令和を迎えて
改めて、新天皇陛下の御即位をお祝いいたします。
令和にあたり、長文ですが、改めて小生の思うことを書かせて頂きました。
「あらためて、なぜ政治を志したのか」
私は、親戚縁者に政治家は一人もおらず、政治が身近とは言えないサラリーマンの家庭に生まれ、育ちました。
歴史が好きであり、公のために尽くす政治への漠然とした関心はありましたが、このような環境で育ちましたので、4年に1度の選挙に対する怖さがありました。
20歳の時に、将来何をなすべきかと思い、直接、公のために尽すか、起業の道に進むかなど自問自答していた折に、日本は山一証券自主廃業などをはじめとした金融・経済の危機に見舞われました。
この瞬間に、日本では今までとは違う何かが起きていると電流のような危機感が走りました。私は、沈みゆく日本を救い良くしたいと突き動かされる想いに至り、何を言われても「自分を守るのではなく、公のために尽くし、政治に一身を捧げるという志」を固めました。
突き詰めて考えると、日本の先行きに危機感を持ち、純粋に、国と地域のために尽くそうという湧き出る気持ちから政治を志しました。この想いは今も高まるばかりです。
「3度の衆議院選挙を経て、なお政治を志す理由」
私は、栃木四区で2012年から3度の衆院選を戦いました。最初は49,021票、2度目は62,251票、3度目は76,294票を賜り、尊い期待を増やして頂いていることに感謝の気持ちで一杯です。一方で、3回とも次点にとどまっている以上、周りを巻き込み迷惑をかけている分だけマイナスの状況といえます。
「自分を守るのではなく」と威勢よくいっても、様々な形での負担はのしかかって参ります。それでも4度目に向けて政治を志すのは、今の国政において、真に公のために覚悟を持って尽くしているとは思えず、この国と地元のために、もっと良い政治をしなければならないという危機感を有しているからです。以下に具体的に書きます。
(1)国会議員定数を増やす政治でいいのか。
揚げ足をとるつもりはなく、政策的な観点からいえば、人口が減少し、国の借金は膨らみ、まして増税を控える中で、なぜ、国会議員の定数を6人も増やすのでしょうか。こういう政治はありえないと思います。令和の時代は増やすのではなく、減らすべきと思います。
もちろん、国会議員定数を増やす中で、消費税増税は到底受入れられないと申し上げます。
(2)急速な人口減少に対して覚悟をもって取り組むべき
政治家は、未来の子や孫の世代に向けて、様々な軋轢を生んでも、時に己の身を削り、覚悟をもって、政治に取り組まなければならないと思います。
私の子どもも一人前になる20年後の日本を想像した時に、日本は2000万人人口が減るという予測であります。社会の勢いを失わないよう、人口減少については多くの国民が共有する課題でありますが、今の政治から覚悟をもって有効な対策をとろうという思いが伝わってきません。
私は、タブー視することなくいえば、日本社会の構造上の問題が潜み、結婚が難しくなっているという壁が影響していると感じます。
その背景には、正社員の職を得ることが難しいなど結婚後の生活資金が描けない、出会いが少ないなどの状況があり、多様な価値観を尊重しつつ、ここに政治が役割を果たしていくことが求められます。
平成の時代に行われた、いわゆる構造改革で経済に活力を与えた点も多くあったと思いますが、一方で、一部の強い者を生き残らせて、多くの日本人の幸せを顧みずに犠牲を強いて日本社会の分断という負の面も多くあったと思います。
あらためて、急速な人口減少に歯止めをかけることを優先して、挑戦する企業の負担も考慮しつつも、一人でも多くの若者が正社員になりやすい制度及び予算策定などに向けて、政策を仕切り直すべきと思います。
(3)地域を置き去りにしてはいけない
私も、3度の立候補に至る前に、国の行政で9年超、仕事をさせて頂き、国という視点から地方創生も足りないなりに見て参りましたが、その時よりも、地元で活動する視点からあらためて国の地方創生をみると、いかにかけ声倒れで本気度を感じないものと思わざるを得ません。
