事業仕分けの第三ワーキンググループで科学技術系の予算が減らされていろんなところで議論が紛糾しているようである。

ノーベル賞の野依氏、蓮舫氏らの「スパコン、世界一になる必要あるのか」発言に憤慨

政府の補助金申請など一度もしたことのない私からすれば、あれだけの巨額予算で食っている人たちがいるんだー!となんだか損したような気分になるのと同時に、補助金なぞを当てにして仕事をしたり研究をするという感覚が全然理解できない。

もともとは国民の税金であり、当然今回のようにオープンな議論の場で晒されれば、科学技術に興味ないやつは、なんでこんな予算つかってんだ!と怒るのも当然のことであろう。文句を言われたくなければ、自分たちの稼いだ金でやればよい。私はもとよりその考え方だ。若いうちに一生懸命仕事して稼いだ金でやりたい研究や投資をやろうと思っていたし、実際にそうしている。

宇宙開発にすでに数十億投下したが、それが事業化して収益を生むかはまったく不明だし、でも人類の未来のために前向きにいきるために宇宙開発は必要だと思っているし、それを税金でやったら否定する人もたくさんいるだろう。JAXAの予算をみても、ISS関連予算やらGXロケットの研究予算など無駄以外の何者でもないと思うし、科学技術予算の削減に反対している毛利宇宙飛行士の提案している月面に人型ロボットを送る案などに金を使われるのはたまらないと思う。

だったら、旧宇宙研関連の科学技術衛星の打ち上げをいもっと推進してほしいとか思うが、そうはなかなか問屋が卸さない。税金の使い道は複雑に利権化されていて、それをドロドロとした仕組みで獲得していかないといけない。そんな活動をするのはまっぴらごめんだ。

そろそろみんな、政府に頼るのをやめないか?

本当に必要な技術ならみんなで稼いだ金で実現しようや。日本の研究機関・大学は研究の事業化について稚拙である。そこで得た利益を研究にフィードバックする仕組みができてない。だから、大学教授は科研費の獲得に汲汲としている。あほらしい。実際私は東大農学部の大学院生が研究していたユーグレナという生物をつかった事業を立ち上げたことがある。本来は大学がサポートすべき事案である。大学が一部投資して育成し、株式の売却益などを研究予算にフィードバックできるはずだ。

スパコンの話で議論にあがっている理化学研究所はかつて、理研産業団という財閥を形成し、ビタミン剤などを次々と事業化し、その利益を研究予算につぎ込み研究者の楽園と言われていた。

サブオービタル(なんちゃって宇宙旅行)ではあるが2000万くらいの価格で宇宙旅行体験を可能にするスペースシップ1を開発するきっかけになったのも民間のちからだ。Xプライズという私もかつて理事を務めていた財団(私も些少ながら寄付をしている)にアンサリさんという中東出身のベンチャー企業家が寄付をしてコンテストは成立し、そこから新しい宇宙船が生まれたのだ。公的機関がそんなことをやってくれるか?

リニアモーターカーだってそうだ。夢の超特急といわれてはや四半世紀以上。未だに実用化されていないが、民営化されたJR東海が自己資金で実現することになりそうだ。

もっと技術者が起業しやすい仕組みを整え、その技術をマネタイズできる人材をそろえるような教育システムと異端の人物を社会が受け入れる事が大事なのだ。政府なんぞに頼ってはだめだ。科学技術振興の重要性などどうでも良い国民と、それにおもねる政治家の意見か、補助金をなんとかせしめようとしている政商しかよってこない。




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戦前の理化学研究所のことがかかれている漫画です。

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