上場したことも無い奴が能書き垂れて!

私は海外上場について警鐘を鳴らしているブログをみて、ちょっと違うと思うところがあり、反論をブログにかいてみた。そしたらいくつかの事柄については賛意を得た。が、私が証券取引法違反で起訴され、その直後に上場が廃止されたことについて少しばかりの批判を受けた。この部分に関しては日本の検察庁がいかに優秀であろうとも、推定無罪の原則がある以上裁判において有罪判決が出るまでは、流動性や業績、事業の継続性に関して重大な疑義がある場合を除き、上場をいきなり廃止する事に関して東証の恣意性があるのではないか、という問題提起をしたわけだ。

このブログの作者は私や会社が証券取引法違反の有罪判決を受けた前提で書いているが、少なくとも起訴された2006年初頭時点では有罪判決は受けていない。起訴されただけだ。起訴されたって無罪判決の可能性はある。だから、推定無罪の原則に従い、上場廃止を決めることは適当ではない。だって、東証の上場廃止基準には会社ぐるみの粉飾である場合など重大な粉飾の場合上場が廃止できると定められているだけで、他の上場廃止基準には少なくともライブドアは触れていない。なのに上場廃止された。だが、経営陣が粉飾を
されたとして金融庁から課徴金処分を受けた日興は上場維持された。つまり恣意的な運用がされていることに問題提起をしたわけだ。
その元凶は他国市場にない上場「廃止」基準にあるのではないかと、問題提起をしたのだ。もし「廃止」基準がなければ、投資家の信頼を損なうような検察庁による訴追などで信頼を失いながらも上場しつづけ、少なくとも株価は下落するものの、あのような破滅的な下落にはならなかったはずだ。実際集団投資家訴訟において、東京地裁民事8部は損害賠償請求のうち一株あたり約200円を損害としてみとめている。他は上場廃止や風評被害などで下落したと判断したのだ。

逆に言うと上場廃止されなければ、投資家は有る程度冷静になったはずだ。少なくとも2000億は下らない時価純資産と収益力があったら、株価が100円を割り込んで下落することはあり得ない。200-300円の株価はついたはずだ。実際私が拘置所にいたわけだが、その価格で買いを入れたかったくらいだ。

「投資家からの信頼の喪失こそが株式価値の毀損、つまりダメージの大部分なのであって、上場が維持できるかどうかは二次的な問題でしかないのです。」

とあるが、これこそこういった状況に追い込まれた事の無い人が行ってる机上の空論であって、実際に投資家の事や自分達の事を考えたら、信頼云々というより東証が問答無用で上場廃止にした事やマネックスが問答無用で信用掛け目をゼロにした状況、つまり集団的な破滅的ライブドアイジメの状況下ではみんなが冷静な判断が出来ない状況なんです。

実際あのころのライブドア事件といえば、マネロンだの暴力団だのあり得ない話まで飛び交っておりマスコミによる風評被害でとんでもない株価下落の状況が発生しており、ライブドア事件とは実際はキャッシュインしたファンドでの株式取引が資本取引なのか損益取引なのかという帳簿のつけ方の問題、あるいはそれ以前のファンドの連結基準に関わる会計士の専門範囲の問題であることが公判が進むにつれ明らかになったものです。

判決まで上場が維持されていれば少なくとも投資家はライブドアのBSに問題が無いことはわかったはずです。また将来利益に関わる不安もあまりないし、少なくとも経営陣は全て入れ替わっています。株価が必要以上に売られることはなかったでしょう。

我々の問題に関しては、こんなぼやっとした原則論みたいな話が通用する次元ではないと思うんです。だから、ちょっと刺激的な書き方をしてみました。

「「日本の機関投資家が日本の若い企業の株を買わない」という指摘はまさしくその通りで大変残念です。」

とあり、その後なんたらカンファレンスに取り組んだとか書かれてますけど、そんな生半可なというか、セレモニー的なんも新規性のないアイディアゼロのイベントで投資家が株買うわきゃないだろ、って感じですよ。結局有名で時価総額が大きくて流動性がある株しか、機関投資家は買わないんです。だから、買わせるには、そうなるしかないんです。さもなくば海外に営業するしかないんです。私は両方に取り組みました。カンファレンスなぞ、まったく意味ゼロっす。

