9:30>トゲサブロウの運転で札幌に向かう。

秋晴れ。辺り一面紅葉の中を走る。

トゲサブロウも私も故郷の紅葉を見るのは本当に久しぶりのこと。中山峠道の駅で、一旦車を降り、羊蹄山を背景に写メを撮った。


11:08>恵佑会病院到着

トゲジロウの病室に入ると、すぐさま呼び出しがかかった。

9月16日に、田口先生から「ガン告知」と「治療方針」を正式に受けた、あの個室に向かった。


先生と簡単な挨拶を交わすと、パソコン上に、トゲジロウの胃カメラ写真が映し出された。

そこから始まる中間報告の内容は、この場に居ない両親とトゲジロウ本人の為に、私がメモ書きし、レポートにまとめた。以下↓は、その全文である。


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場所:恵佑会札幌病院
主治医:田口大先生
患者:トゲジロウ

RE:食道がん標準治療(FP治療)中間報告
日時:平成21年10月24日(土) 午前11:30


<効果判定>

現在はPRと判断できる。

①CR(Complete Response)完全寛解 ⇒すべての病変の100%縮小(消失)が4週間以上持続。
②PR(Partial Response)部分寛解 ⇒病変の50%以上の縮小。
③SD(Stable Disease)不変 ⇒病変の縮小率が30%未満、または20%以内の増加で、
二次的病変が増悪せず、かつ新病変の出現のない状態。
④PD(Progressive Disease)進行・増悪 ⇒最も縮小した時点から、25%以上の増大または、新病巣の出現。

食道を塞いでいた主要部分が大幅に縮小したことで、食事が出来るようになるまで回復。
胃カメラ映像を見た(トゲタロウの)感じでは90%縮小。

ただし、まだ一部凸部分があり、この中にはまだガンが潜んでいると判断。

第2クールでCRを目指す。


<食道治癒状態>
今後、更に治療を進める中で、腫瘍が存在していた部分が「線維化」や「狭窄」の症状がでて、食道内部が狭くなる可能性がある。このような場合は、「ブジー」と呼ばれる器具をつかって、食道の拡張を試みる。
ブジー拡張治療は「これが結構きついですよ」との田口先生談。


<今後の治療方針>
FP治療第2クールを10月26日(月)よりスタート。
①放射線照射 ⇒ 10/26(月)から3週間 
(したがって、X線照射量は許容範囲MAXまでやることになる)

②抗がん剤(5FU+シスプラチン)投与 ⇒ 11月中旬、X線照射の最終週からスタート


トゲタ: なぜ抗がん剤投与が遅れるのか?
先生: 骨髄抑制からの回復が遅いから。白血球、血小板の数値は回復したが、ヘモグロビン=赤血球の数値が依然として低めで貧血などが起きやすい状況が続いている。
これらの数値の回復スピードを勘案すると11月中旬からの抗がん剤投与が望ましい。それ以上早めると二朗の身体がもたない。
トゲタ: 血小板などは輸血で回復させられる
先生: 基本的に危険レベルの5,000以下にならない限り輸血はしない方針。理由は、輸血によってHIV,B型肝炎、C型肝炎などの感染可能性がゼロではないため、余計なリスクは負わせたくない。


<FP治療第2クール開始による副作用>
先ずは、放射線照射のみスタートとなるので、放射性食道炎が最も考えられる症状。
現在も既に喉に強い痛みがあり、熱も出ている。これは薬を増やすなどして抑え込む。


<今後の効果判定検査>
①内視鏡検査 ――― 見た目の判定
②CT検査 ――― リンパ節転移の判定
③PET検査 ――― 一番制度が高い 
PET検査の短所=5ミリ刻みのためその間にあるガンは発見できない
精度が高すぎるためにガンだけではなく炎症などの症状も
ガンと同じく映ってしまう。


PET検査については、今回のFP治療第2クール終了後の1ヵ月後に行うのが一般的。
経過が良ければ第2クール終了時点で退院となる。


再発や根治に至らなかった場合(セカンドステージ)に恵佑会病院がとる方針
①手術 ただしこれは非常に難しい手術になり、予後も高いわけではない。
②抗がん剤 タキソール(TRF)を5FU+シスプラチンに追加


<免疫治療について>
田口先生に対して活性化NK細胞の併用治療を検討してほしいと依頼。
院長先生を含め治療チームとの話し合いが必要とのことなので、一旦ペンディング。
後ほどトゲジロウと話しあってもらうことにした。


以上
トゲタロウ