フォトグラフス―ロバート・キャパ写真集フォトグラフス―ロバート・キャパ写真集
(1988/06)
ロバート キャパ

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戦場カメラマンとして有名なロバート・キャパの写真集。 

敵味方関係なく、その写真に写されているのは人間である。彼らの姿を見ていると、何十世紀も前から人間はあまり変わっていないのだと思い知らされる。

第二次世界大戦からベトナム戦争まで、キャパがとった写真の一枚一枚には見る人に投げかけるメッセージがある。 彼がベトナム戦争撮影時に亡くなったと知って、とてもショックだった。

個人的にはノルマンディー上陸作戦の写真が見れたので、満足でした。というかどうやって撮ったンだろう(笑)

地球家族―世界30か国のふつうの暮らし地球家族―世界30か国のふつうの暮らし
(1994/11/10)
マテリアルワールドプロジェクトピーター・メンツェル

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日本からブラジルまで世界30カ国の家族の暮らしを解説した本。

各家族の紹介にまず見開きで写真が載っているのだが、その構図が面白い。

家にあるものを全部外に出して、一枚の写真に収まるようにするのだ。 どうやって出したんだ?なんてものもある。 

その脇には財産というか持ち物の紹介が載っているのだが、犬や馬などのペットも物として数えられているのには残念だった。 

またもう3ページぐらい家族の写真を増やしてもいいかなと思えた。

それでも十分に面白い本です。見開きのページはほんとびっくりしますよ。 


Little People―榎並悦子写真集Little People―榎並悦子写真集
(2005/06)
榎並 悦子

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いわゆる小人症の人びとを撮影した写真集。 

僕もまだまだ色んな先入観に満ちているせいか、小人症の人たちを見ていると、不思議な気分になった。 

まるでそれは人間という生命の神秘をまじまじと眺めているようだった。まるで彼らが遠い世界の住人のように思えた。

しかし本当はそうではないのだ。彼らは僕らと何も違っていない。何も違っていないのだ。 

なぜだか人間の愛しさを思い出しました。


名著で学ぶ戦争論(日経ビジネス人文庫)名著で学ぶ戦争論(日経ビジネス人文庫)
(2009/06/02)
石津 朋之

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戦争とはいったい何なのか?世界的名著を用いてそれを紐解いていく。

もし自分が戦争について何か論文を書くのであれば、これほどに役立つ本は無いと思えた。

例えばそれは超古典的なヘロトドスの『歴史』からケナンの『アメリカ外交20年』までを広くカバーしている。 

戦争とは政治的な道具である。戦争とは無血とはかけ離れている。

戦争についての違った論理を味わうことで、自分なりの戦争についての考えを持てるのではないか。

歴史好きな人にもお薦めです。

知と愛 (新潮文庫)知と愛 (新潮文庫)
(1959/06)
ヘッセ

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対照的な2人の青年、ナルチスとゴルトムントはどういった人生を歩いていくのか。 

世界的作家、ヘッセの傑作のひとつです。愛に生きるナルチスと、ひたすら自身の智恵を磨くゴルトムント。 

2人の姿を追いながら、ヘッセは自身の美術観、倫理観を紐解いてきます。 

そのため読者は単純な物語を抽象化し、ひとつのヘッセの哲学をそこに垣間見るのではないでしょうか。 

美術を志す人はこれを読んだら、すこしだけ価値観が変わるのではないでしょうか。

少し長いですが、紛れもない傑作です。

根気を持って読んでください。 


 





このブログのタイトル「新しく光れ」はサンボマスターの5枚目のアルバム、君のために強くなりたいの最後の曲から引用しました。


ダイナミックなギターの演奏から曲が始まります。心の中の何かをかきたてられるようです。


『このまま消えてもかまわないなんて、そんなことはもっとズルくなってからいえよ』


僕は君がとても誠実な心を持った人だとわかっています。このまま消えてもかまわない。辛い世界に対して心がくじけてしまった。そんな言葉は君には似合わないと歌うのです。


『君が泣いてるのに、僕は何も出来なかった。心の中じゃこんなに君を守りたいのに』


でも君がそうやって辛い世界の中にたたずむ時、僕は何も出来なかったのです。確かに心の中では君を苦しめることから守りたいと思っている。でもそれをうまく言葉や行動にすることが出来ないのです。 


