楽天、「Edy」のビットワレットを子会社化

まるで2006年から何も進化していないような錯覚に陥る。私が前職で考えていた構想を楽天は次々と実現していっている。その実現力は素晴らしいものがある。この電子マネーの買収に先立って楽天はイーバンク銀行を買収している。そう、イーバンクは私達が2003年に買収しようとして失敗した案件だ。

その後もイーバンク経営陣たちは数々の会社から資金を引っ張っては使い倒し有効なビジネスモデルを一度も発見できずに遂に楽天の軍門に下った。そこまでじっくり我慢した楽天の戦略勝ちだろう。旧経営陣も全て追い出したみたいだ。それがいい。彼らは、GMOグループや政府系銀行、商社グループなどいくつもの会社から相当額の資金を引っ張り出している。まるで銀座の売れっ子クラブ嬢のようである。やらずぼったくりともいうのだろうか。最初に酷い目にあわされたのは我々だったが。

最後にリーマンショックが起こり運用していた資産が大幅に減損され、どこも手を差し伸べなかった。恐らく相当厳しい条件を楽天は叩きつけたのだろう。しかし彼らしか助けてくれるところはもうなかったのだ。

「Edy」の譲渡によりソニーグループはハードウェアに回帰しようとしているのではないだろうか?ソフト・サービス事業を強化する上で、電子マネーを失うことは非常に痛いと思う。逆に「Edy」はこれで相当強くなったと思われる。コンビニでも相当のカバー率だし、エアラインでも従来は入っていなかったJAL系の売店でも使えるようになっている。沖縄ではANAとのマイル提携のおかげで相当のカバー率である。楽天ポイントと連携できれば、普及率は一気にアップだ。

もしネットで貯めた楽天ポイントが面倒くさいEdy変換などの手続きなしでそのまま店舗で使えるならば、これは非常に嬉しいサービスである。ほとんど楽天ポイントは通貨並みである。そしてイーバンク銀行だ。イーバンク銀行の預金がデビットカード的にそのままEdyとして使えれば非常に便利である。つまりプリペイド型とポストペイ型の電子マネーの両者の特長を持つことになる。

楽天グループの快進撃は止まらなさそうだ。

成功の法則92ヶ条
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