英語、イタリア語、日本語の性質 | イタリアデザインの深読み 竹下彬史

イタリアデザインの深読み 竹下彬史

海外進出を目指す方々は必見です!
イタリアデザインを中心に、イタリアの文化、歴史に触れていきます。
そこから見える今日の日本のデザイン、デザインにおける日本とイタリアの関係も解説していきます。

最近、言語はその国の人柄を表すのではないかと感じており、今まで考えてきた事を書いてみようと思います。少し長いですが興味のある方は読んで見て下さい。

言語学者ではないので、間違っていることもあるかとは思いますが、こういった視点が異文化理解のヒントになるのではないかと考えます。

まずイタリアに来て思ったのは、イタリア人に問わず、ヨーロッパの人はよく話すな~と。
男性女性問わずよく話します。それに対して日本人は話さない。
言語が出来ないからというのもあるのだけど、それでもイタリア語をまだうまく喋ればないヨーロッパの人も、下手なりにイタリア語使って喋ります。英語の場合も同じ。
今まで日本人が受けてきた学校教育にも問題があるとは思いますが、最近それだけではないなと感じます。日本語の性質にも関係があるのではと思い、少しまとめてみました。

これらは一例に過ぎませんが、これらから言語の性質を見ることが出来ると思います。



ではまず、一般動詞の疑問文の作り方から、その違いを見てみていきます。(Yes/Noで答える疑問文のこと)


■ 英語 肯定文>「He plays tennis.」   / 疑問文>「Does he play tennis?」
■日本語 肯定文>「彼はテニスをします。」/ 疑問文>「彼はテニスをしますか?
■ 伊語 肯定文>「Gioca a tennis.」   / 疑問文>「Gioca a tennis?
 イタリア語の場合は最後にイントネーションを上げるだけで疑問文になります。



英語は文章の文頭から疑問文か肯定文かの判断が出来るのに対して、日本語とイタリア語は文末のイントネーションで疑問文か肯定文を判断します。


続いて否定文を見てみましょう。


■英語  肯定文>「He plays tennis.」   / 否定文「He doesn’t play tennis.」
■日本語 肯定文>「彼はテニスをします。」/ 否定文「彼はテニスをしません
■ 伊語  肯定文>「Gioca a tennis.」 / 否定文「Non gioca a tennis.」




英語は主語の次に、イタリア語は文頭、日本語は文末に否定語を置きます。


このように英語は、文頭で相手が質問しているのか、そうでないかの判断が容易な言語であり、
相手が話し終える前に意図を理解しやすい傾向があるのではと思います。さらに、テンポの早い会話が可能で、非常に会話やディスカッションをする上で都合の良い言語が英語であると思います。


それに対して、日本語の場合多くの疑問文が、相手の話の文末まで聞かないと、疑問文なのか肯定文なのか、あるいは否定文なのかの判断が難しい言語であることが分かります。もちろんネイティブの日本人はそれらを文脈から判断しますが、経験が必要です。おそらく外国人が日本語を学ぶ時の壁はこの辺りにあるのではないかと考えます。


よく「人の話は最後まで聞きなさい!」と言われますが、実は日本語という言語の性質上、最後まで聞かないと相手の言わんとすることを十分に理解出来ない、という理由がこの言葉から読み取れるように思います。

イタリア語はその中間といった所でしょうか。言語性格はどちらの性質も持ち合わせているように感じます。
ただイタリア人は良く喋ります。


イタリアに来てなかなか会話に入れなくて、なんでかな~って思っていましたが、最近やっと答えが出ました。今まで僕は「最後まで相手の話をしっかり聞く」また「話の腰を折らない」姿勢だったからです笑。

こっちでそんなサムライスピリッツを貫いていると会話についていけません。話の主題もコロコロ変わりますし、全部聞いてから質問するとか間に合いません。


以上はまだ僕の勝手な分析に過ぎませんが、同じ境遇で悩んでいる人がいたら以下のことを心がけて生活すると少し楽になるかもしれません。



「人の話は最後まで聞くな!」


「話の腰は折っても構わない!」




あまりやり過ぎると嫌われるので注意が必要ですが、喋れないうちはこれぐらいやらないと、話すタイミングがありません笑



アメリカの文化人類学者のエドワードTホール ハイコンテクストカルチャーとローコンテクストカルチャーについて触れているので、この辺りを勉強するともしかしたらより納得のいく答えが見えてくるかもしれません。これに関してはまた次回話します。



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