ボクは「恋愛」に疑問を持っている。
なぜか。
それがなんと映画『スターウォーズ』に描いてあります。
『スターウォーズ』がボクにとって傑作なのは、ここに理由がある。
『スターウォーズ』には、
「恋愛」が、それを最小単位とする「家族」というものが、
ダークサイド(暗黒面)として直接描かれてある。
(特にエピソード2に注目してもらいたい)
ハリウッド映画というのは特に「恋愛」「家族」バンザイである。
どんな苦境にあっても「恋愛」「家族」のために戦うロマンチシズムが美徳。
人質には「家族」が取られ、そして燃える。
それがつまり「恐怖」。
そして、その対比として『スターウォーズ』では、
ジェダイと呼ばれる言わば仏陀の集団が決して燃えないように、
ロマンチシズムに陥らないように、訓練されている 。
そして、だからこそ「恋愛」が禁じられている。
きっと『スターウォーズ』だけじゃないだろうか、
恋に「落ちた」ときに暗黒の音楽がかかるのは!笑
もちろんそれはダークサイドに「落ちた」サインである。
あれは、やはり「落ちる」ものなのだ。
普通の映画だと豪華客船の船首で恋人と両手を広げているもんね。笑
つまり『スターウォーズ』が傑作なのは、
一見、勧善懲悪の物語に見えながらも、
ダークサイド=悪と簡単には断じられない所だ。
我々人間は確実にダークサイドの側にいる。
ダークサイド=家族の側に。
あれは、ジェダイから観た
帝国VSレジスタンスというダークサイドの物語である。
内向的な(どちらかというとマイナーな)映画が、
恋愛や家族を「不条理」として表現することはありますが、
これだけのメジャーで、大乗として広まるのはとんでもない事態だと思う。
「仏教」なみじゃないだろうか。
『スターウォーズ』は後に古典となりうるんじゃないかな。
恋愛—家族—トラウマ
恋人—親子—傷の伝承
そして、それは、戦争。
人間として生まれてきたということは、
すなわち、この戦争(スターウォーズ)の真っ只中にいるということである。
それは「恋愛」自体に疑問を持っているというより、
「恋愛」によって引きずられるモノの大きさじゃないだろうか。
自分の自我を「おじさん(またはおばさん)」と呼ぶなら(笑)、
「食欲おじさん」や「物欲おじさん」に比べて
もっとも大きな被害?をもたらすのが、
この「恋愛おじさん」であると感じるのは、
果たしてボクだけだろうか?
でもここで注意したいことがある。
「恋愛」や「結婚」についてボクが語りづらいのは、
このことはそうそう普遍化は出来ないからだ。
これは個々の性格やその人個人の「状態」によって、
恋愛という<波>に飛び込んだ方が「健康」と言える状態があるから、である。
ただ、ボクのしゃべる本質に光をあてて欲しい。
自分の「傷」を他人にぶつけて解消することには限界がある。
普段、自分が感じる「不快感」は自分の「傷」によるものである。
もちろん社会でそれはなかなか表現できないだろう。
(だから芸術があるのだ。芸術家はその「傷」を芸術に昇華させるということに意識的であった方がいいかもしれない。でなければ、自分が何をしているのか分からなくなるんじゃないだろうか)
そして、
抑圧されたその矛先は必ず「恋人」と「家族」に向けられるはずだ。
もっと言えば、
自分の不快感を気軽にぶつけられる相手として「恋人」は作られる。
「能動攻撃」「受動攻撃」「文句」「説教」「無視」・・・・
そしてその自分の「傷」は「恋人」を通して、
次世代つまり「子供」へと受け継がれる。
この「傷」のスパイラル
ボク、で
否、ボク、が、終わりにしたい。
備考********************
◉『スターウォーズ』の残念なところ
この映画、若いアナキン・スカイウォーカーがダークサイド(暗黒)に落ち、
ダースベーダーになってしまうと、言っちゃうと1行で終わっちゃう映画なんですが、
もうちょいアナキンに感情移入出来るように作って欲しかった!
