけません。筆記試験が終わった途端、「熾烈な最終合格争い」の火蓋が切って落とされます。くれぐれも油断は禁物です。
ただ、まさに筆記前の現時点において、【LINE＠必勝倶楽部】の「無料面接相談」に多くの質問をいただいている状況を考えると、その心配は杞憂なのだと思います。受験生の方々の面接対策へのモチベーションの高さを、日々ヒシヒシと感じています。
さて、面接試験についての質問で最も最も多いのは、
「面接対策って、なにから始めればよいですか？」
という質問です。
この質問には、
「まずは自分の長所や短所を、丁寧に探してみてください」
という趣旨のことをお伝えしています。
とかく面接対策というと、「ある自治体の面接で面接官がこれまでにどのような質問をしたのか」とか、「それに対して過去の合格者がどのように答えたのか」といった、「外的要因」の情報収集に走りがちになります。事実、こうした面接情報を「ウリ」にした面接対策講座も多いようです。
もちろん「面接官はどんなことを聞いてくるんだろう？」ということが気になるのはわかりますし、その情報が全く役に立たないわけではありません。
しかし一旦「外的要因」に囚われてしまうと、そのことに大きく揺さぶられて「本来の自分」を見失います。そうなったら合格するのはほぼ不可能です。
なぜなら、「外的要因」だけにうまく対応した面接対策では、他のライバルたちとなんら差別化できないからです。
話は飛びますが、私の専門である経営学における比較的新しい理論として、
「RBV：Resource Based View」
という考え方があります。
「Resource＝資源、Based＝基づいた、View＝視点」。直訳すると「（経営）資源に基づいた視点」という意味です。
もう少し詳しく言うと、「企業は「外部要因」すなわちライバル会社や市場状態、消費者の動向などよりも、「内部要因」すなわち人的資源や財務的資源、あるいは地理的優位性、保有する特殊技術など、自社で保有している経営資源に基づいて戦略を考えるのが最も強い」という理論です。
これを面接対策に置き換えれば、「他人」に振り回されることなく、「自分」ならではの強みを見つけて活かすことこそ、「他人」との明確な差別化につながり、結局「自分」が競争に勝ち抜くことができる」ということに他なりません。
面接で不合格になってしまう人のほとんどは、実は外部の情報に振り回されているのです。
上述のように、外的要因＝面接情報が全く役に立たないわけではありません。しかし、面接情報を「合格するため」の情報として使いこなすには、まず、自らの強みや弱みを深く知っていることが前提です。それを知っていれば、「どういう情報が、どういう場面で、どのように役立つのか」ということが、自然に分かるようになるのです。
面接は明日からすぐに始まるわけではありません。まだまだ多くの時間が残されています。面接情報の収集は後回しにして、まず自分の長所や短所と徹底的に向き合ってください。
この「あたりまえ」ともいえるプロセスを、地道にこなせばこなすほど合格率が高まるのは、私が接してきた何百人もの合格者が証明しています。
自身の中にある「強み」や「弱み」は、一人ひとりだけのもの。本質的に差別化できているものなのですから、自信を持って自らと向き合うことを、なにより大切にしてください。
（おまけ）ちなみに、「RBV」という用語は、公務員試験の経営学でも出題されたことがありますので、地方上級筆記対策としても押さえておいてくださいね(笑)。
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