霜村さんから電話。「いまどこ?」「大学…」

 「シナリオができたよ。メールで送ります」

 「うれしい!ところで霜村さんは、今自宅なの?」

 電話口の向こうで笑う声。ありえないことなんだ、自宅で仕事は…。

 「飲み屋ではありません。でも外ですよ」

 町のコーヒーショップで、例のごとく一人自分の世界に入り込んで作ってくれたのだと思う。

 自宅についてパソコンを開く。届いていました。さすがです。

 内容もパソコンも…。

 自分でなんでもやってしまうところがすごい。ぼくは、何でも人に頼る。自分はちょっと甘えて口出しするだけ。

                       ※

 ゼミ室に立ち寄った田所さんが言った。

 「どのくらい集まると思う」

 「う~ん、このゼミの10人は絶対大丈夫!それから、都内で集まりをもっている仲間たちが20人きてくれるといいけれど…」

 「30人は大丈夫じゃないの…」

 「そうなるといいけど、みんな忙しいからね」

                       ※

 この会話を聞いていたゼミ生が笑った。

 「先生、10人と言いましたね。全員参加ですね」「勿論10人!」

 「じゃあ、先生、M君も絶対首に縄を付けても連れて行きます」