大阪生まれ。東京育ち。立教大学卒業。作品に「フカシギ系。」シリーズ、「絶品らーめん魔神亭」シリーズ(ポプラ社)、『ミステリアスカレンダー』『ふたご桜のひみつ』(岩崎書店)、『闇王の街』(アーティストハウス)、『落ちてきた時間』(パロル舎)、『盗まれたあした』『ギラの伝説』(小峰書店)、『ラッキーパールズ』(スパイス)、「フカシギ・スクール」シリーズ(理論社フォア文庫)、『プルーと満月のむこう』(あかね書房)、『由宇の154日間』(朔北社)など。http://www.bk1.co.jp/author.asp?authorid=110003297460000

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2009年11月21日

18冊目

テーマ:日常
 このほど、単独の著者名としては18冊目になる『想魔のいる街』が、あかね書房から刊行されることになった(24日発売)。

 装画と本文イラストは『盗まれたあした』『ギラの伝説』(ともに小峰書店)につづいて、単行本をいっしょに作るのがこれで3冊目になる、東逸子さんだ。

 思えば1999年12月にポプラ社からだしたデビュー作『フカシギ系。1 しゃべる犬』から、ほぼ10年がたった。

 勤め人の身ではあるが、会社の休日、祝日には、できる限りの執筆時間をとって、ここまでやってきた。

 友人、知人らには、「誘いになかなか乗らない、つきあいの悪いやつ」というイメージが定着してしまったかもしれない。

 たしかにゴルフはしない、酒は飲まない、旅行はしない、クラス会や同窓会の集まりには顔をださないでは、世をすねた変わり者とみられても仕方がないだろう。

 まあ、これも人生の選択のひとつだが。

 しかし、振り返ってみるに、じつに恵まれていたなあと感じるのは、職場の環境だ。

 デビュー以来ずっと、新聞社の文化部という部署で、読書を中心に、学芸関係の記者としての仕事を続けてきた。

 現在にいたるまで、他部署への異動が、一度もなかった。

 おかげさまで、これはという本を、仕事の一環として、年月をかけてたくさん読むことができたばかりではない。

 児童書も含めて、あらゆる分野で活躍する現役の文化人相手に、原稿をお願いできたり、インタビューに応じてもらったり、仕事に限らないお付き合いをさせていただいた。

 職場に培ってもらったようなものだ。

 しかもそこには、優秀で、熱意と人間味あふれる個性が多数、寄り集まっている。

 これからも、職場にもらったこれらの財産を、大切にしていきたいと思う。
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2009年11月14日

診断

テーマ:日常
 しばらく前から、右目がかすむ。

 朝、起きて、顔を洗って、まばたきをぱちぱちしてメガネをかけると、どうも右目だけクリアな視界が得られない。

 メガネのレンズのせいでもなさそうだ。

 しかし、昼を過ぎると、それもあまり気にならなくなってくる。

 職場でパソコンに向かっていたり、自宅でワープロを打ったりしているときには、ほとんど忘れてしまっている。

 それでも、いつか眼科にいって診てもらおうと思ってはいた。

 その眼科に、先日いってきた。

 22歳、学生の娘が、コンタクトを新調しにいくというので、ついていった。

 視力をはかり、くわしく検査するために、右目の瞳孔を点眼でこじあけた。

 時間がたつにつれて、瞳孔がひらきっぱなしになって、みるものみなまぶしい。

 診察室には、娘といっしょに入った。

 最初に診てもらった娘は、左右とも異常なしで、すぐに終わった。

「つぎ、お父さんどうぞ。はい、そこにあごをのせて、まっすぐ前を向いてくださいね」

 医師にいわれるままに、まぶたをかっとみひらいて、小さな光源をみつめる。

 診断は、すぐに下った。

「ああ、白内障がきてますね」

 水晶体がにごり、視力が低下する病気だ。

 いまは、1回の手術で治せるそうだ。

「といっても、まだ手術するまでにはいたってませんから、目薬を出しましょう」

 娘が、くっくと笑っている。

「何がおかしいんだよ」

「別に」(まだ笑っている)。

「笑うな」

「ごめんなさい」

 それでも、ニヤニヤしている。

 もらった目薬には「老人性白内障治療点眼薬」と書いてありやがった。
2009年11月03日

ビートルズ世代

テーマ:日常
 ビートルズのファンは、いくつの世代を重ねているのだろうか?

