「給付付き税額控除」検討 首相指示、新政府税調に

「給付付き税額控除」という新しい考え方

「給付付き税額控除」は、私も賛成しているベーシックインカムにかなり近づいた発想である。そもそも基礎控除は誰でも受けられる控除であり、そういう意味で高額所得者層には予め控除という形でベーシックインカムが配布されていると考えれば、これまで控除を受けても実質的には所得が低い、あるいはゼロで恩恵を受けられなかった層にも給付という形で恩恵が受けられるという制度です。

できればこれに、生活保護や基礎年金も統合してほしいなあ。んで、この制度の実現には社会保障番号の導入も不可欠。だが、複雑なシステムにして欲しくはない。

で、財源なわけだが、民主党はおそらく所得税の累進課税を強化してくるはずだ。高額所得者を非難のターゲットとして「格差社会是正」を旗印にして従前の70%近い水準まで上げてくる可能性は大いにある。しかし、騙されてはいけない。これは老人民主主義的発想である。

ビル・ゲイツの懐とNPOの近未来

このエントリの最後のほうを読んで欲しい。
年金生活者になった老人は、これから働いて所得を得ることがない。だから所得税の課税を強化されても痛くも痒くもない。しかし、若者はこれから働いて所得を長い間得ていくわけだ。しかし、消費税は年金を貰って生活している老人の財布をダイレクトにヒットする。だから、老人は嫌がるわけだ。当然だ。貧乏な老人も困るが、実際に大金を持っている老人が山ほどいる。しかしその人たちに課税する方法は相続税か消費税しかない。日本人の金融資産1500兆円と言われるが、その大部分は金持ちの老人達が持っているといわれている。

そこから今以上に取ろうと思ったら消費税の増税しかないのだ。しかも消費税は若い金持ちからも同様に取れるので累進課税と同様の効果がある。金持ちはその分使うから、消費税も同様に沢山払うことになるので、そちらのほうが世代間格差も無くなりフェアに思える。

しかも消費税は徴税コストが少なくて済むはずだ。なぜなら売上が一定以上行かないと免税業者になるので、ある程度の規模で社会的にも認知されている企業からしか取り立てる必要がない。金持ちほど移動の自由が約束されているので、世界各国と比べて所得税が異様に高い累進税率になると海外逃避がこれまで以上に増えてくるはずである。

さて、最後にwinny事件の無罪判決だ。

■[P2P][刑事事件]winny開発者に無罪判決(大阪高裁)

ネット犯罪を取り締まるといって調子に乗りまくっていた京都府警を批判したい。
彼らなりの正義感は少しはあるんだろうけど、正直ネット犯罪取締りはウチがパイオニア的な驕りはなかったのか?捜査機関という国家権力が調子にのって、摘発しまくるとその被害にあった人たちは人生を棒に振るくらいの衝撃を受けることになる。そこまで考えてやっているのか?おそらくやってないだろう。

当たり前の判決だと思うから、それを喜ぶよりも、関係者のこれまでの苦労を考えて陰鬱な気持ちになる。どれだけ辛かっただろうか。

マスコミが作り上げた世論に乗っていい加減な判決を出した京都地裁も批判したい。
司法の暴走は、我々が声を上げていかないと、止まらない。政治家も声を上げないと、いい加減な立法をしてくるのは間違いない。児童ポルノ取締り法案の改正案などもそうだ。世論の中でも声がでかい人のことを政治家は優先して聞くものだ。

Winnyの技術
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