2011年10月5日に行われました【第12回ハタモク@中学校版】のレポートを、ハタモク発起人の一人である若山修さんにかいてもたいました!
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ハタモクにはユニークな人物がたくさんいます。
なかでも、毎回ひときわ強烈な印象を残して、
「あのエネルギーはすごいよね」
とみんなから言われるオトコがいます。
いまやハタモクの看板男といってもいい彼の職業は中学校の先生。
「ハタモクが中学校でもやれたらなあ」
池袋の居酒屋で彼がそうつぶやき、
「えー、じゃあ、やってみようよー。ぼくらも手伝いますよ」
とハタモク発起人たちが叫んで、このプロジェクトはスタートしました。
まずは偵察。
数名で授業の見学に伺うと、校長先生自らが各教室を案内してくださり、その、子どもへの愛情、教育への情熱に驚かされました。また、どのクラスに伺っても、先生方がよく練られ、工夫された授業を行う姿に、私たちは感動と同時に、ちょっとビビったのでした。
「ふだんから、このクォリティで授業を受けている生徒さんたちだとすると、よほど気合いを入れていかないと全然おもしろがってくれないかも…」
リアルで、またweb上で、あれやこれやと打ち合わせを行い、最後は看板男が授業計画にまとめて、当日を迎えたのでした。
机とイスをどけた教室に、中学生が36人と大人が12人。
大人は社会人と大学生が半分ずつ(6人ずつ)。
中学生3人と大人1人の4人一組が床に座り込んで、同じ目線で真剣に語り合う。
これが今回の中学版ハタモクの基本形。
ご両親や先生以外の“おとな”、兄や姉以外の“大学生”と、「働くとは何か?」「生きるって何だ?」という難しいテーマで語り合うという体験。
生徒さんたちも戸惑ったでしょうが、社会人や大学生も必死です(笑)。どう溶け込もうか、どんな投げかけで思いを引き出そうか、そして、どうやって偉そうにならずに自分の思いを伝えよう…。
しかし、集まったハタモクメンバーもツワモノ揃い!
あっという間に明るさで中学生を巻き込むタイプもいれば、自分の悩みを語ることでじっくりと共感を得ていくタイプ。すっと目線を合わせて場をつかむ安定感抜群の社会人がいれば、相手に合わせて的確な投げかけで笑顔を引き出していく大学生。クレバーなタイプも、力技タイプも。夢を引き出す、笑いで包む、まじめに迫る、暑苦しく押していく…。
それぞれのキャラクターで場を活性化して、教室内の温度はどんどん上がっていくのでした。
セッションは2回。社会人と大学生、両方と語り合うことができるように班分けを行いました。そして、最後にそれぞれで感想を共有し合い、あっという間の時間が過ぎ去ったのでした。
すでに将来の夢がある生徒さんは「こうして大人に向かって話してみたのは初めて。親にも話してみようかな」と喜んでくれました。まだ働くことを身近に考えていない生徒さんも、大人や友人の夢を聴いて「刺激になった」と言ってくれました。
最後にこんなコメントも!
「かっこいい人も、きれいな人もいて、みんながこんなふうに優しく話してくれて、とても楽しかったです!」
私たちもたくさんの気づき、次回への貴重なノウハウを得て、この初回のチャレンジを終えることができました。
生徒さんたちには心から感謝です!
そもそも、校外のリソースも積極的に活用しようという、この学校の先生方の姿勢がありました。それに、担任の先生と学校に対する普段からの信頼が十分に培われていました。
そして、バックグラウンドも年齢も違う個性豊かなハタモクの人々。
これらの幸運なる出会いがあって、今回の場が成り立ったのだと思います。
本当に、みなさま、ありがとうございました。
そうそう。
最後にもらったコメントについての補足。
「かっこいい」と言われたメンバーは「そんなこと、言われたことないんで…」と照れを見せ、「きれい」と言われたかどうかは定かではないメンバーは自ら「ありがとー!」と手を振ってみせたのでした(笑)。
ハタモク発起人 若山修
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以下、中学生からのアンケート結果です。
「またやりたい」と35人中、31人が答えてくれました^^
<おとなに対するイメージが変わった人 24人>
・親身になって話を聞いてくれた。
・明るくてしゃべりやすかった。
・身近に感じた。
・大人でも話しやすい人がいることが分かった。
・大人って面白くて明るい。
・自分たちと気が合う大人もいるんだなって思った。
・人生に対して一生懸命。
・見た目によらず、優しかった。
・中学生と変わらないと思った。
・ちゃんと話を聞いてくれた。 などなど。
<心に残った言葉>
・がんばれ
・応援している
・すごい
・人生に悔いが残らないように生きる
・好きなことをやりな
・焦らなくてもいい、職業は変えられるから
・自分がやりたいと思ったらやるべし
・今を楽しんで
・過去の出来事を後悔しないように、人生を大切にする
・仕事で失敗したってすぐにクビになるわけじゃないから大丈夫
・内面をみがくこと
・一生懸命働く
・大学は・一浪したって変わらない
・夢に向かってがんばってください
・夢を持ちな!
・自分のやりたいことをちゃんと見つけよう
・人生は楽しくないとつまらないから、自分の好きなことをやる
・楽しい仕事をやればいい
・好きなことを仕事にする
・なんのために働くのでしょう
・自分がやって楽しめる仕事に就いた方がいい
<次はどんな人と話をしたいか、どんな話をしたいか>
・大学生
・話を聞いてくれる人
・将来の話
・仕事やバイトや、社会について
・恋話
・上から目線じゃない人
・身近な話
・面白いことや趣味など
・色々な人生について
・自分の話を聞いてくれる人
・面白い人
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今回は、中学校でハタモクをやる、というとても大きな挑戦でした。
勇気を出してこの企画を立ち上げてくれた先生が、終わった後とっても喜んでくれていて、参加したみんな本当に嬉しく思いました。
めちゃくちゃ大きな不安があったろうと思うからです。
そして、そのチャレンジをどんと受け止めてくれていた校長先生も素敵でした。
その校長先生も終わった後喜んでくれて、「またやりたいね」とおっしゃってくれていました。
校長先生も交えた振返り!
早速次回の検討も始まったようです^^
それと、私が中学生と話していて印象に残ったのは、
「こんな話は親としたことがありません。今日家に帰って、こんなことがあったよ、と親に話してみたいと思います。」
といってくれたことです。
「働くとは何か」 「生きるとは何か」
こういったちょと照れくさいテーマで会話できる親子が増えるといいなーと、振り返りながら思った次第でーす。
ハタモク よらっち