 児童文学の世界でも、ビートルズに影響を受けた作家が、たくさんいるはずだ。

 このほど、角川つばさ文庫から『夢見るアイドル(2)』を出版した牧野節子さんは、ぼくと同世代だが、相当のビートルズファンであることはまちがいない。

 この作品、今年6月にでた第1巻『夢見るアイドル』の続編だが、ビートルズを意識しながら、歌ったり、バンドを作ったりのたのしさが全編にあふれている。

 青春音楽小説『ビート・キッズ』(講談社文庫)で知られる風野潮さんも、ビートルズには目、いや耳がない人なんだろうな。

 ほかにも、上條さなえさんの『さんまロックンロール』(国土社)をはじめ、ビートルズに影響を受けた、あるいはバンド作りの楽しさを素材にした児童文学は、いくつもありそうだ。

 いまでも、ビートルズのリマスター盤がボックスセットになって大売れしたり、まもなく発売となるポール・マッカートニーの今年7月に行われたニューヨーク・ライヴ(CDとDVD)が、早くも評判を呼ぶなど、ビートルズ熱は一向に冷める気配がない。

 20代、30代の若手編集者にも、ビートルズファンは少なくないようだ。

 フランク・シナトラ、ナットキング・コール、エルヴィス・プレスリー、近くはマイケル・ジャクソンといった大物歌手たちも、その名は長く伝説に残るにちがいないが、ビートルズにいたっては、あいかわらず現在進行系が続いているみたいだ。

 そんな、子どもから大人まで、ビートルズファンに、思わずにんまりしてもらえるような作品を、ぼくも書けたらと思う。

 いや、実際に書き始めてはいるのだが、ゴールがなかなか遠くてかなわない。

 書くって、ほんとうに難しい。

 才能のある人がうらやましい。
2009年10月25日

妖怪ホテル

テーマ:日常
 こうやって、気の向いたときにブログを発信しているわけだけれど、これって暮らしのなかではどういう作業になるんだろう?

 昔は、日記というものがあって、きょうはああしたこうした、あんなことがあったこんなこともあった、かくかくしかじか思ったこと、考えたことなんかを、ひっそりとノートや日記帳につづったものだ。

 若かった日々には、交換日記もやったっけ(おう、なつかしい!)。

 しかし、このブログというやつは、日記をネットで公開しているのとも、ちょっと違うような気がする。

 まあ、あまり深く考えなくてもいいか。

 ごく一握りの、といってもいいくらいの少数の読者のみなさんに、たからしげるの近況が伝われば、それでよしとしよう。

 いまとりかかっている、たのしい仕事の1つに、松谷みよ子さんが代表となって責任編集をしてくださっている「妖怪ホテル」のシリーズ(ポプラ社)がある。

 かつて、童心社が出版して、全50巻を売り上げ、現在はテレビ朝日系でアニメーション番組を放映している「怪談レストラン」シリーズの続編に位置する企画だ。

 前回の企画にはまったくかかわっていなかったが、今回の企画には、執筆者として仲間入りのお誘いを受けることになった。

 じつに光栄の至りだ。

 まだ、立ち上がったばかり。

 妖怪はいたるところにいる。

 それにしても、日々、寒くなる。

 秋から冬へ向かうのは、大好きな春から夏へ向かう正反対だから、感慨も深い。

 ネットで注文して、在庫切れのために待ったがかかっていた2枚組CD「ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヘレン・シャピロ」がきた。

 今夏「ひと夏のドゥン☆テク☆テク」でレコチョク1位になったハディセの、日本デビューアルバム「ハディセ」も、とてもいいけどね。
2009年10月12日

アルマ・コーガン

テーマ:日常
 1950年代から60年代初めにかけて活躍したイギリスの女性歌手、アルマ・コーガンの3CDセット〈CELEBRATION〉を、ネットで買った。

 きっかけは、YOU-TUBEで遊んでいるうちに、60年代のなつかしいヒット曲[JUST COULDN’T RESIST HER WITH HER POCKET TRANSISTOR]を耳にしたからだ。

 アルマのヒット曲で、いまも強い記憶に残っているのは[GOODBYE JOE]だが、[DREAM BOAT][BELL BOTTOM BLUES][TENNESSEE WALTZ]など全75曲を収録しているこのセットには、入っていない。

 おそらく、レコード会社か何かの権利上の問題があって、収録できなかったのだろう。

 1932年5月19日、ロンドンに生まれたアルマは、10代のころからショービジネス界をめざし、20歳の誕生日に初めての公式レコーディングを行った。

 翌1953年に発表した[IF I HAD A GOLDEN UMBRELLA]がヒットして一躍スターダムにのぼる。

 当時、デビューして脚光を浴び始めていたビートルズのメンバーたちとも親交のあったアルマだったが、1966年10月26日、がんのため34歳の短い生涯を閉じている。

 そんなに早くいなくなっていたなんて、このライナーノーツを読むまで知らなかった。

 それにしても、50年代、60年代の英米のポピュラーソングって、どうしてこんなに、しっくりといいんだろう。

 初めて聴く曲もあるのに、どれもGOOD OLD DAYSの郷愁に満ちている。

 これって、こっちが年をとった証拠?