最近でも特に驚いたのは消費税増税において、クレジットカードなどを用いた場合だけ還元するというやり方です。これは地域のお買い物や飲食の事情を顧みずにやっているとしか思えず、地域にその還元が行き渡るとは到底思えず、むしろ大都市優遇といわざるを得ません。
もちろん、キャッシュレス社会を推進したいという思いは理解しますが、これはこれで別の政策としてやるべきであり、増税還元とは切り離してやるのが本来の筋です。
結局、地方創生といいながら、地域に相対的に負担が大きくかかるというのでは本末転倒であり、国はもっと真剣に地域のことに思いを致すべきであります。
私は、大企業の本社、政府の中枢、大学の教育機関が全て東京に一極集中する現状において地方創生は難しい課題と感じます。どれか一つでも地方移転を推進し、併せて、地域の特色ある取組みを後押しする特区制度の大胆な活用と地域の負担を軽くする取組みを進めるべきと思います。政策的な詰めを前提として、車の移動が多い地方に限定して、ガソリンの暫定税率を廃止するなども一案です。
(4)日本外交は平和を守る「厳しい見立て」で展開すべき
このところ、安倍さんでないと外交がうまくいかないという声があります。本当にそうでしょうか。
あの慰安婦を巡る日韓合意において、二度と蒸し返さないと触れ回りながら、それぞれの記者会見でいわば言いっぱなしにとどまり、書面を交わさないままの約束を見た時に、不安を覚えましたが、案の定、約束は反故にされたといえます。
例えが雑ですが、不動産売買などで口約束だけで売ってもらえるとしてお金を払ったものの、売りませんと詐欺にあったようなものともいえます。
北方領土を巡る問題では、ロシア側から先に日本側の領土に対する認識を改めよ、として迫られたような雰囲気で、日本政府は、突如、「北方領土は日本に帰属」、「北方領土は不法占拠状態」などの認識を示さなくなりました。
仮に、日本側の認識を譲るならば、最終段階で全て話がまとまった時に一気にやるか、あるいは、何らかの確約を最低限書面で公の場で明らかにしておくべきです。
最初から、日本側から譲らないと交渉に入ってもらえないとして、媚びへつらうような外交をしても、相手は、日本側が譲ったという実績だけ残せば最高の形ですから、突き放されて終わりの可能性が高いと言えます。
北方領土問題が進展せず、日本側の認識を後退させた事実だけが残るならば悪夢です。
日本外交を甘い見立てではなく、国を守る厳しい見立てに改めるべきと思います。
(5)地元のこと
国会議員の政策秘書を務めさせて頂いたことで栃木4区にゆかりを持たせて頂き、3度の立候補をさせて頂いた地元で何らかの活動をはじめてから8年となりました。
親戚も同級生もいない中でスタートさせて頂いた活動において、地元の方から賜るご支援に感謝するばかりであり、選挙をするたびに期待を膨らませて下さっていることについて絶大なる感謝です。更には、地元でも自治会の活動をさせて頂き、また、小学校のPTAや育成会などの役員、ライオンズクラブの会長なども務めさせて頂き、地域で一緒に活動させて頂いていることにも感謝です。
2014年の2度目の選挙を終え、翌年の5月ぐらいから地元を歩きはじまり、時にはお茶を頂きながら話し込み、時には厳しいご意見を頂いたり、時には多くのお困りごとをお聞しながら、その暮らしの匂いを感じ、人情に触れるたびに、私は、誰よりもこの栃木県第4区が好きになりました。
栃木県の県南・県央に立地する栃木4区は東京に競いあえる潜在力を持つ地域です。これまで栃木県ではどちらかといえば、国政の光は宇都宮以北の県北を中心として照らされていた感がありますが、令和の時代は、県南に光を当て、北関東の玄関都市として、近隣からも遠くからも活躍の場を求めて若者をはじめ、人が集まるような、憧れる4区地域を創りたいと思います。