あれじゃあ観客は「あいつもとうとう落ちたか」ってな呑気な事態になる。
客も一緒に恋に「落ち」、 客も一緒に暗黒に「落ちる」ように作って頂きたかった。
一緒に行ったカップルや家族が、
呑気にポップコーン食ってる事態じゃなくなるくらい・・・にね。 笑
そうすれば、ボクの中では傑作中の傑作になったのにな。
けど、それじゃあメジャーで公開出来るほどのヒットにならないわけだから、
だからこそ、あれだけあからさまに描かれてあるのに、
隠されているように観れる、つまり傑作なんだろうな。
ボクは『スターウォーズ』で好きなシーンがある。
これもエピソード2じゃなかったかな。
それは、アナキン・スカイウォーカーが
自分の母親を惨殺した民を怒りにまかせて皆殺しにしている時、
瞑想しているジェダイの一人であるヨーダが、
そのアナキンの「哀しみ」と同調しているシーン。
ボクはこれが(例えば他の映画の)「ロマンチシズム」と決定的に違う所だと思う。
**************************************
ここから以前のSNSにおける会話です。
>グリーンパールなぎ
スターウォーズは、いろいろな人にすすめられてきたけど、
今この日記を読み、これほど観ておけばよかったと思ったことはないです。
スターウォーズ④しか観たことがなく、
それもあまりいいとは思わなかった記憶があります。
これは、もう、観る!
傷のスパイラル、自分が止めようというたくみさんの決断はとても潔い、
潔すぎると思う。そして尊い決断だと思うのです。
私たちは(とくにオーストラリアなどでは)子供を生み、
家族を作っていくという過程がもっと本能的に充満している風潮があると思う。
平均的に結婚、妊娠が早いんだ。自然にそれをしたいって思っているんだね。
私の中にも、それがきっと強くあると思う。
それを思うと、私はまだ人間という生物でしかないなあって感じた。
それが傷のスパイラルになる(とは限らないかも、しれないけど
それほど出来た人間ではないので笑)のにね。
修行します。
そして、この間はありがとうございます。50円などなど笑
必ず恩返しさせてください。
>Takkme
スターウォーズは全部見ないとその大きなテーマが見えないので
面倒くさいよ。笑
一話だけで面白い人は宇宙人や宇宙船やSFが好きな人だね。笑
そういうのが好きな人にとってはそれでも十分面白いようになってるんだな。
男の子がたぶん多いだろうね。
スターウォーズ4は実は事情があって(ルーカス監督が1の制作を断られたらしい)
一番最初に『スターウォーズ』として公開されることになった。
それが当たったために他のエピソードも作れることになった。
そのため4→5→6(長い中断)1→2→3という公開の順番になってしまった。
ボクはこのことが結果的にはこの映画の深みを増すことになったと思っています。
どういう順番で見るのがいいのかなあ。公開順がいいのかも。。
(追加)だからなぎーが4だけ観たらつまらないだろうな。
>潔い
いやいやこれがまた肉体の壁は厚く、なんちゃって続発なんですよ。笑
>子供を生み、家族を作っていく
そうそう、それを通して、動物としての人間の健康な部分と
人間的な部分を学んでいくんだろうね。
ボクは、自分の周りの傷の深い人達と関わるのと自分のことで精一杯で、
自分の家族を作る余裕がない。笑
いや、その器量がないと正直思う。これは自己限定、なんだけど。
ボクはこのことによって、人と(比較的深く)関われる自由を手にしていると思ってるから。
ボクはなぎーから恩返しはもらってるよ。笑
>スギノ
ぼくはダークサイドという言葉をまさにその意味で使っていましたが、
スターウォーズを全く観たことがありません。気になる映画です。
ぼくは恋人に『あなたからも「怒り」を感じるよ。
あなたはいつも怒りを内側に向けている。』と言われたことがあります。
本人(スギノ)には怒りという自覚は全くなく、
せいぜい内省と認識していたので、はっとしました。
別れるつもりも仮面を被るつもりもありませんが…。
自分については知りつくしているつもりでしたが、
恋人を通してより深く知ることが出来たような気がしました。
ところで、たくみさん、ぼくのタイプ(1~9)を診断していただけないでしょうか。
一応3つほど候補(高得点)はありますがはっきりしません。
よろしくお願いいたします。
>Takkme
