いよいよ 最期の話し合いに俺は会社へと向かった。

会議室で話し合い。

会議室には社長と担当マネージャーの方がいた。元空手講師は恐らく向こうの配慮で来てなかった。 もちろんいても 自分の非を絶対に認められない人間なので、いても話し合いにならない。 ああ言えばこう言う…を極めている、もう救いようのない人間は話し合いに参加するべきではない。

とにかく話し合いは始まった。

社長が切り出した。

「高瀬君も聞いてると思うけど ウチとしても 高瀬君を試合させないまま練習だけをさせて給料を払う事はできない。」

言い方は どこか少し申し訳なさそうな感じだった。

俺は

「よく理解できます」

そして社長が


「高瀬君にはね 結果的に申し訳なかったかな と… ウチが合わなかったのかなっていうね」

そう社長が言った。
言ってみれば会社側の非を認めてくださったという事だ。

俺は

「パンクラスの件は本当に残念でした。 いい加減な人間が、いい加減な仕事をしなければ、自分は試合が出来たと思います。」

しかし 担当マネージャーの方が元空手講師のやった不始末を ちゃんと修正しようと行動してくださったのも事実だった。

「でも 〇〇さん(担当マネージャー)が 誠意を持って、行動してくださったので 自分はそこには本当に感謝の気持ちで一杯です。」

俺はちゃんとやるべき事をしてくださった担当マネージャーの方に感謝の意を伝えた。

思えば 苦しい時期だった。

毎月給料は出ても、1日1日なんとかその日暮らしをする額だったので 試合がなければ余裕が生まれない状態。

金銭的に苦しいと心も苦しくなる。
だから 上井ステーションで使って頂いた事は本当に有り難かった。

上井ステーションのスポンサーのレダの社長、加畑社長も激励賞を何回か包んでくださった。
この章で伝えたかった事。
この章を読んでくださってる方々の中には 会社でうまくいっていないとか、色々と不満や辛い事もある人もいるだろう。
だけど信念を持って行動していれば、必ず自分の理解者が現れるはずだ。そして縁を大事にすれば、必ず救ってくださる方がいる。

不平不満を言うだけで、行動もいい加減にしてしまうと 何も起こらない。
神様は、崇高な信念を持つ者と 人に与える事のできる人間に見方するのだ。 不平不満や人の陰口を叩いてる人間にはグッドラックは振り向かない。
俺はいい加減な人間達に振り回されても、救ってくださった方々のおかげで道から反れる事なくやってこれた。

人生は本当に面白いね。


社長はその時期が年末にさしかかっていたため
給料を年末まで出してくださる事を約束してくれた。

喧嘩別れでなく お互いに 「頑張っていこう」という気持ちで終わろう、という主旨だった。
こうして話は終わった。
しかし、俺にはまだやらなければいけない事があった。
それは元空手講師をこのままほったらかしにするわけにはいかない。という事だ。
このいい加減な仕事をする自分の非を認められない人間の事を 会長さんに伝えて 少しでも残った人間達に被害が及ばないようにする事をしなければいけないからだ。

ニコラスさんの下の子達やミットを持ってくれるトレーナーの方は本当に良い仲間だった。 ニコラスさんやその下の人達のおかげで打撃を好きになり、向上心が生まれた。 キックの試合でも勝つ事ができた。

特にニコラスさんの弟子やトレーナーの方にはあの元空手講師をあのままにしておいたら大変な事になる。 と思い、 会長さんにちゃんと真実を伝えようと電話をするのだった。


しかし…



とんでもない反応が返ってくる事をまだ俺は知らなかった。


やっぱり次で完結編です(笑)


続く