数々の伝説を作ってくれた元空手講師。

ついには 伝説の中の伝説を作ってくれる事となる。

キックの試合が終わり、一向に総合の試合が決まらない。

ヒーローズは毎回 ワケの解らない理由で回避(後に阻止と判明)され、全く決まらない。

会社は何も試合をとってこれない。
自分に政治的な問題があったにしても 試合を決めるのは選手の仕事ではない。 所属しているマネージメント会社の仕事だ。しかし全く試合が決まる気配のない俺は、だいぶ前から昔から知っているパンクラスの元事務所にいた方に直接電話で「試合に出して下さい」とお願いしていた。
元々パンクラスさんには昔から参戦させて頂き、尾崎社長(当時)には大変恩を感じていた。だから一応プライドに出ていたし、自分がまた参戦して少しでも話題になり、恩返しできればいいと思っていた。
そんなうちにある所からディープの別シリーズ(電撃ネットワークのリーダーの方がプロデュースしているイベント)からキックボクシングでのオファーがあった。
試合もないし会社から聞かされて、オレは二つ返事で了承した。
しかし オファーを受けたのにもかかわらず、相手がまた決まらない。 あるんだかないんだかの試合に向けて練習をするのは選手にとっては本当に苦痛でもある。 金もかかるしね。

そんで 結局試合は流れた。(笑)

いやいや またですか……
話は変わるが、この時くらいから担当が徐々に元空手講師から新しく母体の会社から来た方に変わっていった。 その人(以下担当マネージャー)は詐欺師や元空手講師と違い、本当にまとも(失礼)な人だった。

そして この人に担当してもらってからだいぶ経ってから驚愕の事実が発覚。

なんとキックボクシングでの試合が決まった時と同じくらいにパンクラスからもオファーを頂いていたのだ。 そしてそのオファーを 選手に何も言わず勝手に断っていたのだ。 普通試合が決まっていても「パンクラスさんから試合の話きたよ」と、報告するのが普通のマネージメント会社のする事だ。
しかしこの元空手講師は俺にオファーがあった事も言わず勝手に断っていたのだ!
もしオファーがあったのを聞いていたらキックボクシングの試合だし(相手も決まってない)断っていただろう。例え断れなくとも自分からパンクラスさんの関係の方にお願いしていたのだから、直々に尾崎社長の所へ行き 「この度は申し訳ありません」ぐらい挨拶するのが普通だし、先方もオファーを断られたとしても「じゃあ次の機会でね」となっていたろう。……だけどさ 聞かされてないんだから何にもしようがないよな!

勿論、この事を知った俺は激怒し元空手講師に即電話をした。

「一体どういう事なんすか!?なんでパンクラスさんからオファーがあったって俺に報告しなかったんすか!?」
と 怒って当たり前の事を言ったのだ。

しかし このドアホは、言いましたよ。

言ってくれましたよ。

返ってきたのは謝罪の言葉ではなく、信じられないような言葉だった。


続く