中沢新一さんの
日本の大転換
が読みたくて
初めて購入した
すばる 6月号。
軽い物語が読みたいな
と思っていたら
巻頭に掲載されていたのが
この作品です。
学校にあまり馴染めない
主人公の女子大学生が
ゼミ生全員参加の
水族館ツアーに参加するところから
物語が始まります。
案の定
居場所がありませんが
そんななか
ふと出会った同級生男子に
心惹かれます。
その男子大学生の下宿は
夜な夜な友人とか友人の友人とか
いろんな人が訪れてきます。
たまり場みたいな感じですね。
前半はなんだかふわふわした
不思議な感じで
こういう不思議な魅力の物語は
ぼくは結構好きなのですが
途中からどんどん
おかしな雲行きになっていきます。
そして結末のカタストロフ。
嫌いじゃないけど
軽くはなかったです。
心地いい居場所なんて
求めちゃだめですよね。
登場人物のほぼ全員が
結局どこかエゴイスティックだった
ということでしょうか。
相手を見つめる視線が
自分が見つめられる視線になり
相手の視線で考えているつもりが
自分の視線に過ぎなかったり
そういった視線の表現に
ちょっとビビっときましたよ。
ところで
こういうのが後に単行本になったときに
初出 すばる 2011年6月号
とか巻末に載るんですよね。
初めての現場に立ち会ったみたいで
ちょっと得した気分です。
-群魚のすみか-
米田夕歌里