昨日、新編が出ていてその反論しつつ、昔のも見ていたら、推測も含めて悪意を持ってしか企業を見れない人なのだろうなあと、改めて思った。これは私からの反論がなければ見ている人は誤解をする人が多いだろうなあと思い、反論を急ぐことにした。今日は時間もあるし。

その前に「ホリエモンの錬金術 -号外その2」について。

「もともとライブドア自身が、インチキ上場した上に数々のいかがわしい手段を駆使して出来上がった虚業集団ですので」と断定的に書いてありますが、違います。インチキ上場云々はこれから反論していきますが、虚業集団というのは既にこの時点で明らかに間違っています。これを聞いてライブドアに勤務していた数多くの社員は大きく傷つきます。俺もむかつきます。謝れといいたいです。

では、本題の「ホリエモンの錬金術 -7」について。

まず、最初の第3者割当増資の株価算定に関して異議が唱えられています。しかし当時ネット産業に対する世の中の期待と売上の成長率とネット産業の参加者の少なさを考えると、全てとは言いませんが、どの会社も大きく成長するチャンスがありました。DCF法というのは将来利益を現在価値に割り引く手法ですから、現在価値が短期間に大きくなることも、いきなりネット産業が注目されたということを考えれば、問題ないといえるでしょう。

「設立してわずか3年あまりの会社で、これといった収益を生み出す構造をもっていない(その後の実績を見てみますと、上場後5年間の決算書の示す通り、まともな利益が出ているとは思えないからです)うえに、利益剰余金が25百万円余りしかなく、含み損はあっても含み資産の全くないと考えられる会社のPBRが36.6倍にもなるようなことは、まずありえないことです。」

と彼は書いていますが、事実は違います。ほとんど私が一人でプログラムを組み、運用を行っていたネット広告配信システムは月1千万以上の売上を上げつつあり、今後もネット産業の発達で大きく伸びることが期待されていました。利益剰余金が少ないのは指摘の通りですが、含み資産とはネット産業の場合、知的財産でありBSに記載できるものではありません。特許やら実用新案化して無理やり記載することも出来たかもしれませんが、それをすることに意味があるとは思えません。まあ、その辺は山根氏はネット産業に関してあまり詳しくなさそうなので、仕方ありませんけどね。

その後も引用します。

「かも、この第三者割当がなされた時は、重要な創業メンバーが何人かのスタッフと共に会社を離れた直後で、営業契約の一部が解約され、業績が悪化に向っている時なのです。実際、会社が開示している第5期の第一・四半期(自平成11年10月1日、至平成11年12月31日)は、創業以来初めて経常損失が26,080千円と、大幅な赤字に転じています。つまり、この段階で利益剰余金がマイナスになり、欠損会社になったということです(1,459千円の欠損)。この傾向は、上場後も続き、上場後の第一回目の決算である第5期は、赤字幅が更に拡大し、営業利益の段階でさえマイナスの179,694千円と一段と悪化しています。この期の営業活動によるキャッシュフローがマイナスの811,052千円となっていますので、あるいは、実際の経営成績は、損益計算書で示されている公表数字よりも悪かったのかもしれません。」

創業メンバーがこの時期に何人かのスタッフと会社を去ったのは事実ですし、それは公表されています。営業契約の一部が解約されたのも事実ですが、第5期の1Qが赤字になったのは、それが原因ではありません。彼らの上げていた売上は年間1千万ちょっとであり、利益貢献としては、せいぜい1,2百万といったところであり、それが会社にとって大きなダメージになったとは思えません。

なぜなら、彼らがやっていた事業はWebシステムの受注であり、当時営業をしていたのはほとんど全部私でした。継続して彼らがやっていた仕事は、最初の営業は私でも、継続事業になっていたので彼らに持っていかれました。ネット広告システムと違い、受注額に応じて作業要員も必要なので、利益率はさほど大きくはありません。当時のオンザエッヂ(ライブドア)は収益基盤を、少人数で安定的に収益化できるネットサービス事業にシフトしつつありました。

実際にこの時期はどんどん優秀な人材を獲得できている時期であり、今後の企業発展を支えてくれる人材を多数獲得できた時期であります。で、1Qの赤字の原因ですが、第3者割当増資により、上場前に数億の資金を獲得できたので、自前のデータセンターを開設したことによるものです。また社員を増やすために事務所も移転して広くしました。

これらの月次の賃貸料、回線使用料が、顧客を獲得しある程度の稼働率になるまでは重くのしかかってきました。データセンターの自前運営には、2つのメリットがありました。一つは自社サービス(ネット広告配信システムなど)の24時間安定稼動。もう一つは、他社顧客を獲得することによる安定収益の確保(データセンターを解約することはすぐにはできません)です。
つまり将来安定した利益を得るための先行投資だったわけです。そのための大型増資でしたし、その投資による利益を見込んで増資に応じてくれたともいえます。

ただ、結果としては山根氏の言うように2年くらいはデータセンター事業は赤字となり、収益を大きく圧迫する要因となりました。理由としては、上場直後にネットバブルがはじけて急に企業がネットに対する投資を控え始めました。その後営業をがんばり、賃貸料の値下げ努力をして漸く2年以上後に黒字化しましたが、その後はライブドアの収益を安定して支える収益源となりました。また、自社で運営しているデータセンターを持つことで、安定稼動を実現しました。あのライブドア事件捜査のときに東証のシステムはダウンしましたが、ライブドアブログなどのシステムが落ちなかったのは有名な話でしょう。

それを「上場支援という名のもとに、創業者利得を装って不公正な荒稼ぎをしているのではないか。
 さしづめ、インチキ上場の手助けをした“かご抜け増資”とでも呼べばいいのでしょうか。」

と言われるのは正直腹が立ちます。
彼らの増資がなければ、成長の礎となったデータセンター事業は立ち上げられませんでしたし、その後石に噛り付いて事業を黒字化したスタッフが報われません。

なんでもかんでも、錬金術に結びつけ真面目に一生懸命働いている人間を揶揄するのが、マトモな人間のやることでしょうか?もっと善意の目で人を見ることができないのでしょうか?

全然関係ない話だが、世知辛い話が続いたので。
花畑牧場の生キャラメルが、ついにアマゾンでも売り始めたらしいぞ・・・・
そろそろ過剰生産気味になってきたのかなあ。。。
有名になる前に、某怖い(笑)タレントの人から、ヨシタケのキャラメル食ってみろって貰ったけど、美味しかったし珍しかった。その後あれよあれよという間に売れまくって北海道土産に買えないくらいすぐ売り切れていたのだけどなあ。。。