2011なまず的読書<012-022>
あっと言う間に2月も終了ですね。
速すぎでしょ。
なんかヤバい、と言う根拠の無い焦りがあります。
まぁ、気を取り直して、
最近、良書に出会える率が上がってきている気がします。
ではレビュー。
012/100
下町ロケット 池井戸潤
★★★★★
最初に、企業で働く方、起業されている方、したい方、
そのような誰にでも薦められる良書だと思う。
「その特許がなければロケットは飛ばない――。
大田区の町工場が取得した最先端特許をめぐる、
中小企業vs大企業の熱い戦い!
財務、知財、特許侵害、下請けいじめ、資金難、大企業病、買収
等、様々なファクターが盛り込まれている。
このように、常に突きつけられる難局において、
「会社とは?」「仕事とは?」「生きるとは?」を問いながら
進んでいく。
モノをつくる企業の情熱と姿勢、読後のスッキリ感は格別だ。
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013/100
阪急電車 有川浩
★★★★☆
片道わずか15分のローカル線で起きる小さな物語の数々。
たまたまそこに乗り合わせた乗客の人生が少しずつ交差していく。。。
舞台が関西ってとこもポイントでしょうね。
ありえるかも、って思える。
この本を片手にローカル線に乗ってピクニックにでかけたくなる
春に似合いそうな1冊。
すぐ読めるしおすすめ。
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014/100
イギリス式 年収200万円でゆたかに暮らす 井形慶子
★★★★★
さすがにこのタイトルはちょっと言い過ぎかな。
それは無理でしょう・・・とも思うけれど、
イギリスに造詣の深い著者が、イギリスで暮らすための知恵や考え方を
イギリスの制度を詳しく交えながら語る。
<例>が多く、机上の話ではないところに好感が持てる。
何度も読み返したい良書です。
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015/100
二つの祖国<二> 山崎豊子
★★★★★
太平洋戦争下、日系二世の兄弟達は、
それぞれの志の元、別の道を歩んだ。
日本で徴兵された次男、米軍に志願し欧州戦線に向かった末弟、
米軍の語学将校となり太平洋に配属された兄。
そして、フィリピンの地で、兄弟は敵として出会った。。。
すごく重い作品。(1冊読み終えるたびに疲労感・・・)
でも、学校や教科書では教えてくれない歴史。
今知っておきたい真実。
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016/100
続・泥流地帯 三浦綾子
★★★★★
突如起こった十勝岳噴火。
その泥流に、長年かけて開拓した土地も畑も家も、
そして愛する家族さえも一瞬にして奪われた。
それでも、無駄だったことなど何も無いとまた一から泥流をのけ、
土地に命を吹き込む姿はひたすら尊い。
どんなことがあろうとも、正直に真っ直ぐ生きる主人公達。
だが、一つ不幸が訪れては去り、更に不幸が訪れる。
やりきれない思い(理不尽さ)が沸いてくるが、
この主人公の芯の強さは、一体どこからくるのか・・・
一読しただけでは捉えきれない。
今後何度も再読する作品となりそうだ。
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017/100
女の一生<2部>サチ子の場合 遠藤周作
★★★★★
太平洋戦争下の長崎。
キリスト教信者の幼なじみの男女とコルベ神父の生き方。
「人を殺すなかれ」と言うキリスト教の教えと「敵を殺せ」と言う戦争とに
矛盾を感じつつ学徒出陣により徴兵され・・・。
アウシュビッツ、特攻、原爆。
誰も相手国の人々なんて憎くないのに(それ以前に知りもしないのに)、
それでも殺さなければならないのか?
苦難の時代だった。
でも、そう遠くない時代・・・祖父母の青春時代の話でもある。
純粋で、魂を揺さぶるような、命をかけてもいいような恋愛があった。
今の幸せな時代、些細な事に文句なんて言ってないで、
真剣に生きなければならないと思った。
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018/100
ひつじが丘 三浦綾子
★★★★★
著者の三浦綾子さんは、敬虔なクリスチャンで、
この作品もキリスト教の考え方がベースになっているが、
キリスト教に触れたことのない人でも読みやすいと思う。
人間の愛、罪の重さ、業の深さを描いた作品。
30年も前に書かれたが、今もって全く古さを感じさせない。
「愛するとは、何べんも何べんもゆるすことだ」
「人はいつ、どこで、自分の人生を断ちきられても、
その断面は美しいものでありたい」
心洗われる思いがする。
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019/100
8割捨てればうまくいく! 人生を変えるガラクタ整理法 竹内清文
★★☆☆☆
人は持ち物の2割で、生活の80%をまかなっているといわれる。
つまり、持ち物の8割を捨てても、それほど生活に支障はないはず。
むしろ、使わないガラクタに囲まれている事で、人の心理に微妙な影響を
もたらし、負のイマジネーションを与える。
私の場合、物が多い空間にいると、なんだかイライラする。
自宅も片付いていない時はそうだし、
仕事をしていた頃はデスク周りが雑然としていると、集中できなかった。
本書によると、ガラクタとは、次のものたち。
①使わないもの、好きではないもの
②整理されていない乱雑なもの(私はこれにイラッとしがち)
③狭いスペースに無理やり押し込んだもの
④未完成のもの
そろそろ再び捨て捨てモードかな。
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020/100
ビジネスを育てる ポール・ホーケン
★★★☆☆
スモールビジネスを立ち上げようとする人のための指南書と言う
紹介だったが、誰が読んでも得るところがあるように思う。
一部抜粋。
良いアイデアと言うものは、初対面はもちろん、もう一度見直した時でも
たいして良くは見えないものだ。だから、あなたのビジネスアイデアが
けったいで、正気の沙汰とは思えず、よくわからないものだったとしても、
気に病む必要なんてさらさらない。
良いアイデアの加速は遅いものである。何か良いアイデアが浮かんだら、
友人に話してみるといい。「素晴らしい」と感想が返ってきたら、
きっとトラブルに見舞われるだろう。話した相手みんなが「抜群だね」と
反応したら、時すでに遅し。ほかの誰かが手をつけている。
友人がわけの分からない顔をして肩をすくめたりすれば、ヤッホー、
見込み大だ。
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021/100
k.m.p.の、ちいさなお片づけ k.m.p
★★★★☆
「片づけを楽しくする」と言う視点。
楽しくできる工夫が満載。
面倒だと思ってやってちゃ常にスッキリ片付いた空間は保てないのよね。
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022/100
この世でいちばん大事な「カネ」の話 西原理恵子
★★☆☆☆
マンガ家の西原理恵子さんが、
故郷でのどん底の貧しさから這い上がった話。
一部抜粋。
誰にでも、どこかにきっと、自分の心にしっくりくる世界が
あるんじゃないかな。もしないなら、自分でそういうものを
つくっちゃえばいいんだ!
貧しさは連鎖する。それと一緒に埋められない「さびしさ」も
連鎖していく。ループを断ち切れないまま、親と同じものを、
次の世代の子供達も背負っていく。
何かをやりはじめた時、誰もが最初にぶち当たる壁は
自分の実力を知らなきゃいけないって事だと思う。
3月はどんな本に出会えるでしょう。