『聞こえるかい? 心臓の音、それが命だよ。君の居場所をずっと探しつづけてる君だけの音』


うまく君を守れない僕は、君に気づいてほしいのです。君は生きていること。そして君が世界に一人だけしかいない大切な人であること。 


『忘れないでくれ愛してること。僕は嘘などついてないよ。君の涙飲みほしたら、わかってくれるかい?』

僕は知ってほしいんです。君を愛していること。うまく伝えられないけど、君を守りたいこと。


『美しく光れあなたの全て。こんなヤミの世の中だって、君のこと愛したいんだよ。わかってくれるかい?僕は君と夢を見たいんだ』

辛い世界が君を苦しめている。でも僕はそんな世界の中で君はもっと君らしくあってほしい、君を愛したい、君と歩いていきたいと願います。


AメロBメロの後に間奏があり、そして僕はまた君に語りかけます。


『僕は乾いた心の者、その一人なのに。君の前ではカッコつけて、神父様みたいにふるまってる』

『ジリジリと呼び鈴が鳴って僕は呼び出されて、ウソの名前を付けられて今じゃそれを大切にしてる』


僕は自分のことを弱いものだと分かっています。世界にどうしようない気持ちを感じています。役割を演じなければ生きれないことも知っています。僕は君を救ってあげたい、でもそれを素直に表現出来ないのです。


『乾ききった君と僕で旅に出ようよ。そして小さなことだけを見るんだ、二人で、分かち合うんだよ』

でも僕はここで決意します。君と一緒に新しい世界に行こうと。君を大切に想う気持ちを、君を守りたいという気持ちを素直に言える世界へと。そして小さな幸せを出来るだけいっぱい集めようと。


そして前に歌ったフレーズを繰り返します。しかしここでは前半の響き方とは違っています。

『忘れないでくれ愛してること。僕はどこにも行かないよ。君の涙飲みほしたら、信じてくれるかい?』

『美しく光れあなたの全て。こんなヤミの世の中だって、君のこと愛したいんだよ。わかってくれるかい?』

『僕は君と夢を見たいんだ』


僕は弱い人間です。世界に対して何度も心が折れそうになる。でもたったひとつだけ、譲れないことがあるのです。

それはとてもシンプルで、とても簡単で、とても難しいこと。 


僕はこの曲を聴いていていつも思います。またその言葉が持つ力を信じて、このブログのタイトルにしました。


新しく光れ、そして僕は君のために強くなりたい。 


僕のブログのタイトルであり、そして僕の人生のテーマです。





オールド・ボーイ (角川ホラー文庫)オールド・ボーイ (角川ホラー文庫)
(2004/09)
大石 圭

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なぜ男は15年間も監禁されなければいけなかったのか。映画化され、世界的な知名度を得た作品。 

もし自分が15年間も缶詰にされたら発狂しますね。いくら本や音楽やテレビがあっても、やっぱり友達がいないと無理です。

主人公の周りに張り巡らされた伏線にも注目です。いったい犯人の目的は何なのか?

個人的にはいくつかカットされてるところもあるので、映画版よりは原作推しです。 

ハンマーって強いですね(笑)



リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)
(2004/04)
山田 悠介

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一時期ちょっとした社会現象を巻き起こした山田悠介の処女作。全国の佐藤さんを対象とした壮絶な鬼ごっこを描きます。

本屋さんにたくさん積まれていた当時は、その文章力がものすごい批判を受けました。

それでもたくさんの人、特に中高生に読まれた理由は、そのストーリーの斬新さにあるのではないでしょうか。 

僕は佐藤という名字ではありませんが、読んでいるうちに僕も佐藤さんになった気分で鬼から逃げてました(笑)

電車のなかでちょっとした時間に読むのがちょうどいいのではないでしょうか。

映画化もされてるので、ぜひ見てください。

博士の愛した数式 (新潮文庫)博士の愛した数式 (新潮文庫)
(2005/11/26)
小川 洋子

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80分しか記憶がもたない博士と家政婦である私、そして息子の心の交流を描く。 

本当によく数学が丁寧に作品に違和感なく織り込まれているなあと思った。

これを読んでもう一度数学を勉強してみようという人もいるのではないか。

小川洋子さんの卓越した言葉の選択にも注目。 

全編に優しさがあふれている作品でした。 



魔王 (講談社文庫)魔王 (講談社文庫)
(2008/09/12)
伊坂 幸太郎

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確か映画化が決定した伊坂幸太郎の作品。巨大な悪に立ち向かう2人の兄弟の姿を描く。

やっぱりこういうSFものが面白い理由ってどれだけリアリティを持たせるかだと思う。

伊坂幸太郎は出来るだけ日本を現実的に描くことによって、2人の兄弟の姿をより際立たせている。

お約束のところどころにちりばめられた伏線とその回収にも注目です。

もしかしたら続編が出るかもしれない。それに期待です。