お店が気にする「消化率」の話
新品ゲームソフトの商売は小売店にとって非常に難しいという話の続きです。
過去エントリー:定番商品の必要性
以前のエントリーで述べたように、小売店は仕入れたゲームソフトが在庫になって値下げして売るしかない状況になると沢山売れたとしても利益が出ないのです。
そして自分のお店だけでなく、他店舗の在庫状況も実は気にしなければいけません。
仮に他店舗で在庫が多い状態であれば、自分の店舗が値下げしなくても値下げせざるを得なくなるからです。
一般の人はあまり知らないと思いますが、業者、業界向けのランキングの情報には「消化率」という項目があります。これは小売店が入荷した本数のうち、どのくらいが実際にお客様に売れたか、という割合を表しています。
タイトルにもよりますが、例えば発売から1週、2週たってこの消化率が低い(入荷本数は多いのにお客様に売れた本数は少ない)場合には、全国的に値崩れの可能性が高くなります。特に入荷本数が多くて、消化率が低く、定番的に売れる事が予想し辛い場合、値崩れ、在庫処分の可能性が高くなるわけです。
ですから、お店の人はあるタイトルが全国で何本売れた、その週で何位だった、という情報よりも「消化率」の事を非常に気にしています。
一概には言えませんが、消化率が低く在庫処分されるタイトルというのは、お店にとっては「期待していたが、期待はずれだった」タイトルという事が言えると思います。
期待される事は、メーカーにとっては悪い事ではありませんが、結局その期待に応えられなければ、信頼を失って、次回からは期待されなくなってしまうのです。