5人の貴公子の求婚話は記紀神話の…2 | 竹取物語の謎を「うら」読みで解く

竹取物語の謎を「うら」読みで解く

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縷々として語ってきたとおり、竹取物語の5人の貴公子の求婚話は、記紀神話の国譲りに対応すると考えられました。
では、貴公子たちは国譲りの神々と関係しているのでしょうか。
話の対応と同じなら、次のようになるはずです。

竹取物語-記紀神話国譲り:
いしつくりのみこ(石作皇子、多治島)-アメノホヒ(記:天菩
くらもちのみこ(庫持皇、藤原不比等)-アメノワカヒコ(記:天若日
右大臣阿倍みうし(御人)-コトシロヌシ(記:事代) 
大納言大伴行-タケミナカタ(記:建名方) 
中納言石上まろたり(麿足)-オホクニヌシ(記:大国主) 


共通の字が見えますね。比、主、御…。一対一対応しているのかは断定できませんが、なんとなく竹取の名には国譲りを意識している字が使われているような気もしてきます。

はっきりと言えるのは、求婚話の前2つの主役が皇子で後3つは臣下であるのに対し、国譲りの前2つの話の神2柱は高天原から派遣された神、後3柱は地祇であることです。構成が対応しています。

5人の貴公子と5柱の神々が直接対応しているかは判断を保留しますが、やはり求婚話は国譲りを意識しているとは言えましょう。


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国譲りとの関係、続きます。


参考文献:
 小嶋憲之他(校注・訳)『日本書紀 新編日本古典文学全集』小学館、1994年。
 武田祐吉(訳注)中村啓信(補訂解説)
 『新訂 古事記 付 現代語訳・語句索引・歌謡各句索引』角川ソフィア文庫、1977年。
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

イラスト:あおい

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