 同時に買ったのはイーディ・ゴーメの3CDセット〈I’LL TAKE ROMANCE〉と、ローズマリー・クルーニーの〈JAZZ SINGER〉でした。
2009年10月10日

たちまち3連休

テーマ:日常
 本が売れてません、と書いたとたん、数人の親しい友人から、そんなことでがっかりするなと、叱咤激励された。

 そうだよね。

 売れようと売れまいと、この時節、本がだせたのは幸せなことだった。

 作品を読んでくれて、おもしろいと思ってくれて、大金をはたいてくれて、本にしてくれる出版社があることは、僥倖だった。

 いくら、これはどうだという作品を書いても、本という形にならなかったら、始まるものも始まらない。

 作家の幸せの原点は、作品が本になるかどうかというところにあった。

 もっと謙虚にならなければいけない。

 そして、出版社や編集者や読者に対する感謝の気持ちを忘れてはいけない。

 先週末は、11月にあかね書房から刊行予定の書き下ろし『想魔のいる街』の、初校ゲラのチェックで過ぎてしまった。

 小学生の中・高学年から一般までを読者対象にしている児童書の場合、気をつけなければいけないのは、表現方法らしい。

 ひとことでいえば、あまり難解な言葉は、使わないほうがいい、ということだ。

 これまで、本をだすたびに、多くの編集者から注意を受けてきたが、これくらいなら大丈夫だろうと思って、つい難しい(と編集者がいう)言葉を使ってしまう。

 たとえば「慚愧に堪えない」と書いたとしたら、よほど特別の場合をのぞいて、これは「反省しきり、はずかしくてしょうがない」みたいに、書き直しを命じられるだろう。

 つい、読者のことをあまり考えないで書きとばしていった原稿のこまかい表現部分をこまかくチェックして、書き直していくのも、ゲラ読みの重要な目的のひとつだった。

 それからまた1週間がたって、たちまち3連休がやってきた。

 次なる作品に向けて、頭を切り替えよう。
2009年10月03日

売れてません

テーマ:日常
「いやあ、驚くほど売れてませんねえ」と、版元の社長にいわれてしまった。

 今年3月中旬に出版した『由宇の154日間』(朔北社)だ。

 あれから6カ月ほどがたった。

 いまや、全国のどの書店にいっても、手に入れるのは困難だろう(おいてないから)。

「あっというまに返品されてきました」

 書店にあったのは、早ければ数日、遅くても1カ月ほどの間だったようだ。

 なにしろ、年間8万点に近い書籍の新刊が出版されているのが現状だ。

 1日になおすと、平均220点ほどの計算になる。

 いくら大きな書店でも、毎日毎日、220点もの新刊を仕入れて、店頭にならべるわけにはいかない。

 だから書店は、売れないとふんだ新刊は、店頭にならべる手間も惜しんで返品する。

 たとえならべても、すぐ売れなかったら、たちまち返品だ。

 話題になっていなければ、書店にはおいておくが価値がないのだから。

 出版社も宣伝にかけるお金がないから、どこかで話題に火がついてくれない限り、なすすべがない。

 というわけで『由宇の154日間』に関しては、「そんな本、いつでたの?」という人たちが圧倒的に多いはず。

 満3歳の誕生日を目前にした女の子が、急病で死んでしまい、魂になってからたどる、この世とあの世をめぐる物語だ。

 帯には、医師で作家の鎌田實さんに推薦文を書いていただきました。

 書店にはなくても、ネットで買えるし、図書館では借りて読めるだろう。

「ある日突然、話題になりさえすれば」と、社長はあきらめの姿勢を崩してはいない。

「内容が悪いわけじゃ、決してないんですから」といって、慰めてくれた。
2009年09月27日

ビートルズの2NDアルバム

テーマ:日常
 仕事部屋を、少しだけ片付けた。

 整理したといいたいところだが、それはややオーバーになる。

 いま、仕事部屋にあふれているのは、本とCDと、プリントずみの原稿類と、あとはガラクタばかりだ。

 ガラクタは、捨てていいものと、捨てないほうがいいものと、とっておくべきものの3種類に分かれる。

 その判断をつけるのが、めんどうだ。

 だから、思い切って整理できずに、片付け程度で終わってしまうのだろう。

 ひっぱると二つに折り畳まれる式の扉があるクローゼットの前に、ガラクタの一部をどんとおいたため、扉があかなくなった。

 クローゼットのなかには、秋、冬もののジャケットやジャンパー類のほか、昔なつかしいLPレコードが200枚ほど入っている。

 扉をしめる前に、ちょっと興味があってとりだしておいたのは「THE BEATLES’ SECOND ALBUM」(当時1500円)だった。

 東芝音楽工業がだした「オデオン」レーベルの1枚(OR 7058)だ。

 中に入っている歌詞カード(表裏印刷)によると、当時ジョージ・ハリスンは20歳、ポール・マッカートニーは21歳、ジョン・レノンは23歳、リンゴ・スターも23歳だという。

