月を見て嘆くかぐや姫 6 | 竹取物語の謎を「うら」読みで解く

竹取物語の謎を「うら」読みで解く

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かぐや姫が月を見て嘆いた七月十五日は、お盆。

盂蘭盆は、釈迦の筆頭弟子である目蓮が、亡き親の苦しみを見て嘆いた故事に由来します。

 

また目蓮には、竹林に通じるところがありました。

竹林* については、「弟媛」で紹介したように、「皇族」という意味があります。

 

そして、宮中では、天皇が盂蘭盆の拝礼を行なって祖霊の供養を行なう習慣になっていました。

かぐや姫も天皇を思わせる振る舞いをしています。

 

…画像:T-Photo Share様より無料の写真をお借りしました…

 

これらより、かぐや姫が七月十五日に月を見て嘆いてる姿は、皇族の祖霊に思いを馳せていることが示唆されかぐや姫が皇室に連なる可能性を表している と言えましょう。

竹取物語では、帝の求婚を境に、かぐや姫を 天皇に匹敵する存在* として扱うようになっていると考えられましたが、この場面もその一つだと思います。

しかも…。

 

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季節外れですが、もう少しお盆からの連想を。


参考文献:
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

 野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。

 大野晋、他(編)『岩波古語辞典』岩波書店、1974年。

 戸川芳郎(監修)佐藤進・濱口富士雄(編者)『全訳 漢辞海 第三版』三省堂、2011年。

 山中裕『平安朝の年中行事』塙書房、1972年。

 
イラスト:あおい

*:リンクあり
                   
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