火曜から始まった6泊7日の出張は、
東京→讃岐→博多→五島(有川)→博多→東京のコースで、
初日を除いたら、あとはずっと雨。

これまではわりと晴れ男の傾向が強かったんだけど、
今年から「雨男」を襲名か?



讃岐、博多、五島へ何を求めて行ったのかは、
食と歴史に造詣の深い人ならわかかもだけど、
それはまたおいおい。


で、香川県には何度か行ったことあるんだけど、
高松を訪れるのは実は今回が初めて。


ビギナーが感じた印象は、
「歩いても歩いてもアーケード街」。

縦横無尽にアーケードの商店街が続いてて、
最初の内こそワクワクしたけど、間もなく飽きた。


それぞれの道幅がかなり広く、
そこを自転車が勝手に走ってるもんだから、
しまいにはムカつく始末。


そういや、楽天トラベルで、
安さを決め手に選んだホテルも大失敗だった。


 ――高松は不快。


しかし、晩飯を食いに行かなきゃいけないから、
勘だけを頼りに再び街に出た。


ホテルから近い「ライオン通り」を、
いろんな店をチェックしながら歩き進む。

いろんな業種の店が渾然一体としている様は、
地方都市そのもの。

極端なたとえで言うと、
おもちゃ屋の隣にキャバクラがあるような……。


そんな中で、一軒の落ち着いた店を見つけ、
表にあったメニューにひかれて入った。


扉を開けたら、カウンター中心のつくり。

ほかに客はいない。

 ――失敗したかな。


カウンターの中には主人らしきオヤジさんと、
笑顔がいい、奥さんらしき女性。

最初の応対のよさに、少し不安は薄らいだ。

まずはビールとお通し。

魚が何かわからなかったんだけど、
白身の煮付けは、かなりハイテクニック。


冷やし焼き茄子。
近頃はアツアツで出されることが多いけど、
オレはよく冷やしたものにだしをかけたのが好き。
そういう意味で、これは当意即妙(?)。


ここでようやく不安一掃。


お次は、お造り盛り合わせ。

ヨコワをはじめ、タコやカンパチなど、
瀬戸内産魚介類の質の高さがわかった。


生トリ貝の三杯酢。
こいつには唸らされた。


アジの南蛮漬けとしめ鯖は、ありきたりのメニューなんだけど、
素材のよさと腕のよさが相まって、上出来!


野菜サラダは、トッピングがアミの素揚げ。
香ばしさが加わって、いいアイディア。


香川の家庭の味「しょうゆ豆」。
お多福豆を甘辛く煮たものなんだけど、
やわらかくなる手前ぐらいの食感と、
しつこくない味付けが絶妙で、
つい、おかわりしてしまった。


いかなごかき揚げ。
これまでは、小さいいかなごの、
「くぎ煮」しか知らなかったんだけど、
少し大きくなったら、当地ではこうやって食うらしい。
サクサクしたところを食ってると、そのうち、
わたのほろ苦さがいいアクセントになる。
これまた、上々の二乗。

ビールのあと、芋焼酎を飲んでたんだけど、
やっぱ地元のものを飲まにゃイカンということで、
讃岐の米焼酎「ゆるび」にかえてみた。

うん、これはこれで悪くない。

シメをどうしようかと悩んだ末、
めばるの煮つけとご飯と味噌汁にすることに。

しかし、あいにくめばるを切らしてるとかで、
「かんぱちのかまを煮付けにしてやろか」とご主人。

まさか「否」のあろうことか。

しばらくたって出てきたのは、

ひとめ見て新鮮とわかるかまの煮付け。
味付けもさることながら、
目ん玉周りの美味さったら!!

残念ながら、オレはかなり満腹で、
飯まではたどり着けなかったけど、
煮付け&米焼酎の組み合わせを楽しんだ。


オレたちが入ってほどなくして客席も埋まりはじめ、
折を見てお店の人に料理のことを聞いてみると、
ご主人は魚の目利きでアドバイスも的確。
奥さんは笑顔を絶やさず、接客はテキパキ。
また、おふたりとも初めてなのに距離を置かない感じで、
かといって饒舌でなく、非常に心地よかった。


最近、勘が冴えてきたな……。


あ、前言撤回しないと。

 ――高松は深い。


で、こちらのお店の名は「さらさ」。
機会があったらまたうかがってみたい。


で、お店のデータをこちら で発見。