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感動は冷めないうちに書き伝えなければ・・・
ということで、昨日は
勝浦郡上勝町に行ってきました。
いま上勝町を最も元気にさせている企業『株式会社いろどり』の取締役のお話を聴きに行ってきたのです。
とはいっても、
徳島県民でさえ『いろどり』という会社名は、
あまり聞いたことがないかもしれませんね。
しかし、今全国的どころか全世界的にも注目されている企業で、
ビジネス誌や日経新聞などではバンバン紹介されている注目企業なんです。
なにがすごいって、
ここが売っている商品は、葉っぱとか木の枝である。
それも
すごい珍しい葉っぱとか、コレステロールが減る木の枝とかじゃないよ。
野山に生えている
ごくフツーの葉っぱとか木の枝なんですわ。
んで、それを全国に売って、
売上2億5000万!!
いや、もっと特筆すべきは・・・
それを売っているほとんどのスタッフが、
平均年齢67歳のおばあちゃん
ばかりなのです!
つまりこういういこと。
日本料理屋や料亭に行くと、刺身や天ぷらのお皿の横に、
モミジやナンテンなどが飾られてますよね。
あれを「つまもの」と呼ぶのだけど、銀座や京都の料亭では安定した供給がなされてないのだとか。
今では自然も少なくなって都会では簡単に採れないし、若い料理人などはどこに何が生えているのかわからないのが現状らしい。
そこで、今日お会いした『いろどり』の仕掛け人である取締役は、
上勝ではフツーにいっぱい生えている枝や
なんぼでも広い放題の落ち葉などを、ちゃんとしたシステムで収集し、
販売チャンネルを確保し、全国相手に流通しちゃったのだ。
で、誰に葉っぱを集めてもらおーかと思ったときに、
地元のおばあちゃんたちに頑張ってもらおう!!
と思ったんだって。
そしてみなさん驚かんといてよ・・・・・
このおばあちゃんたち、
毎月の平均収入が
60~70万円くらいあるんやと!
ちなみに、2004年12月の最高額稼いだばあちゃん(60歳)の月収は、
月205万円
なんやって!!
ワシ、ボロ負けや・・・・・・
この日、見学させていただいた写真のおばあちゃんは、
ちょうど季節のナンテンとか、つぼみが息吹き始めた梅の枝とかを
誰にも手伝ってもらわず、ホント丁寧な手作業でパック詰めしていました。
この日の梅は1パック200~300円で市場で売られるらしいです。
もちろん、原価はほぼゼロっす。
ちなみにこのおばあちゃんの先月の月収を見せてもらいました。
詳しくは書けませんが、普通のサラリーマンの3倍はありました。
このおばあちゃん
今年で80歳ですよ!!
おばあちゃんはホント充実した顔つきでこうおっしゃってました。
「ほなけど、全体の順位でいうたらまだ17位なんよ・・・。くやしいわぁ。来月はもっとがんばらなアカンわ!」
いや~。驚いたというよりも、負けました。。。。。。。
そしてつくづく、この『いろどり』の仕掛け人である取締役の凄さを思い知らされました。
取締役がこの「葉っぱを売る」事業をひらめいたのは、
大阪の寿司屋さんでのことだった。
寿司を食いながらお客さんを眺めていると、
若い女性客が、お皿に飾られた葉っぱを見て「きゃーキレイ~」と感動して、ハンカチに包んで持って帰ろうとしていた。
それを見た取締役・・・・・
「うちの田舎の上勝だったら、あんな葉っぱ売るほど落ちてるのになぁ。最近の都会では葉っぱすら珍しいのか・・・・・てゆーか」
これ商売としてイケルやん!!
