第2図書係補佐 | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

本が好きな人と話していると

うれしい気分になることが多い。


できれば

本は読むけど

あんまり分析的でなく

素直に楽しんでいる人の方が

なおうれしい。


本に詳しすぎる人だとちょっとひいちゃう

微妙なお年頃なのだ。


ピースの又吉直樹さんが書いた

この本は

そんなぼくのわがままな好みにもフィットした

とてもうれしいものだった。


47冊の本を紹介しているのだが

書評や感想というよりも

本を読んで思い出したことや

わいてきたインスピレーションなどを

綴ったエッセイのような体裁だ。


とりあげられている本のことは

それぞれのエッセイの終わりの方に

ちょこっと書いてあるだけ。


それなのに

どの本も読みたくなってくるんだよなあ。


喩えるならば

大喜利みたいな感じ。


こういう書き方は新鮮だった。


何の関係もないような文章がつらつらと書かれ

最後にその本の紹介で落とす。


それが実に巧み。


巧みというより誠実。


本当に又吉さんは本が好きなんだなあ

というのが文面からひしひしと伝わってくる。


ともだちみたいで親しみがわいてくる。


ぼくが読んだことがある作品でも

なるほどそうくるか

って感じでほくそ笑んだ。


文面も少し切なくて怪しくて笑えてくる

ユーモアたっぷりの内容。


村上春樹さんの

世界の終わりとハードボイルドワンダーランド

の項なんて

ほんまかいな

ってくらい笑えた。


エンターテインメント作品よりも

文学作品が多い。


紹介されている本のなかで

ぼくが読んだことがあるのは

夫婦善哉(織田作之助さん)

告白(町田康さん)

山月記(中島敦さん)

コインロッカー・ベイビーズ(村上龍さん)

変身(カフカさん)

異邦人(カミュさん)

の6冊。


巻末の

又吉直樹さんと中村文則さんの対談も

本好きを讃えてくれていて

うれしい。


もっとほかの作品の紹介も読んでみたいと思った。


続刊希望。





-第2図書係補佐-

又吉直樹