試合のオファーが来た。



ミスターモンテコックス率いる“アドレナリン”。


相手はUFCで好成績を残していた選手、テリーマーティンだ。



しかしその頃から所属先の事務所に問題が起き始めていた。


事業に失敗した……
と言えば簡単だろうが 本当は非常に奥深い問題があった。




人間は見栄をはる生き物だ。


見栄をはる人間は、自分に自信がない。 だから常に 自分の武勇伝を会う人会う人に喋る。


人を評価するのは悲しいかな自分以外の人間だ。



間違った評価もあるだろう。

しかし正しい評価には耳を貸さなければならない。



それができない人間は……





試合は決まった。



敏腕ブッカーの方が

「これに勝てば アフリクションもあるからね」


と更なる高みへと導いてくれようとする。



試合が近づくにつれ事務所内は壊滅的になってしまう。


給料も決まられた日にちに出ない。



先行き不安定な状態で試合を迎えるのには慣れてる。



心の中には


「またか…」


という思いが浮かぶ。


しかし戦うしかないのだ。 戦う事でしか贖う事が出来ない。

罪を。

因果を。


悲しみの螺旋はいつ引きちぎられるのか……


過去を振り返る。


同じような人生を辿ってきた。



この贖いを終わらせるには 神が与えもうた才能しかない。




必死で練習をする。
相手が打撃が強いのを知り 打撃練習が殆どになる。


「俺は必ずもがききってみせる」


強い意志を胸に。



事務所とも決別し、新たな道が始まる。



アメリカ、シカゴで行われるアドレナリンに向け ニコラスペタスさんの元トレーナーに全てを任せた。


試合が近づく。



アメリカに行く日が来た。



まず俺達はロスへ向かう事になる。



ロスにいる知り合いにホームステイさせてもらい時差をなるべく無くして試合に臨むためだ。



ロスにいるのは一週間。



またこのロスで人との出会いに驚く事になる。

そしてこの頃から徐々に気づき始める。


闇の螺旋のクライマックスを。







続く。