傾国の美女 西施 1 | 竹取物語の謎を「うら」読みで解く

竹取物語の謎を「うら」読みで解く

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『竹取物語の謎を「うら」読みで解く』 since 2013 ~ Weekly KAGUYA

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かぐや姫は、5人の求婚者を不幸にした上に、帝までを虜にして後宮を乱しました。中国の史書にも、君主を夢中にさせて政務が疎かになり、国を傾ける「傾国の美女」が登場します。このブログでは、唐の楊貴妃、漢の李夫人、殷の妲己(ダッキ)を紹介してきましたが、さらに、呉の西施(セイシ)を取り上げます。

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妲己に溺れた紂王は、殷王朝の最後の王となってしまいました。

一方、呉の傾国として有名なのが、西施(セイシ)です。

呉王・夫差(フサ)と越王・句践(コウセン)の争いに登場します。

 

現代の上海(シャンハイ)のあたりが、春秋時代の呉(ゴ)の国です。

越(エツ)はそのさらに南。

隣国同士、争っていました。紀元前500年ころのことです。

 

越の王、句践(コウセン)の軍は、呉を破り、呉王はそのときの傷がもとで亡くなりました。

臨終にあたって、呉王は太子の夫差(フサ)を立てて王とし、いいました。

「なんじは、句践が父を殺したことを忘れるか」

夫差は答えました。

「どうして忘れましょう。三年以内に、きっと越王に復讐します」

 

夫差は、して寝て、復讐を忘れませんでした。

軍を訓練して二年後に越を攻め、勝利をおさめます。

越王句践は会稽(カイケイ)山に籠って和平を求めました。

夫差は、諫める家来のいうことを容れずに、越王に和睦を許しました。

 

句践は三年間、呉で奴隷として働きました。

帰国すると、我が身を苦しめて復讐を思い出し、

苦いめて「会稽の恥を忘れるか」と言っていました。

自ら耕作し、人民と苦労をともにして、国力を増強します。

 

 

 

越王句践は賢臣を求め、呉を滅ぼす方策を献策させました。

そのなかの一つが、

 

美女を贈って、夫差の頭と計略をかき乱す」

 

という計です。

句践は、ただちに実行に移すように命じ、国中で美女が探されました。

(続きます)…

 

…画像:Pixabay様よりロイヤリティーフリーの写真をお借りしました…

 

 

 

 

臥薪嘗胆(ガシンショウタン)という四字熟語のもとになった故事です。

負け戦の恨みを忘れずに、苦労に耐えることですね。

この有名な呉越の争いに、美女が登場してくるわけですが… 

 

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☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆  次回  ☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚* ☆

 

探し出した絶世の美女。


参考文献:
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

 野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。

 大野晋、他(編)『岩波古語辞典』岩波書店、1974年。

 戸川芳郎(監修)佐藤進・濱口富士雄(編者)『全訳 漢辞海 第三版』三省堂、2011年。

 小竹文夫、他(訳)『史記3世家 上』ちくま学芸文庫、1995年。

 袁珂『中国の神話伝説 下』青土社、1993年。 

 

 
イラスト:あおい

字*:リンクあり
                   
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