そして取締役は続ける・・・
「それまでは上勝という山間部の小さな町に、だれも誇りを持ってくれてなかったんです。都会の下請けをさせられているという意識や都会コンプレックスが入り交じって、自分の町をよく思えない・・・。こういう意識を変えたいと思ってたんです。そこでこの“葉っぱを集めて都会に売る”というこをと成功させたら、自信をもってもらえるのではないか。なにより、葉っぱはわれわれが持っている有効な資源ではないか!!」
僕は思った。
このビジネスモデルを思いついた人は、全国にも何千人といるだろう。
しかし、取締役のように
行動に移して実践した人は、全国いや全世界でもこの人たった一人である。
この前も日記に書いたけど、
0 から 1 にした・・・・いや
0 から 100にも 1000にもした
ベンチャー魂の塊のような人だ。
最初はこのアイデア
誰に話しても笑われたんだって。
「もしそれが出来るのなら、すでに誰かがやっとるわ!!」
「そんな葉っぱでお金儲けなんてできるわけがないわ!!」
そんな声を押し切って、事を為し遂げたような方が、ワイヤーのことを知っていて、かなり期待をしてくれていると知り、気が引き締まる思いがした。
ここ『いろどり』ではインターネットは欠かせないアイテムだ。
ばあちゃんたちがパソコンを使いこなして、今日の出荷状況や、明日収集すべき植物の情報、そして、今後の経営方針などを情報交換しあっているんです。
パソコン画面には、常に大きな文字テキストを出したり、
マウスも使いやすい特注の“トラックボール型”だったり、
おばあちゃんが使いやすいようにカスタマイズされたパソコン。
この取締役、ほんますごいわ。
徳島のあらゆる市町村で、いや、徳島というより全国各地のいたるところで、
町おこし・村おこし
と称されるお祭りやイベントや企画が目白押しである。
しかし、
どうも“一発ドカーンと花火を上げてハイおしまい”的な事業が多いように感じる。
つまり、“は~い、明日から●●●祭りというのを開催しま~す! みんな来てね~。その日だけうちの町の人口がちょっとだけ増えて、次の日から何もなかったかのようにフツーの町に戻りま~す”的な刹那イベント。
そして、町づくりの合い言葉のように使われている“ボランティア”という言葉。
無償での取り組みもいいが、
継続のことを考えると、ちゃんと経済の潤うシステムが必須である。
でないと、いつか誰かがソンをして、結局はどんなイベントも続かない。
今日、
上勝のおばあちゃんの生きがいたっぷりの顔つきと、
「私もまだまだ働けるんじゃ!」という前向きなスピリットを見ていると、
真の町おこしは住民の生きがいであり、
真の高齢化社会への対応は、
老人福祉施設を建てまくったり、今だけ年金を配りまくったりする前に、
寝たきりになどなってるヒマなんてないくらい楽しくて充実した生活の提供なんだな~と実感。
実際に人口2200人高齢者率44%の典型的な高齢地域である
上勝町では、寝たきりのご老人はほんの数人(それも超高齢)だとか。
この日、おばあちゃんは笑いながら言いました。
「ゲートボールやしよる場合でないわ。来月はもっと稼がなな~! 私やが採ってきた葉っぱが京都の料亭で使われよると思たら嬉しいでぇなぁ」
もっぺんいいます。彼女は80歳です。
パソコンの他にも、FAXとドコモのケータイを駆使しています。
注文が入ったらまずはケータイで連絡するためです。
上勝にはこういう世帯が140ほどあるんです。
合併なんてせんでも財政は楽勝らしいです。
だってこのおばあちゃんたち・・・・・
年金もらうどころか、
80歳になっても税金納めてるんですから!!!
なにより、この『いろどり』のシステムは関わるすべての人が幸せである。
★おばあちゃん・・・生きがいがもてて幸せ。そのうえお小遣いもゲット
★家族・・・・・・・おばあちゃんが寝込んで介護するどころか、今だにおばあちゃんからお小遣いもらるくらい
★町・・・・・・・・高齢化を迎えても税金たっぷりゲット、あとみんなが家の周りに樹木を植えだし、町全体が植樹が進んで環境もよくなった
★顧客(料亭)・・・常に新鮮な葉っぱを安定供給されてハッピー
WIN-WINの関係どころか・・・
WIN-WIN-WIN-WIN
である。
まとめ・・・
●常にアンテナを張る・・・寿司屋での気づき
●気づいたら即実行・・・“評論家”じゃなくて“実行家”へ
●使いやすいシステムづくり・・・おばあちゃんでも楽チン
●本当の町の活性化・・・関わるすべての人がハッピー
どんな有名人の講演会やセミナーよりも勉強になりました。
そんな企業が徳島にあったことを誇りに思います。
若い世代が寝込んでるヒマなどありません!!