 収録されているのはA面に[キャント・バイ・ミー・ラヴ][ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット][サンキュー・ガール]など7曲、B面には[ロール・オーバー・ベートーヴェン][ミズリー][ボーイズ]など7曲の計14曲だ。

 ひさびさに、プレーヤーにかけて聴いてみたら、すごくノリがいい。

 あのころ、ぼくはいくつだったんだろう?

 しかし、このノリのよさは、あのころからずっと変わらずに、いまも続いている。
2009年09月20日

タイトル決定

テーマ:日常
 ええと、うれしいお知らせです。

 ここのところ、A書房のKさんと取っ組み合うような形で、執筆をつづけてきた作品が、11月ごろに日の目をみそうです。

 さきごろ、版元で最終的な会議があって、タイトルが正式に『想魔のいる街』と決まりました。

 パソコンで検索しましたが、同じ文字列でヒットはありません。

 読者対象は小学中・高学年以上ですが、ジュブナイル(YA)が好きな一般の読書にも満足していただけたらと思います。

 想魔というのは……いえいえ、ここで敢えて説明はやめておきましょう。

 なんだろう? って、想像の翼を広げて、あれこれトリップしてもらえると、すごくうれしいです。

 さて、物語を引き立たせてくれる挿絵は、東逸子さんが引き受けてくださいました。

 東さんはいま、ぼくが毎日小学生新聞に連載中の「さとるくんの怪物」(全60回/10月末に終了の予定)にも、挿絵を描いてもらっています。

 美しくて幻想的なタッチに定評のある、日本でも指折りの画家さんです。

 ぼくはこれまでに『盗まれたあした』『ギラの伝説』(ともに小峰書店)で、お世話になってきました。

 どちらも初版で終わらないで重版がかかっているんですよ。

 きっと東さんの絵が、売れ行きをのばしてくれたのだと思います。

 だから、今回もまたチームを組めて、とてもラッキー&ハッピーなのです。

 東さんの予定はいつも超人的なのですが、今回に限って、毎小の仕事が終わった直後の9月だけ、ぽっかりあいていたのです。

 これって、天の配剤かも。

 いまから、どんな顔をした本になるのか、とても楽しみです。
2009年09月13日

ファンレター

テーマ:日常
 久しぶりに、ファンレターをもらった。

 理論社からだしている「フカシギ・スクール」シリーズ(フォア文庫)の第3弾『ぶっとび! スクール』を読んでくれた小学5年生の女の子、Mさんからだ。

 本を買ってくれたのは、Mさんのおじいちゃんだったという。

 本を手にした最初は「あまりのり気でなかった」そうだが、読みすすめるうちに「どんどん楽しくなり、ページをめくるのがわくわくしてき」たと書いてくれている。

 バンザイ! だ。

 こうして、1人でも「おもしろかった」といってくれる読者がいることが、ファンレターによって証明されると、本はあまり売れていないらしくても、肩の荷が下りたような、とびはねたいような気持ちになる。

 そうだ、あの本は、Mさんに読んでもらうために書いたのだ、と思ってもいい。

 Mさんは読んで、満足してくれた。

 それだけで、いいじゃないかと思う。

 本を書くというのは、つまりそういうことなのだった。

 自分がよく知っている相手に、手紙をだすような形で、書くのではない。

 よく知っている相手や、親しい相手なら、どんなことを書けば、その人がよろこんでくれるか、なんとなくわかるような気がする。

 でも、不特定多数の相手に向けて書くときは、相手の好みとか、こんなことを書いたらよろこんでくれるかもしれないとかいったことは、わからない。

 だから、楽しいのだ。

 Mさんにはすぐに、返事を書いた。

 ついでに、きっとMさんはまだ読んでいないにちがいないと思った別の1冊も、読んでもらおうと思って、手紙につけた。

 いまは、長らくかかっていた単行本の書き下ろしがようやく終わって、11月の発行に向けて、態勢を整えなおしたところだ。
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