一本取れば100万円の他に ファイトマネー1000万円まで用意するグラップラー。



その名は あの
“ホイスグレイシー”だった。


ショーンにメールを送り交渉が始まったのだ。



ホイスグレイシーは確かにグラップラーの第一人者だ。


しかし ホイスには余裕で勝つ自信があった。


テイクダウンしてパスして極める。


頭の中には良いイメージしか浮かんでこない。


しかしホイス側との交渉は難航した。



ファイトマネー1000万円の元は 試合の映像をインターネットで有料で流す。というプランがあった。

ホイスはグラップリングの大会で一本負けした事はなかったと記憶していた。


ホイスが寝技ルールでボコボコにされているところは誰もが観たいはずだ。


だからビジネスにもなると社長はふんでいた。



ショーンも



「ホイスとタカセがやればタカセが勝つだろう」

とメールがきたそうだ。


だが…


問題はホイスが試合を受けるかどうかだった。



ショーンから俺の強さを聞いてるだろうし、
ホイスに

「お前には負けないぞ!」


というような 気持ちがあるとは俺も思えなかった。



事務所内ではとにもかくにもホイスを引っ張り出して、クラブファイトも俺の名前も上げようと必死だった。


そして


結果的にはホイス側は試合を受けた。



しかし



ホイス側が提示してきたファイトマネーの額を聞いて衝撃を受ける事になる。



「ホイス いくらって言ってきたんですか?」


マネージャーに聞く。



「いっやあ… ビックリですよ…」



俺は 耳を疑った。





続く