「だから安定株主工作は大変重要です。
アメリカにはゾンビみたいなペニー・ストックの残骸がゴロゴロしているのはたぶん、ご存知ないでしょうね。」

は?しっとるわ。

つか、日本のJASDAQとかにもゴロゴロしとるでしょ。てか、ライブドアもそんな株でした。2003年初頭までは。安定株主なんぞいくら増やしても流動性は上がらないので上場してる意味ないんです。株式交換も増資も難しいから。結局売れる株が一番重要なんです。つまり流動性が高い株。

安定株主なぞ、要りません。そんなのいると思ってるのは、のうのうと何もせずにボーっと経営陣でい続けたいやつらの会社だけです。私は全員個人株主で一杯一杯で経営したいです。一生懸命報いたいと思っていました。

だから株式分割もして流動性を高めるべく努力しました。みんなにライブドアという会社を知ってもらいサービスも使ってもらいたいが故に、みんなが買える額の単位株にしたかったからです。一単位買うのに数十万かかるなんて狂気の沙汰としか思えません。
そんな状況を放置してるのは何も考えない証券業界の怠慢としか思えません。そしてそれを改革しようとする私を揶揄して糾弾したSBIの北尾社長なぞは今でも許せません。

「ところで堀江さんの場合は余りに才気走り過ぎて一般投資家や世間の機微というものから少しout of touchになってしまったのではないでしょうかね?」

一般投資家の機微は掴んでいたと思います。少なくとも特捜部が来るまでは。株式投資というものに世間は少なくとも大きな期待を抱いていたしネット証券の口座数は右肩上がりで増えていたと思います。ダメージの少ない金額で証券投資をしていた人はかなり増えていたのではないでしょうか。

たしかに保守的で、当たり前のことをずっと当たり前にやり続けている人たちからは反感を買ったかもしれません。しかし証券業界のぼったくり体質や株式が結局お金持ちしか勝てない仕組みになっていることを改革しようとした事に反発を受けたのはむしろ改革者にとっては当たり前のことだったでしょう。

たしかに私は急ぎすぎました。それについては個人的キャリアからすると失敗です。保守層の反感を買いすぎました。だから散々叩かれました。でも間違った事をやったつもりは今もありません。もう私は証券業界とも上場とも縁がありませんから、これから関わることはありません。だからこれは年寄りのたわごとのようなものです。もっとゆっくりやっていれば成功したかもしれません。が、これは私の性格みたいなもので、もう同じことをもう一度やるには年をとり過ぎていますから、やるつもりはありません。ゆっくりやって成功するより早くやって成功する方法を考えるのが楽しいのです。ま、この辺は色々批判あるかもしれません。甘んじて受けます。

「若し事件の前に僕が堀江さんのカバン持ちやっていたら、そのへんのところ、きっと良いアドバイスが出来ていたと思いますよ。」

たぶん、ゆっくりやれとか常識的なことをちょっとずつ受け入れられるようにアレンジしてやれとかアドバイスされたでしょうね。でもだったら私でなくともやれるので、じゃあ俺は引退してロケット開発やるわって話になってたと思います。ま、カバンとかもたれたくないんですけどね。そんな人いないし。企画で受け入れた事ありますけど、正直なんかなーって感じでしたしね。

「それでも駄目なのはなぜなんでしょう?」

ってありますけど、駄目ってどんな基準なんですかね?少なくとも見る限りそこそこ上手くいっているようですが。。ま実際にはどんな感じか分からないんですけど。
そもそもあの4原則に従っていれば上手く行って無い状況でも多額の借金を抱えたりすることはないので、ちょっと景気が上向けば利益がガバガバですはずですけど、これは皮肉?

ま、私のことあんまり知らないで、マスコミを通じたフィルターでしか見て無いとこういうブログを書きたくなる心境はよーくわかります。ま、頑張ってください。

あ、で俺は海外上場大賛成派です。もうこんな日本で上場する意味はないよ。
だからこんなブログには真っ向から反論していきます。だって泣きを見るベンチャー起業家が増えて欲しくないもん。こんな上場も経験して無い奴の能書きを信じてさ。

全然関係ないけど、私の大好きなゴルフ漫画です。絶対読むと泣ける!
やっと単行本化です。きっと要望が多かったんだろうな。