ボクはスギノさんをタイプ4だと思っています。
(追加 1ー4のラインですね)
もちろんお会いしていなのではっきりしませんが。
タイプ判断には「表情」が一番分かりやすいんです。
肉体の象徴だからでしょうね。
タイプ5のウィング(サブタイプと呼ばれます)と
タイプ3がコア(2-3-4の「感情」の仲間)という判断です。
実はボクはタイプ4は結婚に向いている場合が多いと思っています。
それは色々な理由がありますが、ながーくなるので。笑
>スギノ
ぼくも4だと思ったのですが僅差で5→6→4の順です(拒絶は5→4→6の順に低い)。
ウイングとか勉強してみます。見た目は穏やかです。
結婚した方がいい性格だとよく言われます。
またいつか教えてください。ありがとうございました。
>蓮葉
たくみくんは『初心者でも分かる哲学』を書けるひとです。
初級、中級と交えてこれで三冊の本ができます。
客に買わすのに適するのは『生活における哲学』とか
専門書としてでなく生活問題にカテゴリを絞り、
ターゲットを主婦にむれればどうでしょう。
様子をみつつターゲットを働く主婦や子供たち、リーマン向け、
専門書として読みたい人の入門編から上級編まで書いて、
淫税生活を送るには最適の分析力を持ってるとおもうけどね
>Takkme
なるほど。笑
それはいいかも。
『アラフォーのための哲学』で淫淫とした淫税生活。ニヤ笑
>ソラバチョフ
スターウォーズみたことないんだよなぁ。
確かナタリーポートマンも敵役みたいのででてるんだよね??
マチルダの時は大好きだったんだよね。
まさに傷の連鎖ですね。
きっと無傷な人になることはできないからせめて地雷のない人にはなりたいです。
自分には果てしなく不可能に近い気がしてならないけど(笑)
>Takkme
そのナタリーポートマンだよ。
ダースベーダーが恋に落ちる相手は!
そりゃ、落ちるよなあ、と思いながら観てた。笑
ナタリーポートマンが『レオン』の子役(マチルダ)以来、
最初に有名になった映画じゃないかな。
役者の良さというのは特別でてないけど。
スターウォーズの凄さは役者の良さが全然出ないところにもある。笑
物語が特別に先行するからだね。
>無傷な人になることはできない
そうそう。ボク達は宇宙(本当は<無>)の<傷>だから。
だから肉体ってのは傷そのものなわけだから。
>地雷のない人
それは凄い人だね。オレもなりたい。
>gatta nera
面白い内容だったので、じっくり読んでしまった**
誰かの願いがかなう頃
あの子が泣いているよ
っていうどこかの歌のフレーズが頭を巡った
>Takkme
どうも。CD凄く良かったです!
いつも面白いのでいつもじっくり読むように。笑
その歌はどこの歌でどのようにリンクしたのかなあ。
>Dionaeko
傷を次世代に繋いでしまった私はどうすれば・・・
傷をぶつけられるのにも、うんざりしましたが
ぶつける時は、それ以上です。
自分のシステムに心底うんざりします。
ただ、「傷」のスパイラル は、とても悲しいのに
すごくきれいにも見えるんです。(輝いて見えるって言った方がいいかな?)
時々、ああ、すごいなって思って泣きそうになります。
>Takkme
ぶつけられた傷を自分自身で止める(解放する)というのは、
並大抵の意志ではないと思うけど、少しでも出来ればなと思う。
ボクは「傷」のスパイラル を美しいと思ったことはないな。
もっと正確にいうと「スパイラル」を美しいと思ったことはない。
ただ「傷」(の表現)に感動することはある。
人(存在者)を切り刻むことを美しいと思うことはボクはないんです。
道徳的にというのでは全然なく、どうもキツい。
アキバで無差別に殺傷したあの人は確かに
あの時が人生で一番輝いていたのかもしれない。
唯一の生きている「証」だったとも思える。
あの人が結婚していれば、恐らく矛先は妻か子供だったと思うし、
そうなっていれば被害が多少小さかったのかもしれないが。
あの人があの瞬間<だけ>「輝いて」いる映画を創ったら、
結構いい映画だな、と思う。
けれど、、長くなるのでこのへんで。笑
ボクが、
輝いて見えるとしたらやはり「存在」そのものに触れる時です。
ぐる猫さんのもそういう意味なのかな。
それは説明が難しい。ぎりぎりロマンチシズムに陥らない所です。
(追加 「>輝いて見える」
そうだ、暗黒が黒光りする地点ですね。)
◉『恋愛』論1 (セックス・・・フレンド?)