いつか空をゆく日まで

作詞 青山紳一郎
作曲 武井浩之(hiro-P)


お風呂から出て2階に上がって
寝ようとしたら部屋に
知らない女の人がいた
驚いてキゼツしたんだけど
ゆっくりゆっくり倒れて
その声が頭に飛び込んで

「地球」とか
「破滅」とか
「船」とか
「希望」とか
「別の惑星」とか
気づいたらもう朝で
夢にしてはハッキリしてて

彼にはすぐ打ち明けたの
秘密は作らない約束だから

「世界中がもしも壊れて
粉々に砕けて消えたら
星のかけらをビート板にして
並んで宇宙を泳いで行こう」

話してるうちにだんだん楽しくなって
ゆうべのは全部
夢だということに決めた


部活のあとコンビニでパン買って
レジの人の顔見たら
まさかの あの女の人で
怖くて自転車こぎまくって
ベッドに潜り込んだの
でも声が頭に飛び込んで

「チケットあげる」とか
「1枚しかない」とか
「彼に渡して」とか
レジ袋のぞいたら
パンの横でそれが光った

我慢できず飛び出したの
電話じゃなくて今すぐ会いたくて

「世界中がいつか壊れて
船で逃げ出すしかなくても
ふたりじゃなくて自分だけなんて
そんなの全然乗りたくない」

心配いらないよって微笑んだ彼が
これから一緒に
コンビニへ行こうと言った


その人は彼から チケット返されて
泣きそうな顔して消えた
その瞬間
彼女の記憶が
私の中に流れ込んだ

亡くなる前の彼の笑顔
握りしめた冷たい右手
いくら泣いても止まらない涙
ひとりで生き続けた毎日

世界が本当に壊れて
空いちめんに流れる船
静かに目を閉じ祈る人たち
チケットを奪い合う人たち

そこで途切れて もう見えなくなったけど
どんなに悲しい未来が来ても
最後の時まで
彼のそばにいると決めた

あれは時を超えて来た
私